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■第6節 昔のマンチキン
 日本のガープスにも歴史があり、かつてはメーカーもユーザーも無知であった事から、様々な「おかしなマンチキンキャラ」で溢れていました。
 そうしたものは、時間経過と共にデータ解析が進み、必ずしも「最強」とは言えない事が判明していったわけですが、そうした途上の知識情報も年数が経ち、ネット上から次々と消えていきました。現在は、古参の脳内の断片情報として残るのみです。

 …しかし、それではちょっと寂しい。
 なのでここでは、管理人が覚えている過去のマンチキン知識の断片情報を、現在の当サイトのハウスルール下で、当時のアイデアを再現する形で残しておきます。無知ゆえの極端すぎるマンチキン・キャラの数々は、今見れば稚拙かもしれませんが、黎明期のガープスがいかに自由な発想が可能なシステムであるかの証明でもあります。

 古参の方は、見て懐かしむも良し。そして、これからガープス第3版を始める人にとっても、何かの参考になるかもしれません。
■100cpの戦士のマンチキン
■戦士マンチキンとしての考え方(古代)
 「全力攻撃でフェイントを入れてから、目狙い(修正-10)で刺し攻撃を当てれば、おおよそどんな相手でも一撃で倒せる」―――これを、言葉通りに実行するプロフェッショナルこそが最強と言える。
 脳へのダメージは防護点無視、貫通したダメージは4倍になるため、刺し/1D+2でダイス目が最低値の1でも3点の刺し攻撃となり、4倍して12ダメージ。脳へのダメージは、生命力の半分以上だと自動的に気絶扱いになるため、生命力24までの標的は確実に一撃で気絶する。この時点で、倒せない人間系のキャラはほぼいないだろう。
 つまり、ただそれを実行するためだけに全リソースを投資すれば、最強のマンチキン戦士と言えるだろう。

 長時間耐えて戦線を維持する事などは想定してないので、知力も生命力も、許される範囲内で最低値まで削ってCPを稼ぐ。実際の戦闘では、相手に先手を取られても能動防御で1ターン相手の攻撃をかわせば問題ないので、防具も最低限に抑えている。
 仮に、相手が同型のマンチキン戦士であり、先手を取られたとしても、技量が同じなのでフェイントの成功率も五分五分。運があれば相手のフェイントを無効化し、こちらの手番で全力攻撃後の無防備な相手に2回の目狙い攻撃を放てる。

 攻守共に完璧だ!


■問題点
 当時は「ガープス・マジック」への理解度が低く、魔法抵抗の事など全く考えなかった。さらに、魔術師=バッファーであり、前に出て戦うタイプの魔術師など全く想定されていなかった。そのため、瞬間発動で抵抗魔法を放ってくる相手など想定外であり、対策を立てる必要性は認識されなかったのである。
 また、このキャラの様に
極端に知力と生命力が減衰したキャラクターが、果たして60歳になるまで剣一筋で人生を歩めるのか?という、現実的な生活の問題もある。この知力だと、見張りなどはむしろ適性がありそうだが、生命力が異様に低く、そもそも体が資本の戦士業界で健康が保てるのか?といった懸念がある。

 当時はキャラクターのリアリティなど一切無視してマンチキン思考に走るのが普通だったため、このようなリアリティに乏しいキャラクターが量産され、「1対1の状態で決闘に勝つ」以外の状況には全く対応してなかったのである。
 結果、何が起こるかというと、このようなキャラクターをセッションに持ち込んだ場合、セッションを進めるために他の「普通のキャラ」を作ったプレイヤーのキャラクターに頼るほかなかったのである。1対1の戦い以外では、完全に無能なのだから仕方ない。
 ―――要するにこれ、自分が特定の状況で無双したいがためだけに、他の要素を全て他人に押し付けるだけの
クソ・キャラクターである。そして、そのようなキャラクターを平気で持ち込み、「俺は戦闘だけの活躍でガマンするから、他は全部お前らのやりたい放題だぜ!」とか屁理屈をこね、他人への配慮を一切しないプレイヤーも、当然のごとくクソ・プレイヤー認定を受ける事になる―――ガープスのセッションの8割は戦闘シーンと言われるのに、その8割を独り占めしてるんだから当然の評価であろう。

 マンチキン、特にガープスのマンチキン・ユーザーが最も嫌われた理由がそこにある。
■戦士マンチキンとしての考え方(現代)
 基本的な考え方は古代と変わらない。フェイントを放ち、目を狙って突く。脳に生命力の半分以上のダメージを与え、強制的なシャットダウンを試みる。

 ただし、いくつかの点で変化している。
 まず、知力と生命力が低すぎるのを改められ、「意志の強さ」を取得して魔法防御を上げた点である。これでもまだ十分とは言えないが、少なくとも基準値8で抵抗するより、14~15で抵抗した方が勝率は高いのは言うまでもない。
 また、どうせ突き攻撃しか狙わないので、振り攻撃は諦め、体力を削って致傷力が若干下がるのを許容する事で、他にCPを回している。「突き攻撃しかしないのであれば、いっそスピアにしてはどうか?」という提案はごもっともなれど、〈準備〉技能で即座に構えられるのは剣を始め、ごく一部の武器のみの特権であるため、即応性を考慮して敢えて剣のままにしている。
 古のマンチキンは自身が守勢に回る事を考慮していなかったが、現代では削った体力のCPで「戦闘即応」を取得し、奇襲に備えている。これで、自身の能動防御や恐怖耐性を向上しつつ、パーティー全体の防衛にも貢献できるようになった。

 その他、「容姿」にCPを回し、反応判定への配慮を行った他、パルクールなどの運動系技能にも若干のCPを振り、機動性を高めている。「財産」も削ってしまったが、そもそも耐えて長期戦に臨むような戦い方の戦士ではないため、下手な重装備は切り捨て、機動性を重視している。また、剣は高価な装備なので、青銅製の低品質の剣に換装している。2本あるので、片方が壊れても即〈準備〉技能で構え直して攻撃を再開できる。さらに剣が壊れても、〈剣〉技能で使える棍棒を装備している。棍棒の場合、目ではなく相手の「頭部」(-7)を狙って気絶を誘発すると良いだろう。

 見ての通り、古のマンチキン戦士とやり合った場合、技量の差により高確率で敗北するだろう。しかし、リアリティの面では大きく改善されており、単独でもどうにか生活していける。「どうしても技能マンチキン戦士をセッションで使いたい」場合、こういうキャラクターならば辛うじて許容されるかもしれない。
■100cpの魔術師のマンチキン
■魔術師マンチキンとしての考え方(古代)
 魔術師のマンチキンは、「ソード・ワールドRPG」の時代(もっと古い時代だとD&Dの時代)から研究されていたが、平たく言えば「敵から見えない遠くから、一方的に攻撃魔法を浴びせて反撃も許さず始末する」である。

 ガープスにおいて遠くから呪文をかけるのは、連動系呪文《呪文防御》を用いた特殊なコンボを組まねばならず、さすがに黎明期のガープスでそのようなコンボが使われる事はなかった(連動系呪文の説明自体が分かりにく過ぎた)。
 また、当時はインターネットによる情報交換網が未発達であったため、多くのユーザーが「マジック」自体を持て余しており、どのような設計が最高のマンチキンか?といった情報を互いにやり取りできず、個々の卓内での研究で止まっていた。
 よって、この手の魔術師系のマンチキン・キャラクターが世間で広く認識され始めたのは、インターネットが普及してからの時代以降である。

 黎明期の魔術師マンチキンは、とにかく一撃必殺になり得る呪文を極端にマンチキン上げして、可能な限り遠くから呪文をかけるというもの。
 様々な検証の結果、事実上の即死かつ何度連打してもコスト消費しない呪文として《活動中断》の呪文がやり玉に挙げられた。これは「準備30秒・コスト6」と、一見すると連打できそうにない呪文だが、40レベルまでマンチキン上げすれば、準備一瞬でコストもゼロになる。そして、当時のガープスの戦闘では射程30メートルもあれば、とりあえず敵がどこにいようと届いた。

 無論、敵が一方的にやられてくれるわけがないので、当サイト独自にマンチキンを推し進めた結果、「透明状態でうろつき、相手が逃げても追跡呪文で対象を補足し続け、透視で壁越しに抵抗を突破するまで何度でも《活動中断》をかけ続けるという、凶悪な魔術師が完成した。

 もはや、戦闘シーンに切り替える必要すらない。一方的な虐殺だ!


■問題点
 ガープスの魔術師は、シナリオを根底から崩壊させるだけの力を持つ、いわば
GMキラーである。そのためGMは、シナリオ崩壊前のキャラ作成時に「技能・呪文レベルは●レベルまで!」という規則を取り決め、従ってもらうしかなかった(高くても25レベルくらいが限界)。それでも言う事を聞かないバカチンは「君は、うちのセッションにいなくていいよ」としか返しようがない。ガープスのマンチキン魔術師は、日本のTRPG業界において「マンチキン」を最高に不愉快な存在へと仕立て上げてくれた元凶でもあった。

 先の上に挙げた戦士のマンチキンが「戦闘になるまではただのお荷物で、いざ戦闘になると一人で全部平らげる」という、美味しいところ取りをする
寄生虫だとすると、魔術師のマンチキンは「セッションそのものを土台から崩壊させ、そもそもシナリオを開始させない」というシロアリやイナゴの大群に近い。
 当たり前だが、そんなキャラクターが1人いるだけで、そいつ専用のシナリオを用意しないとセッションが成立しない。ありふれたゴブリン退治クエストなど用意しても、魔術師1人で全部片づけてしまうのだから、
いるだけで邪魔な害虫以外のなんでもなかった。

 しかもその害虫本人は、
もはや自分が害悪でしかない事を理解していなかった。
 『ルールはきちんと守っている』
 『その範囲内で最適解を出す行為の何が悪い?』
 『シナリオが破綻するのはGMのせい。お前の無能を他人のせいにするな』


 ―――では、あなた方がその破綻しないシナリオのお手本で見せてくれ。
 管理人には、そのようなシナリオは思いつかない。
■魔術師マンチキンとしての考え方(現代)
 マンチキン魔術師がセッション・ブレイカーになりやすい最大の原因は、キャラクター作成時にさしたる目標もないのが原因である。「とりあえずGMも含めて皆をびっくりさせるために、奇想天外なキャラクターを作成しよう!」という動機が、節操のない幼稚なキャラクターの作成に走らせるのだ。
 よってこのロジックから脱出するためには、具体的に「●●というアニメやゲームで登場した魔術師キャラクターを再現したい」という具体的な目標を設定させ、そこに向かって必死にマンチキン技術を駆使させる方向性が正しい。これなら、単一技能バカ上げ無能作成も回避しやすいだろう。だいたいの強キャラは、強力な攻撃パターンを複数持っているので、忠実に模倣するほど一つの技能に集中特化しにくいのである。
 昨今では、「葬送のフリーレン」など高レベル魔術師の冒険を書いた作品もそこそこ出回っており、やりたいことが曖昧なユーザーに明確な作成目的を与えてくれるような娯楽環境になっている。なので、セッション・ブレイカーを回避したければ、とりあえずその憧れの魔術師キャラクターを模倣構築すればいい。

 ここに挙げたのは、ガープス第3版では「最終解」として導き出された《凍傷》連打という戦術を100cpの範囲内で実用可能なキャラクターとして落とし込んだマンチキン魔術師である。モデルとなっているのは、上で挙げた「フリーレン」である。
 普段から《浮遊》《矢よけ》《韋駄天L1》あたりを維持しておき、戦闘になれば後方上空から《凍傷》連打。相手が同じように《凍傷》を放ってきた場合は《呪文防御》で守る。万が一、相手の飛行ユニットなどに空中で接近された場合は《音噴射》で一撃必殺を狙っていく。一方、仲間が魔法で拘束された場合は《呪文除去》の出番だ。
 戦闘でも十分強いが、探索シーンでも冒険者に必要な知識―――〈動植物知識〉や〈神秘学〉でパーティー全体の認識を向上させたり、《持続光》でダンジョンを照らしたり、《方向感知》《追跡》の呪文で目標物を発見・追跡したり、《小治癒》《大治癒》で味方の負傷を癒したり、《水作成》の呪文で清潔な水を補給したりと、パーティーメンバーの役割を全て奪わない、魔法使いでないとフォロー困難な範疇で貢献している。

 当然だが、古のマンチキン魔術師には勝てず、一方的に撃墜されるだろう(《呪文防御》は術者が知ってる呪文しか対処できないため、《活動中断》を習得していないこのキャラは抵抗すらままならない)。だが、こちらのキャラクターは、GMの許可を得て冒険に参加させて貰える可能性はまだある(《凍傷25》に拒絶反応を示すGMもいるようだが…)。
 皆と一緒に冒険するためにキャラクター作成するのだから、マンチキン無双するにしても、この程度で押さえておくべきであろう。
■さまざまなマンチキン
■体力のマンチキン
■考え方
 体力を極限まで上げて、一撃の威力を追求するのもガープスの醍醐味の1つ。そこで考え出されたマンチ・テクニックの1つが以下。

「体力16まで上げて、必要体力11のピックを振るえば、「刺し/2D+3」で毎ターン攻撃でき、しかも命中・貫通したら次のターンで刺さったピックを抜く時に、刺さった時の半分のダメージを与えられる………超つえー!」

 …しかしこれ、体力16、武器技能14レベルにするのが精一杯で、武器を命中させるためのプロセスにおいて工夫がなく、命中後も刺さった武器を引き抜くのに1ターンかかるので、実はダメージを分割で与えてるだけである。そして魔法抵抗に至っては、ほぼ皆無。
 要するに、実はあんまり強いマンチキンではなかったのだが、ネット上では広く知られていたので、一応ここで挙げてみた。


 このロジックで現代版の体力マンチキンを目指すなら、無理に準備武器を非準備になるまで体力馬鹿上げするのではなく、純粋に装甲貫通力を重視して「致傷力3D」のラインを目指すべきである。そこで挙がるのが以下の案。

「体力13でハルバードを持てば「切り3D」が実現!ただし準備2ターン」
「体力14でモールを持てば「叩き3D」が実現!ただし準備1ターン」
「体力15でグレートソードを持てば「切り3D」が実現!しかも準備なし」

 ハルバード案は手っ取り早く、標準的な体力で一撃必殺の威力を得られる。ただしハルバードの振り攻撃は、攻撃後に準備2ターンもかかってしまう。DPS(Damage Per Second)の側面から見ると、実はあまり強くないどころか、むしろ隙だらけになるので危険すぎる。
 モール案は攻撃後の準備が1ターンで済み、専業戦士として構築すれば無難に強い。ただこれは、普通にモール使いのキャラを作れば漏れなくこの設計になるのだから、マンチキン設計とは言えない。

 そこで挙がってくるのが体力15でグレートソード案。

 体力15は100cpの段階ではやや過剰投資であり、CPの大半を持っていかれるため、あまり実用性があるとは言い難い。しかし、きちんと効率化して無駄なく設計すれば、致傷力3Dを毎ターン繰り出せて、平常運用も可能な強キャラになり得る。
 さらに、防具を金属鎧で固め、「意志の強さ」で魔法抵抗をフォローすれば、かなりピーキーな能力ではあるものの、ゴブリン程度の雑魚なら全く問題しない体力マンチキン・キャラクターの完成となる。

 ただし、技能レベルがかろうじて12レベルをキープしているにすぎず、安定した命中率とは言い難い(命中率74%)。また、「外側」の防護壁は固い一方、「中身」の知力や生命力は平均値なので、貫通して実ダメージ受けると脆い。
 最低限の防護機能として、奇襲を受けないための「戦闘即応」を取得しているが、「我慢強さ」がないので、複数の雑魚敵を相手するのが前提なのに、複数の相手に攻撃連打されると脆いという矛盾も抱えている。
■生命力のマンチキン
■考え方
 「生命力なんて上げる意味があるのか?」…と考えるのは素人考え。敢えて魔法を使わない人間が、徒歩で騎兵並の機動性を得たいと思った事はないか?その目的を突き詰めると、以下のようなロジックになる。

「生命力を重点的に上げ、〈ランニング〉技能で移動力が2点分あがるように調整する。」

 当然ながら、ミュルーンなど飛行種族で機動性を極限まで上げれば、騎兵の移動速度を上回るのはそれほど難しくはない。だが、敢えて徒歩の人間でやるところに意味がある。

 ミュルーンは翼と一体化した手を使って飛行するため、飛行前および飛行直後、即座に戦闘行動がとれないという弱点がある(まず武器をしまうなり構えるなりせねばならない)。しかし徒歩であれば、武器を手にしたまま走り、到着後すぐに戦闘モードに切り替えられるというメリットがある。
 また、TL3における飛行中の射撃は命中率が悪すぎて実用性が低く、持ち替えを想定する意味自体もあまりない。さらに、徒歩移動力は〈ランニング〉技能で少しずつ上昇が見込める一方、飛行は能力値の底上げを行うしかなく、コストが大きい割に変化は少ない。
 これらを想定すると、移動力のマンチキンにも意味は出てくる。

 データの詳細を見ていくと、短距離では直進移動をすれば、2ターン目から移動力10で突っ走れるようになっている。これは、並荷状態のポニー(小型の馬)を少し上回る速度だ。TL3では経済力の観点から見て、専用の軍馬(騎馬、重装軍馬)を戦闘に投入できるほど金持ちの騎士は稀である。よって、この機動性であれば、冒険者が遭遇するであろう大半の騎兵からは逃げられるのである。
 そして、移動力自体はポニーの全力疾走とほぼ同じだが、人間型生物の場合、入り組んだ地形に入ってもそれほど極端に機動性が落ちない。一方、騎兵などは旋回半径に縛られるため、まともに追う事はできなくなる。
 また、長距離走行にも適応している。長距離走行ルールでは、200m移動する度に生命力判定を行い、失敗すると1点疲労する。しかし彼女は生命力が高い事から、滅多なことでは疲労しない。そのため戦闘中だけでなく、非戦闘時の飛脚(伝令)としても使えるかもしれない。一般的な伝令ミュルーンも顔負けの長距離対応高速ランナーというわけだ。

 無論、走る能力だけでは冒険者としては役に立たないので、機動性を生かすためにクロスボウでの射撃を行うように設計されている。敵が接近してきたら、180度向きを変えて全力で逃げれば、まず追いつく歩兵はいないと思われる。そうして十分な距離を取ってから再び振りむいて射撃するか、あるいは陽動として一部の敵を引きはがすような運用もできるだろう。

 GMも、この方向性のマンチキンキャラであれば、(他のメンバーやシナリオ進行への実害も少ないので)受け入れてくれる可能性は高い。
■装甲のマンチキン
■考え方
 鉄壁の防護点を得て無敵になりたい―――そんな夢を目指すのがこのマンチキン。100cpの段階で、限界まで防護点を高める事を目指す場合、どのようなアプローチになるか?

「筋肉もりもりマッチョマンが、最高の魔化を施したスーツ・アーマーを着用し、シャストアのマントを纏い、颯爽と舞台に現れる――――」

 ガープスでPCが入手可能な範囲で最強硬度を持つアーマーは「《強化L4》《防御L1》《軽量化L1》の魔化が施されたヘビー・プレート(合計$81,200)」であろう。「財産/富豪」(50cp)を獲得して、ようやくこの鎧を購入する事が可能である。
 この時点でも既に防護点11をマークしているのだが、追加でシャストア信徒として神殿装備であるシャストアのマントを羽織る(GMが認めるなら、だれでも着用可能な部分鎧の「コート」でも可)。さらに「頑強L2」(25cp)の特徴を得れば、合計で防護点14に達する。100cpの個人が独力で達する事が可能な防護点は、この辺りが限界だろう。

 もう一つの方法として、「財産/大金持ち」(30cp)で妥協して、「《強化L2》《防御L1》《軽量化L1》の魔化が施されたヘビー・プレート」を取得する(防護点9)。さらに、ジェスタ高司祭になって《鎧》の呪文を最大パワーレベル5で唱える事で、防護点14に達する事も可能だ。ただ、魔法戦士はCP的に辛く、中途半端なキャラになるのであまりお勧めはしない。今回は、黎明期に考案された装甲マンチキンの現代版の方を紹介してみた。
 昔は防具魔化の概念自体が一般的ではなかったので、「ハーフ・プレート」+「頑強L2」で防護点9が最強!といった感じだったが、現在のマンチキンではそれをはるかに上回る。

 注意してほしいのだが、防護点だけ上げても火力がなければ、敵はあなたを無視して他の味方を狙えばいいだけである。そのため、せっかく獲得した無敵の装甲を攻撃にも転用するためにも、どこぞのレポートで紹介した「バーサーカー」としてキャラ立てしてみた。

【設定】
 彼は、ソイル選王国の選王家の一つ「カナンストライド家」の4男として生まれました。彼は、公妃と地下闘技場の戦闘奴隷の優勝者との間に生まれた不義の子であり、戦闘奴隷の血しか引かなかったのか、筋肉の塊である事以外、特にとりえのない男でした。
 彼は、成人後まもなく秘密の地下闘技場送りにされ、そこで戦闘奴隷として使い潰される予定でした。しかし、最初の戦闘で月の祝福を受けた「ベルセルク」(バーサークの特徴持ち)である事が発覚。月を信仰の媒体とするルナル世界において、ベルセルクは必ずしもマイナスとしては取られず、むしろ「祝福過多」として見られる事が多いのです。
 その事実が気に入った公爵は、態度を180度変えて彼に最高の装備と待遇を与え、地獄の闘技場の狂王『シャスティアン』として振る舞う事を求めました。

 シャスティアンとは、〈悪魔〉戦争末期に現れた「最後の太陽の騎士」と名高い英雄テック・マーレンが着用していたとされる魔法の鎧の名称であり、血塗られた狂化の呪いがかかっていたという伝説があります。
 それの現代版として、鎧の伝説をパフォーマンスとして「疑似再現」させる事で、地下闘技場のトレードマークとして使おうとしたのです。この試みは観客たち(主に貴族)に大受けし、彼は最下層の戦闘奴隷でありながら、牢獄から出れない事以外は何一つ不自由しない豪華な部屋で生活するようになりました。

 ―――しかし、成人後まもなく闘技場に放り込まれた彼にとって、豪遊生活など何の興味も引きませんでした。彼は、ただ頭に血を登らせて戦い続けた結果、もはや人間としてのまともな精神は擦り切れてしまい、淡々と戦闘をこなしながら飯を食い、たまに女を抱き、寝るだけの虚無な生活をしています。
 現在の彼の望みは、たった一つ。

 『自分を殺してくれる英雄が対戦相手にやって来る』

 ―――それだけを願って、今日も「伝説の鎧」を演じ続けています。



 …まぁ、これくらい特殊設定にしないと成り立たないキャラクタービルドなので、とにかく特異な設定にしてリアリティを追加してみた。無論、このようなキャラクターがセッションで使用許可が下りる可能性は低いのだが、100cp帯でこういうキャラクターも作れるよ?というサンプルとなれば幸いである。
■治療のマンチキン
■考え方
 ガープスのヒーラーは使いにくい上、作成しにくい。前衛キャラにすると、自分が負傷して治癒呪文にペナルティが発生。かといって、後列に配属すると距離修正が酷過ぎて前衛に治癒呪文とか無理ゲー…そんな悩みを解消するマンチキンがこれ。

「何でもいいから、とにかく治癒呪文のレベルを21まで上げちまえ」

 いわゆる「後列」は、前列からどの程度の距離を取るか?によるが、ガープスでは5~7mほど離れていれば、少なくとも1回の移動で敵前列に隣接される事はないので、そのあたりの距離から前衛の戦士に治癒呪文をかけるとなると、距離修正は-5~-7。実際の呪文判定は目標値13~14は最低欲しいので、単純に合計すると最低でも18レベルは欲しい。緊急性も考えるなら、できれば21レベルまで上げて瞬間発動でぶっ放したい。
 しかし困った事に、一番放ちたいであろう《大治癒》は難易度が「至難」であり、1レベル上げるのに4cpも消費を要求するため、ガープスでは戦闘中の治癒=《小治癒》という常識が、公式からも発せられている。しかし、1~3点の治療じゃ追いつかないケースも多く、しかも連続試行でどんどんペナルティが発生するという謎の鬼畜ルールでイライラ度Maxに達する。

 そのため、治療のマンチキンと題しているが、実際はこのくらいのピーキーな性能にしないと、まともな戦闘中の治療は不可能である。
 またルナル世界では、独自ルールとして〈応急処置〉技能の上位技能がいくつかの信仰で実装されているが、そもそも応急処置にかかる時間が1人当たり30分とかなので、どう見ても即効性がない。連戦を想定するのであれば、応急処置など役に立たないのだ。

 なので、もう公式の妄言は無視して「治療のマンチキン」を作れ。治癒の化身でも何にでもなれ。おそらくそれが、ガープスにおけるプリースト・キャラクターの「正解」だ。

 以下、このキャラクターの背景設定など。

【設定】
 トリース森林共和国内の森人の自治領ラジスの森出身のエルファ娘です。治癒植物レスティリと豹を崇めるカジュアルマウザー(気楽な猫)氏族に属しており、主に人間社会を理解するために森の外を旅しています。
 彼女は人間の文化である貨幣経済にすっかり魅了されてしまいました。森の〈円環〉では、必要物資は全て配給されていましたが、在庫不足により入手できない時は我慢するしかなく、とても不便を感じていました。しかし人間社会では、物資の在庫量に応じて価値を変動させる事で、物流をコントロールするシステムが一般化しており、その合理性に感動したのです。
 そんなわけで彼女は、一獲千金を目指せる冒険者稼業に頭を突っ込み、巨万の富を得て故郷の森に貨幣経済を浸透させようなどといった、ある意味では時代に適応した若者らしい野望を目論んでいます。

 彼女自身、私欲など無きに等しく、純粋に「故郷のエルファたち全員が、豊かな暮らしで幸せになればいい」と考えてますが、そこに至る「手段」が、完全に「貧乏人じみた金にうるさい人間のおばちゃん」になっており、システムの美しさを称えるよりも先に、彼女自身の態度を改めた方がいいような状況になっています。
 また彼女は、パーティー内では比較的常識人であり、容姿もなかなか美しい事から、パーティーメンバーや常連の酒場では「姫」扱いされているのですが、同時に性格異常者集団の中の常識人=身内がしでかした不祥事の処置に追われる運命でもあり、パーティーの火消し役に回る事が多いようです(「不幸」の特徴)。
 どちらかというと「残念な美人」に属する彼女ですが、今日も正義のパーティーに協力する(黙ってれば)美しき癒しの姫君として、カビ臭いダンジョンに潜るのでした。


 なお、移動関連の技能が抜け落ちているが、《浮遊》を15レベルで習得しているので、普段はノーコストで浮遊移動すれば転倒なし、段差も余裕越えなので問題はない。
 攻撃に関しては、合理性を優先してクロスボウを装備している。ただし、大した支援射撃にはならないので、あくまで「やる事がない時の予備行為」である。
■多重人格のマンチキン
■考え方
 「100cp環境で他のプレイヤーキャラを超えるCPでプレイしたい!」―――そんな究極の駄々っ子の夢をかなえる手法がこれ。

「多重人格にして、特定の人格にCPを渡してしまう」

 ルール上では、一つのペルソナ(人格)が他のペルソナに渡すCP量の規定はなく、むしろ「最低でも50cp以上の差をつけるべきだ」という、なぜか公式がマンチキンを推している謎の状況である(笑)
 ただ現実問題として、冒険者キャラクターだとCPが低い方があまりに弱すぎると、そもそも使い物にならず、自分の身を守ることもままならず、弱い側の時に死んでしまう弊害があるため、普通は125cpと75cpのキャラを作成し、低い方は情報収集シーンで活躍し、強い側は戦闘シーンで活躍するような運用が一般的である。ルナルのリプレイでは、ドグラ&マグラ兄弟という例がいる。

 んで、ここで挙げたキャラは、CPを全部片方に丸投げしてしまっている。こうする事で、100cpの冒険なのに200cpの超英雄を合法的に扱える!…というメリットが……さすがにキャラクターの使用許可は降りないと思うので、あくまで参考までに。

 以下、このキャラクターの背景設定など。

【設定】
 オータネス湖王国出身のペローマ神官ユキは、魔法の素質がある事を除けば普通の内気な少女です。彼女は、幼なじみである青年キョンにずっと恋をしていました。

 ある時、キョンが冒険者になると聞いて、彼女はいてもたってもいられず、自身の実力も省みず、冒険について行こうとします。キョンは、友達以上恋人未満の彼女が傷ついて死ぬ事を恐れて拒否しますが、滅多に自己主張しない幼なじみの強いワガママを止める事ができず、やむなく現地での学術的調査員NPCのつもりで連れていく事にしました。

 ―――しかし、本当に守られているのは、実はキョンの方だったのです。
 彼女には、秘められた秘密がありました…。
[編集手記]
 米国は知りませんが、少なくとも日本のTRPG業界において「マンチキン」が悪質ユーザーを示す用語になってしまった背景には、やはり黎明期のガープスにおけるマンチキン・キャラ作成が関わっていると思われます。上の例はその一部に過ぎません。

 なお、西暦2026年現在においても、「ガープス」を超える複雑さをもった新TRPGシステムは出てきません…それはつまり、「ガープスがTRPGシステムの複雑さの限界点にいる」事の証明でもあります。これ以上複雑にすると、人間の処理能力ではプレイできない事を示しているのでしょう。
 しかし、第3版はまだマシな方です。第4版になると「リアル・シミュレーター」の要素の方が強く、プレイ・アビリティに障害が発生するレベルで複雑になりました―――プレイヤーも含め、参加者全員がルールを熟知していないと、まともにセッションが動かないです。

 ちなみに第4版では、第3版の時代のようなマンチキンキャラは作りにくくなっています。さすがに第3版がフリー過ぎたので、ある程度のリミッターがかかりました。
 しかしそのせいで、「同じような設計のキャラクターが並び、多様性を消失する」弊害が発生しました。具体的には「敏捷力と知力の増減で1点ごとに20cpも要求する」ようになってしまったため、「戦士なら敏捷力●」「魔術師なら知力●」という、ほぼ固定の定石のようなものができてしまい、キャラクターがそこから動かせなくなったのです…にも関わらず、運用難易度は第3版より増えています…これじゃ日本人にウケるわけがない。

 正直に言えば、管理人がいまだに第3版にたった1人で居座ってるのも、第4版では日本でガープスを復活させるのはほぼ無理と判断しているからです。仮に第4版を再販しても、あの分厚い辞書のようなルールブックだけで、現在の「ストーリー重視」の日本人TRPGユーザーの大半はドン引きしますし、世界観サプリメントがないので、GMにその負担を丸投げする事になります…これだとビジネスモデルとして、ほぼ失敗確定しています。
 もし再販するなら、完成された世界観サプリメントも同時に出さないとダメです。それも、それなりに知名度のある世界観のサプリメントです…現状、ルナルでは正直厳しい。ルナル関連の作品や記事が、もうどこにも展開してませんし、どうも作者自身がガープス担当から外されてしまってるくさい。
 個人的には、第3版をベースに第4版のいいとこどりをしたシステム―――ガープス第3.5版のようなものを設計した方がいいと思ってます。それに付随して、何か有名どころのゲームかアニメのファンタジー世界観を使ったサプリメントも同時販売…これでどうにかビジネスモデルとして成立する可能性があります。

 …でもそれ、いったい誰がやるんだろう?(笑)

 現在、販売されている新規TRPGシステムは、基本的にガープスより簡単で、可能な限り即プレイできることを売りにしています。基本「クラス制」が当たり前で、選択肢はあれど、その組み合わせは数種類で固定されています。由緒正しきD&Dの現在のバージョン(第5版)も、クラシックD&Dとガープス第3版の中間くらいの難易度になってます(自由度はあるけどガープスのようなマンチキン作成は無理)。
 しかし、そういった風潮のせいで、ガープス第3版の時にあったような「キャラ構築の楽しみ」や「キャラ作成に関する議論」の余地が完全になくなってしまいました。ほとんどのTRPGシステムは、ちょっと計算すれば「最適解」がすぐ出るので、そもそも掲示板であれこれ議論する余地がほぼないんですな。システム的にマンチキンができないように、設計段階から徹底ガードされてしまっているためです。
 一方、ガープス関係の掲示板は、いまだに動いているみたい。ガープスのシステム上におけるキャラクターの強さも、基本的には「じゃんけん」で決まってます。ただし手数が無数にあり、きわめて複雑で難解なじゃんけんです。理論値を無視した非常識なマンチキンキャラも自由に作れます。その「非常識」の中に正解があるかもしれない―――なので、議論は尽きません。
 これが、ひたすら時代に逆行する「ガープス」という複雑なシステムにだけ存在する、唯一のメリットかもしれません…「いつまでも議論が終わらない」遊び。文化が絶えないための仕組みの1つが、ガープスには最初から備わっていたのです。

 そんなわけで、掲示板で議論できそうな「過去のマンチキン」のデータを残しておく事にしました。記憶違いでなければ、当時のマンチキン設計のはずです。昔、Yahooジオシティーズが生きていた頃は、まだそういったデータが残されていたんですが…今は関連サイトがほとんど残ってません。寂しいかぎりです。


■戦士のマンチキン
 あんまり考える要素はありません。技能レベルを上げて、一撃で倒すのが基本となります。目を貫通して脳を狙う以外に、脳を狙って叩き攻撃で頭蓋骨ごとぶち抜く方法もあるのですが、これを目指すと体力にCPを投資せねばならず、技能特化と比べて成功率が落ちるため、あまり一般的ではありません。

 ちなみに、古代のマンチキンが敢えて体力13になってるのは、目が高い位置にあって狙えない巨大生物や、目を狙っても脳に到達しないモンスター相手の時の保険みたいなものだと思われます。そういうケースでは、腕や足を狙って行動不能にするところから始まり、相手の防護点に阻まれる事も想定しなければならないので、体力13を死守している感じです。
 なので、完全に対人特化するのであれば、体力9まで落として40cpプラス、武器はスピアを選択(致傷力は刺し/1D+1)。この時点で手元に戻って来た40cpを技能に突っ込み、〈槍〉技能31レベルまでいけます。
 …ただ、そこまで尖って汎用性を下げても、セッションで活躍する場所を自分から減らしてるだけなので、このあたりで妥協するのがマンチキンとしては無難な気がします。

(現代版)
 かなり前に出したレポートで登場した「聖戦の系譜」の女剣士アイラをイメージしたキャラになってます。超一流だけど腕力が足りてない感じ。
 剣20レベルくらいまでなら、GMの使用許可が下りるんじゃないでしょうか。少なくとも管理人ならOKを出しますね。もう少し強化するなら、武器をスピアに換装し、防具を固くすると良いでしょう。ヴァルキリー(戦乙女)的なキャラクターになりそうですね。

■魔術師のマンチキン
 魔法関連のマンチキンは無数にあるので、いちいち紹介しきれないのですが、基本的に25レベル以上にして瞬間発動・ノーコストで何か撃つのが基本となります。バランスを考えると、《凍傷》辺りが一番バランスがよく、「ガープス界におけるゾルトラーク(一般攻撃魔法)」的な地位になっています。《凍傷》以外だと《誘眠》あたりが一般的でしょうか。
 なお、《活動中断》の永眠効果は《覚醒》で問答無用で解除されてしまうため、実はそこまで強力無比というわけでもないです。ただ、魔術師がいない集団ならどうしようもないでしょうから、山賊とかゴブリン退治とかであれば魔術師1人で無双できます。

(現代版)
 GMから見た場合の《凍傷25》は、雑魚敵の大群を出しても処理してくれそうなので、派手なバトルをしたいならそれでもいい。一方、ボスはしっかり魔法抵抗力を付けておくか、サイズの大きい巨大モンスターを出せば、問題なく対処できます。
 ただ、ここまで単独で強い味方がいると、初心者の戦闘の練習ができなくなるのが困ったところです。熟練ユーザー同士のセッションでのみ使用可といったところ。初心者がいる場合、呪文レベルの上限は21までにしておいた方が良いです。

■体力のマンチキン
 体力にCPを集中投資する行為は、マンチキン的にはあんまり意味はないです。武器攻撃とは別途で魔法を使うなら、大量の疲労点をコストに充てられるメリットも発生しますが、それをしないならCPがもったいないだけです。支払うコストに見合った見返りが少ないんですな。
 …でもまぁ、昔のマンチキンであった「体力16でピックを振るう」設計が面白くて紹介したかったんで、一応載せました。

 なお、現代マンチキンに直した際、ちょうどソードワールド1.0のリプレイキャラ「イリーナ・フォウリー」がこれに該当しそうだったので、PMDモデルも作って再現してみました。せっかくモデルもできたんだし、またどこかのレポートで使おうかな…?

■生命力のマンチキン
 ぶっちゃけ「人間で馬みたいな家畜を作る」のが目的。どこまで早く走れるか?の限界に挑戦してみるロマン系マンチキンの例。もっとも、その機動性を生かす展開が思いつかなかったのか、あんまり楽しいキャラシートの例を見た記憶がない。
 なお、体力も削って「財産」に回し、《韋駄天》の魔化アイテムを使うともうちょい上がる。あと、《倍速》の魔化アイテムを装備すれば、10秒間だけだが移動速度2倍になるのでもっと早い。ただし継続性がないので、今回は無視させてもらった。

■装甲のマンチキン
 固くするまではいいんだけど、攻撃に関してアイデアが回らなかったのか、固くするアイデアだけで止まってしまっていたマンチキンキャラ。管理人が現代風にコンバートした結果、「ベルセルク」のレポートで登場させた狂戦士の亜種となった。魔法抵抗もあるので、レポートのヤツよりは固いけれど、攻撃面が弱く、相手がミスするまでひたすら剣を振り回すだけのキャラになってしまった…けど、これ以上、攻撃に回すリソースはないんだよな(笑)

 なお、普通の100cp戦士がこれを相手にするなら、重要器官に「叩き」攻撃を入れて気絶狙いするのがセオリー。ただし、バーサークしてからだと気絶判定に+4修正を得られてしまうため、やるなら序盤でないと厳しい。
 …まぁ普通に考えると、おそらく彼は戦闘開幕1ターン目で自発バーサークするだろうから、その手法は現実的ではなく、鎧の隙間(修正-5)を狙って足(修正-2)を潰す以外、対処法はないかなぁ…

■治癒のマンチキン
 ガープスでソードワールド的な「プリースト」をしたいなら、これくらいやらないと治癒担当の気分は味わいにくい。なので、このマンチキンは普通に「あり」だと思ってる。当時は《大治癒》一本鎗のマンチキンなら見たけど、実際の冒険に連れてくなら、《小治癒》もマンチ上げして状況に応じて使い分けれるようにしといたほうがいい。特に治癒呪文は連続試行でペナルティがあるので、致命傷を負った場合は両方使って必死に回復した方がいい。

 なお、キャラクターに充てたのは、体力マンチキンのイリーナと一緒に冒険してたマウナ・ガジュマ。ハーフエルフだけど、ほとんどエルフのお姉さん的立ち回りだったので、ルナルでは純粋なエルファ娘。エルファの氏名は英語のスペルじゃないといけないんで、「ガジュマ」の響きに近いスペルを考えてたら「カジュアル・マウザー(Casual Mouser)」(気楽な猫)となった。まぁ、レスティリ氏族の祖霊動物は豹だから、一応ネコ科ではある(笑)
 ちなみに、マウナの名前の由来はハワイ語なんだとか。マウナはハワイ語で「山」。ガジュマは「ガジュマルの木」から来ていて、ハワイにおける生命の象徴みたいな樹木らしいです。ハワイ系エルフ娘というわけですな!

■多重人格のマンチキン
 当時の多重人格マンチキンは、とにかく大量のペルソナを作り、そこから少しずつCPを貰って最強の1人を作るタイプだった。アニメ「幽遊白書」の中ボスの1人「仙水」みたいなキャラと言えばわかるだろうか。…あれ絶対「ガープス」のマンチキンだよな(笑)
 ただ、人格を増やした場合、ペルソナ・チェンジの際にどのキャラになるのか、そこのルールがない。普通に考えれば、ランダムでサイコロでも振って決める事になる。しかしそれだと、肝心な時に出てきてほしいペルソナが出て来ない弊害が絶対生じると思うので、敢えて二人に制限をかけて現代版を作った。

 キャラクターに誰を充てよう?と考えて真っ先に思いついたのが、「長門有希ちゃんの消失」に登場した消失長門。この娘、途中で交通事故に遭って、その時なぜか本編の長門有希がログインしてくる展開になるんだけど、その部分を多重人格に置き換えて設計したらこうなった。

 その消失長門なんだが…
 唐突に長門本人が「横入り」してくる展開から察するに、おそらく「長門有希ちゃんの消失」世界自体が、長門個人が作り出したシミュレーションだと思われる。要するにあの話の舞台は「現実ではない」。長門の脳内のシミュレーター上での話の可能性大。
 本編の「涼宮ハルヒの消失」で登場した消失長門は、長門本人から「バグ」として処理されてしまったけれど、おそらく情報統合思念体が求めてる「進化の可能性」は、そのバグ扱いされてる「感情」そのものだと思うんだよね。感情を取り込みすぎた同族の朝倉涼子が、急進派として暴走してしまったように、情報統合思念体の進化に必要なのは「合理性を無視した感情的な行動力」だと思われる。
 で、それを実験的に確かめる目的と、長門本人がいくらバグをゴミ箱フォルダに突っ込んでも、同じことを繰り返すというだろうという懸念の二つの理由から、バグを敢えて削除せず、仮想空間で独立したペルソナとしてシミュレートする方向に走った結果が、あのシリーズなんだと思われる。
 長門本人は、キョンと結ばれたくても絶対にできない。なぜなら、キョンはハルヒの「制御棒」であり、長門の個人的願望でそれを奪い取ったら、ハルヒは高確率で暴走して世界を「リセット」してしまうだろう。だから長門は、ひたすら別の方法でキョンへの想いを解消するしかないんだわ。
 「長門有希ちゃんの消失」は長門ファンへのサービスとか言われてるけど、それは表向きの理由であり、実は「長門の暴走を阻止するためのはけ口」という深刻な理由の方がメインなんじゃないかと思ってる。

 …以上のような憶測を元に、ガープスで構築したのがこれである。

 ハルヒの世界では、どうやら歴史平行世界が全く存在しない「バック・トゥ・ザ・フューチャー」みたいな世界観らしいので(もしあったら、未来人がいちいち過去に介入する理由がなくなってしまう)、ルナルでは「ハルヒの世界はアンカー扱い、かつ分岐世界も生成されない特殊な世界」という設定の平行世界にしておいた。
 でも、情報統合思念体は別次元の存在を知っててもおかしくはないので、キョンの同位体を「スペア」として用意しておくつもりで別世界に介入している―――という事にしておこう。
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