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■人間
[人間基本セット](0cp)
 キャラクターを作成する際は、「ガープス・ベーシック」の基本である「人間のキャラクターを作る」時のルールに従います。
 ガープスは「人間」を基準で考えるため、キャラクターシートの特徴欄に人間であることを表記する必要はありません。
[体格表]
体力
5
6
7
8
9
10
11
12
身長/体重(女性)
160cm/60kg(155cm/50kg)
163cm/61kg(158cm/54kg)
165cm/62kg(160cm/55kg)
168cm/63kg(163cm/56kg)
170cm/66kg(165cm/57kg)
173cm/68kg(168cm/58kg)
175cm/70kg(170cm/61kg)
178cm/72kg(173cm/63kg)

13
14
15
16
17
18
19
20
身長/体重(女性)
180cm/75kg(175cm/65kg)
183cm/78kg(178cm/67kg)
185cm/81kg(180cm/70kg)
188cm/86kg(183cm/73kg)
190cm/90kg(185cm/76kg)
193cm/95kg(188cm/81kg)
195cm/100kg(190cm/85kg)
198cm/105kg(193cm/90kg)
*身長は+15~-15、体重は平均の0.9~1.1倍の範囲で変動しても構いません。ただし、身長に対して体重が離れていると「肥満」や「やせっぽち」の特徴に抵触するので注意。なお、身長に応じた平均体重を2割以上増減すると、容貌を「良い」以上で維持できません。

*一般に生命力が平均より低いと、身長に対して体重が小さく細身になる傾向にあります(ダメージ耐性が下がる理由)。また、低身長キャラであっても体力に応じた体重から、あまり変動させないで下さい。体重がなければ、体力に準じた重量を支えられないからです。
■種族概要
  我々の世界におけるホモ・サピエンスと、ほぼ同じ身体と心を持つヒューマノイドです。もっとも<源人>の血を強く残している種族と言われ、<源人>が持っていた「環境に合わせて肉体を自在に変化させる能力」は、適応力の高さという形で現在も受け付いています。これといって得意な分野がない代わりに、特に目立った弱点を持たないのが特徴です。

 気質も住んでいる場所によって大きく変わり、他の亜人種のように種族全体に共通して見られる傾向といったものが見当たりません。住む場所によって、まるで異なる国民性を形成します。この世界で、かつて存在した最強の英雄も、そして最悪の邪悪も、全て人間種族出身者でした。

 人間の祖先である<源人>は、<源初の創造神>によって最初の3種族(天使、龍、源人)の1つとして生み出されました。<源初の神>が世界を去った後、力が及ばずルナルに残された一部の<源人>は、種族的に退化して肉体変化の力を失い、白き月から派生した「万色なる彷徨いの月」を崇めるようになりました。その彷徨いの月は様々な色を発しており、どの「色」を崇めるかによって、幾多の種族に分岐を起こしました。その中で「紫」の色に惹かれた者たちが、人間と呼ばれる種族になりました。これが直接の祖先にあたります。

 彷徨いの月を信仰していた頃の人間たちは、主に狩猟によって生計を立てていました。家畜を飼う部族もいたらしく、現在のゼクス共和国の遊牧民のような生活をする一団もありました。しかしいずれも少数でまとまっており、現在のような巨大な都市文明を築く能力はありませんでした。

 そして<悪魔>戦争期、双子の月が到来してから、真っ先に双月信仰に乗り換えたのが人間たちです。鞍替えした理由は様々ですが、双子の月の神々が、かつて<源初の神>と共に旅立った<源人>たちで、自分たちを迎えるために帰還してきた連中だったという理由が一番大きいでしょう(この真相は、小説やリプレイで語られています)。

 彼らは主にサリカ神から大規模農業の術を教わり、ごく一部を除き、完全に定住して街を築くようになりました。完全に農耕民族に切り替わった事で、大規模な人口を抱えるようになり、これにより黒の月の軍勢を撃退します。そして現在のルナルにおいて、もっとも人口が多い種族として君臨しています。



 人間が崇める双子の月には幾多の神が住んでおり、人間たちは主に神々のリーダー的存在である8大神のいずれか1つを指定して崇めます。

 青の月は、秩序を本質とする教えを説いており、秩序と協調性を重んじる人間たちは青の月の4神のいずれかを崇めます。一方、赤の月は混沌と解放を本質とする教えを説いており、個性や自由を重んじる人間たちは、赤の月の4神のいずれかを崇めます。
 基本的には、1人の人間はどちらか片方の月の1神を崇めるのですが、地方によっては、青と赤の対となる神2人を同時に崇める「双月信仰」なるものも存在します(特殊ルールなので別項目を参照)。

 8大神の教えはそれぞれ2神1対となっており、正反対の事を教えていますが、これは二つの属性のバランスを取る事の重要性を示しているのであって、決して対立しているわけではありません。「双子の神」と言われるように、異なる月で正反対の教えを行う2神は、それぞれ兄弟姉妹のような間柄なのです。

 また8大神には、自身の務めをフォローする幾人もの下位従属神がおり、これらを特に指定して信仰する者もいます。しかし、8大神に比べると加護や恩恵を受けられる範囲がやや狭いため、従属神の信者はややレアな存在と言えます。従属神信仰は一部例外を除き、個別の神殿は持たず、主神の神殿の祭壇で一緒に並べてられて祭られています。
■■ 種族独自の特徴
[信者レベル]

 人間のキャラクターは信仰する神を1つ決めた上で、神殿内での地位に応じて「平信者」「入信者」「神官」「高司祭」のいずれかの特徴を必ず取得せねばなりません。多くの一般人(25cp)は「平信者」です。英雄候補のプレイヤーキャラクター(100cp)は、GMの許可がない限り、最低でも「入信者」以上で作成して下さい。


●平信者(0cp)
 生産階級である平凡で一般的な人間(25cp)のほとんどが相当します。ルナルの人間社会では、6歳ごろにサリカ神殿に通って「読み書き」を学び、10歳ごろに卒業して一般労働者の見習いとして職場に入るのが普通で、彼らの大半は平信者のまま一生を終えます。

 平信者は信仰にはほとんど縛られず、その時の都合に応じて信仰する8大神をコロコロ変えたりします(例えば収穫祭ではサリカに祈り、恋の成就を願う時はアルリアナに祈り…)。いわゆる「無宗教」と言いつつも、冠婚葬祭では仏教やキリスト教に世話になる現代日本の一般人に近い感覚です。

 平信者は神殿の務めに一切縛られない代わりに、ボーナス技能や神殿武器の使用、呪文の習得などの一切の恩恵を受けられません。同時に、100cpで作成されるこの世界の英雄候補生としては、実力的に相応しくない地位でもあります(平信者の枠に収まらない実力があるためです)。そのため、特にGMが許可しない限り、これを選択する事はできません。


●入信者(5cp)
聖職者(10cp) 同じ信者から反応+1。5つの技能に+1のボーナス。
法の番人(5cp) 教えに反した信者の拘禁、信者専用武器の携帯。
小さな誓い/生活レベルでの教義の実践(-5cp)
使命/ときどき 生活時間or収入の1割を神殿に納める(-5cp)


 10歳でサリカ神殿を卒業した後、ペローマ神殿で5年の高等教育を受けた者は、自分が信仰する神を1つに定め、15歳(ルナルにおける成人年齢)から入信者として社会に出ます。仕える神の教えに帰依し、実践していかねばなりません。現代日本における「そこそこのランクの大卒者」と思って貰えばよいでしょう。
 入信者は神の教えを実践する者ですが、必ずしも神殿に務めないといけないわけではなく、むしろ入信者の9割は神殿と関係しない普通の職に付いています。神殿の外で働く者は、1月毎に収入か生活時間の1割を寄付せねばなりません(生活時間の場合は奉仕活動する事になります)。

 入信者になるとボーナス技能の恩恵を受け、神殿武器の扱い方や独自技能を習得できるようになります。ただしこの段階では、まだ呪文の習得はできません。


●神官(10cp)
聖職者(15cp) 同じ信者から反応+2、同じ月の信者から反応+1、5つの技能に+1のボーナス、僧侶呪文を習得できる(素質1が前提のものまで)。
法の番人(10cp) 教えに反した信者への諜報活動・拘禁・処罰、信者専用武器の携帯。
小さな誓い/生活レベルでの教義の実践(-5cp)
使命/たいてい 生活時間or収入の3割を神殿に納める(-10cp)


 ペローマ神殿卒業者の中で、魔法の素質を持ち、神により呪文の啓示を受けた者は、崇める神の神官として認められます。現代日本で言うところの大学院卒業生や、上級公務員(官僚)試験を目指す成績優秀者と言ったところです。

 神官への昇格は、呪文が使えるかどうかによって選別されます。よって、神官になってから呪文が習得可能になるのではなく、呪文を使える事が社会的に認められた時点で神官の地位を得ます。中には、呪文が使える事を隠して入信者のフリをしている事もあるかもしれませんが、その場合も「神官」の特徴を取る事になります(不利な特徴で「秘密/本当は神官である」(-10cp程度)などを取得して下さい。)

 神官クラスになると、神殿務めと神殿の外で職に就く者の割合は半々といったところになります。神殿で信者たちに実際に技能を教えたりする教師も、主に神官クラスになります。地方の田舎の神殿などでは、神官が神殿のトップを務めているケースも多々あります。

 神官になるとボーナス技能の恩恵、神殿武器の扱い方や独自技能を習得できるようになる他、信仰に応じた僧侶呪文のうち、魔法の素質1レベルまでの呪文を習得可能になります。


●高司祭(15cp)
聖職者(20cp) 同じ信者から反応+3、同じ月の信者から反応+2、5つの技能に+2のボーナス、僧侶呪文を習得できる(素質2まで+独自呪文+共通呪文)。
法の番人(15cp) 教えに反した信者の拘禁・諜報活動・処罰を国際的に行使可能、信者専用武器の携帯。
小さな誓い/生活レベルでの教義の実践(-5cp)
使命/ほぼいつも 生活時間の大半を神殿での奉仕に使う(-15cp)


 神官としてある程度の修行と実績を重ねた後、その才能と人格を認められた者のみが高司祭となります。神官とは異なり、一定数の同じ神の信者からの尊敬と実績を認められている必要があります(高司祭は神からも一目置かれている存在です。同じ神の信者に対しても、ある程度のカリスマ性を発揮している必要があります)。
 なので、神官のように「呪文が使えるのに実力を隠してる」といった生き方では、神の側も高司祭クラスの呪文の啓示を行ってはくれません。無論、出会う人全てに高司祭として尊敬されている必要はありませんが(入信者のフリをしてお忍びの冒険をしている高司祭といった存在も、赤の月の高司祭であれば珍しくもありません)、自分の神殿に帰れば、高司祭としての貫録を見せるくらいの事は必要です。

 高司祭になると、神殿務めであるのが普通です…神殿の外で職を持つ高司祭というのは、騎士や貴族、宮廷司祭など大富豪や特権階級の出身者に限定されます。そういった例外的存在の場合は、収入の5割程度の神殿への寄進が必要です(政治に深く携わる者であれば、自身の神を祭る神殿を優遇する政策を取るといった形での寄進でもいいでしょう)。

 高司祭は、素質2が前提の信仰別僧侶呪文の他、高司祭共通の僧侶呪文を習得できるようになり、魔術師としての幅が大きく広がります。ただし素質2以上というのは必須条件ではなく、とりあえず素質1であれば高司祭にはなれます(高司祭共通呪文は全て素質1で習得可能な範囲なので、必ずしも素質2以上なくとも問題ありません)。

 プレイヤーキャラとして作成する際は、ある程度は年齢が高く、人生経験を積んでいる事が望ましいです(少なくともペローマ神殿卒から3年程度の研鑽は必要…最低18歳くらい)。まあ、飛び級でペローマ神殿を卒業した超天才児という設定ならば、無視しても構いませんが。ただしその場合、その設定相応の知力が欲しいところです(目安としては知力13以上)。



■■ 高司祭共通呪文
 以下、高司祭に昇格すれば、双子の月のどの信徒であっても習得可能になる共通呪文の一覧です。

[高司祭共通呪文] (素質1まで、魔化はコスト300以下まで)
肉体操作系:
痒み、ひきつり、痛み、朦朧、不器用、すばやさ、怪力、活力、登攀、目くらまし、耳封じ、口封じ、腕痺れ、麻痺、吐き気、疲れ、うすのろ、足止め、足もつれ、向き変え、顔変え、体変え

魔化系:
即席魔化*、巻物、魔化解除、魔化停止、固着、小祈願、隠し金庫、確かさ、鋭さ、高速準備、豊穣の角、対象設定、強化、防御、軽量化、命名(名前入りのみ)、解除指令(パスワード明記のみ)、限定、連動、魔法の杖、パワーストーン

治癒系:
体力賦与、生命力賦与、体力回復、覚醒、体力供与、小治癒、大治癒、殺菌、活動中断、療治、解毒、接合

精神操作系:
恐怖、パニック、恐慌、勇気、狂戦士、間抜け、酩酊、吐き気、忘却、眩惑、集団幻惑、心神喪失、誘眠、集団誘眠、安眠、狂気、偽記憶、人払い、忠実、魅了、奴隷、知恵、感情操作、ささやき、集団ささやき、視覚強化、聴覚強化、嗅覚強化、注意力強化、背中の目

移動系:
韋駄天、進軍、倍速、べたべた、念動、軽荷、軟着陸、壁歩き、騒霊、錠前師、鍵開け、見えない手、縄ほどき、浮遊、水泳、飛ぶ剣


*高司祭共通呪文独自の呪文
《即席魔化》(至難)  魔化
 《魔化》の呪文と基本的には同じです。この呪文を習得しておけば《魔化》と同じように、基本となる魔化系呪文の前提条件は満たせます。
 ただし、この呪文では「手軽で危ない魔化」しかできません。代わりに前提条件がやや緩くなっていて、素質1あれば習得可能です。

 双子の月の高司祭は、この呪文による「手軽で危ない魔化」しかできないため、必要エネルギーが高い強力な魔化は事実上行えないことになります。より具体的には、エネルギー300点以下の魔化呪文が実際に作れる範疇です。
「手軽で危ない魔化」の場合、エネルギー270までは安上がりですが、それ以上になると「ゆっくり確実な魔化」の方が安くなるため、双子の月の高司祭が普段行う魔化は、エネルギー270までのものが限界です。それ以上のコストの魔化アイテムを作る際は、ウィザードに依頼するのが普通です。

■持続:永久(品物が壊れるか魔法が解かれるまで) ●消費◆準備:封じる呪文によって異なります。「ガープス・マジック」の魔法のアイテムの項目を参照して下さい。★前提:素質1+異なる7系統から各1種*

*共通呪文も僧侶呪文扱いなので、他系統が前提の場合はそれを無視できます。よって《即席魔化》の前提は実質「素質1」だけです。
[原作からの変更点]
 信者セットの内容を明確にしました。長々と説明するより、これの方がすっきりして分かりやすいと思います。「法の番人」は司祭としての実際の権威の目安とすればよいでしょう。

 高司祭共通呪文ですが、これはかなり狭くなりました。
 理由ですが、いちいちルナル完全版を見なくてもいいように僧侶呪文のルールに切り替えたためで、共通呪文でいろんな系統を使えるようにしてしまうと、そもそも信者ごとに習得呪文が異なる意味合いがかなり薄れてしまうためです。
 マジックに記載されている呪文の多くは、素質1でも習得できるので、共通項目を増やせば増やすほど、信仰を分ける意味がなくなります。

 また、あまりに便利呪文を横行させると、テクノロジー技術の発展が阻害されるとも思ったからです。別に<持続光>を売り歩く「光屋」などおらずとも、カンテラや松明を利用すれば夜間も照明は確保できますし、逆に呪文があると、そういうものの技術がちっとも上がらなくなります。

 弊害として、原作ルールでは高司祭1人いれば便利呪文の数々をフォローできて対応しやすかったのに対し、改変ルールでは特定の信者がいないと対処法がなくて困るようになった事です。しかしそこが、パーティー編成の楽しさでもあるはずです。どうしてもメンツが足りない時は魔化アイテムに頼れば、大抵の足りない能力はフォローできるはずです。
 またGMとしても、あれこれ対処法をたくさん持たれると、シナリオが作りにくいはずです。キャラ作成幅を制限し、パーティーの弱点を突くようなアクシデントを作る事で、知恵を絞って解決する醍醐味が生まれるはずです。


 あと、原作ルールの矛盾点として、《魔化》技術がないクセに、双子の月信者専用の魔化アイテムがいっぱいあった不具合(笑)を是正するために、素質1でも習得可能な《即席魔化》という呪文を作りました。これは「手軽で危ない魔化」しかできない魔化呪文という設定なので、あまり高価な魔化アイテムは作成できません。一方、低ランクの魔化アイテムの量産という、人口が少ないウィザードにとってはかなり乗り気にならなさそうな作業を、人間の高司祭が肩代わりしてくれるようになりました…とは言っても、高司祭の人数自体もかなり少ないため、腹の足し程度の増員ですが。

 しかしこれにより、ウィザードたちはくだらない仕事(レベル1の強化や防御、軽量化がかかった魔法の鎧の量産とか)から解放される一方、コストがヘビーな最先端魔化アイテムの研究がしやすくなったはずです。
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