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唐突な白昼夢 |
―――ふと気づくと、君は全く知らない森の中に立ち尽くしていた。周囲には濃い霧がかかっており、空は薄暗い。目の前には場違いなテーブルがあり、美味そうな軽食がたんまりと積まれていた。 さっき酒場で遭遇したばかりの怪しいシャストア信者の女と、人間サイズのクラゲのような生物が、同じ宅に座ってお茶をすすりつつ、何やら会話を興じている。 |
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シャストアの女 「…もうお茶はいいの?」 謎のいきもの 「飲んでる場合じゃないよ… ものすごい数の不愉快な奴らを相手にするんだ。 急かす者、強要する者、仲間外れにしたがる者… …正直なところ、戻りたくはないんだけどね。」 シャストアの女 「あなたは自分に厳しすぎるわ。 あなたが笑ってくれないと、この世界も暗いままなの。 もっと笑おうよ―――ね?」 謎のいきもの 「……ああ、そうだね。 10年前のボクなら、まだ笑う事もできたけど… ごめん。もう行くよ… さよなら。」 そう言うと、そのクラゲのような人語を発する謎の生き物はゆらりと消えた。君は、残った彼女へと近づいた。 シャストアの女 「あら!いらっしゃい。 ―――元気してた?」 |