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● デルバイ
【本質】 環境
【司る側面】
 炉と金属
【2次的に司る側面】
 発明、坑道、鍛冶、柱。
【教義】
 不安定なものを支えよ。新たなる坑道を切り開き、埋もれたものを掘り出せ。
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■ 概要
■■ デルバイの神格
 青の月の環境を司るジェスタの下位従属神で、炉と金属を司る男性神格です。人間からみると従属神に過ぎませんが、ドワーフたちにとっては主神クラスと同格扱いになっており、ドワーフたちによって信仰文化が育まれ、独自武器や独自技能も存在しています。

 本来、従属神なだけあって、司っている部分は炉と坑道という限定的な環境です。金属を掘り出して加工する事で、文明発展を促すことを説いています。求める知識は実用一点張りで、ペローマのような抽象的な概念や思想的な開拓には興味がありません。
 ルナルにおいては工業の最先端を行くのがデルバイであり、ジェスタ信者のドワーフの中でも特に技術開発者となれる人材が、研究特化する意味でデルバイを信仰します。


■■ 神殿の役割

 ドワーフの町において、天井を支える柱のメンテナンスを請け負う機構と、機械技術の開発研究機関を担っています。ジェスタ信者に比べると、信者の人数は決して多くありません。ですがドワーフにとっては最先端技術を生み出し、それらを維持するために必要不可欠な施設です。


■■ 信者に多い特徴
 緻密な計算力を持つ頭脳と、結果が出るまで辛抱強く試行錯誤ができる知性派のドワーフが揃っています。「計算力」や「数学能力」を持つ者が出世しやすい傾向にあります。
 一方、研究に集中しすぎて他が見えなくなる「放心」持ちのドワーフが見受けられます。また、効率を求める思考に特化しているため、研究に直接関係しない無駄行為を極端に嫌う者もいます。ジョークを介しないということで「朴念仁」などの特徴が適切でしょう。

 ジェスタ信仰のドワーフとは異なり、金銭には直接的に関心を持たない傾向が強いのですが、一方で他人の研究成果を横取りする名誉欲に駆られた「嫌な行動/他人の手柄を横取りする(-10cp)」のドワーフや、研究資金を捻出するために本来の目的を忘れて金儲けに奔走する「強欲」な者もたまに見られます。いずれも研究員としては二流であり、そういった行為に走る主な動機は「嫉妬」です。


■■ ペローマ信者が多い職業
鍛冶屋、技術者、研究員


■■ ペローマ信者が好んで使う武器
ハンマー(メイス)
■ 作成データ
■■ 特殊武器
●マスケット銃
叩き 4D 抜撃ち18 正確さ2 射程100/600m
価格$400 重量9kg 連射1/60 弾数1 必要体力12

マスケット銃の弾と火薬セット(1発分) $10 軽い


 ごく初期のマスケット銃で、非常に長くて重い射撃武器で、扱える者は限られています。現在のルナルでは、デルバイの入信者以上の信徒でないと扱い方を教わることができません。

 口径が大きい弾丸扱いなので、防護点を差し引いた分のダメージが1.5倍にされます。弾薬は丸い鉄の弾と火薬のセットで、一発ずつ小さな布袋に収められています。一発分の価格は10ムーナです。
 デルバイのマスケット銃の点火方式は、ごく初期のマッチロック式であるため、「火縄に火を点けた状態」を維持しなければ、トリガーを引いても撃てません。しかし、火口箱を使ってやるととんでもなく時間がかかるため、あらかじめ松明などの火種をもっておくか、《発火》の呪文が魔化されたアイテムを使って火縄に火を点けるかせねばなりません―――GMは面倒であれば、この工程を敢えて無視しても構いません。
 なおデルバイ神殿では、《発火》の魔化が施されたデルバイの聖印(アクセサリ 重さ:軽い)を$200で販売しています。このアイテムは素質が無くても使えるため、マスケット銃購入者はセットで購入した方が良いでしょう(神官以上のキャラクターであれば、自前で《発火》を習得すれば問題ありません)。
 また、装填にも時間がかかる武器であり、一発撃ったら次の射撃まで「筒の中の清掃」「新たに火薬を投入」「弾を込める」という一連の作業で1分かかります。そのため、個人戦闘では1発撃つと次の射撃はほぼ間に合わず、「1戦闘で1発だけ」の武器になり勝ちです。

 ルナル世界全体を見ると、戦場におけるマスケット銃兵は「待ち伏せ」からの一斉射撃といった形で利用されています。しかし、現状ではクロスボウや弓の方が圧倒的に使い手が多く、さらにそちらの方が有効射程も連射性能も圧倒的に優れているため、戦争での本格運用は、トルアドネス帝国などのドワーフのデルバイ信徒が多い大国を除き、ほとんどなされていないのが現状です。


●ホイールロック拳銃
叩き 1D+1 抜撃ち13 正確さ1 射程75/400m
価格$700 重量1.5kg 連射1/60 弾数1 必要体力10

ホイールロック拳銃の弾と火薬セット(1発分) $5 軽い


 マスケット銃の点火装置の弱点を克服するため、最新型の点火装置を搭載した試作品です。さらに小型化に成功し、拳銃という形で製品化しましたが、威力的にはクロスボウにも劣り、装填時間もマスケット銃と同じく1分かかるため、実戦能力はほとんどないとされています。ただし弓矢や弩と同じく、これの射撃は目を貫通し、脳に達します。そのため、上手く目を狙えば一撃でノックアウトすることも不可能ではありません。

 なお、価格が高いのは、複雑な機械で構成された点火装置が原因です。現状、火種なしでトリガーを引くだけで即発砲可能な銃は、このホイールロック式点火装置を標準装備した拳銃タイプだけです。


●爆裂弾
 黒色火薬で作られた球形の塊で、爆弾として扱います。破片効果を狙って鉄の破片が混ぜられており、点火には導火線を用います。
 主な用途は、採掘現場での岩盤の破壊、建造物の破壊などです。攻城戦では、主に城壁の破壊などで使われます。爆発の威力は、単品だと爆心地とその周辺1へクスに「叩き/4D」となり、さらに破片で爆心地から20メートル範囲内に「切り/2D」が発生します。使い方の詳細は、下記の<爆発物/爆裂弾>技能の説明を参照して下さい。なお、爆裂弾1個の価格は$50、重さ5kgです。

 一般的には地形の爆破に使われる品であり、個人戦闘で咄嗟に使うことはありません(手で投擲するには重すぎます)。戦闘中に使える何らかの仕掛けとして使用する場合、〈爆発物〉技能を駆使して、あらかじめフィールドに仕掛けておく必要があります。


■■ 独自の技能
 基本的にドワーフだけの信仰ですが、稀に人間のデルバイ信者もいます。ただしその場合、車輪に関する技能は学べません。


<黒色火薬銃>(肉体/易)
 ルナルでは、デルバイの信徒のみがこの技能を学べます。この技能1つで、マスケット銃とホイールロック拳銃の両方をペナルティなしで運用できます。知力が10~11なら+1、12以上なら+2が技能レベルに加算されます。

 初期の黒色火薬銃は再装填に時間がかかる武器であり、一発撃つたびに専用の支柱(銃に付属しています)で銃身にこびり付いた煤を落とし、火薬を流し込み、弾を込めるという作業が必要になります。これには60ターン(1分)かかります。


<化学/火薬(TL4)>(精神/難)
 これは<化学>技能の火薬の知識の部分だけを取り出したものです。火薬に関してのみ、TL4の知識を持つものとして扱います。これは技能の自発専門化扱いですが、それによって+5の修正を得ることはできません(まだ未踏破の分野であるため)。その他の化学知識に関しては、技能レベルが-1の扱いになります。


<機械工/馬車>(精神/並)
 計算が得意なドワーフのデルバイ信者が代々継承している、高度な車輪製造技術です。この技能でできるのは修理までで、1から設計・制作するには<技師>技能が必要です。見習い車大工はまずこの技能を習熟してから、本格的に<技師>技能を学びます。


<技師/車両>(精神/難) 前提:機械工/馬車12レベル以上
 実際に車輪を用いた車両を設計・製造する技能です。ドワーフの入信者以上で<機械工/馬車>が12レベル以上ないと教えて貰えません。

 現在のルナルでは、主に牽引車両の設計を行います。主要な動力が家畜の馬なので、大抵は馬車の製造を行いますが、攻城兵器を載せる台車のように、人力やゴーレムで牽引する車両の設計もあります。
 一人前の車技師はどこでも引っ張りだこ状態で、就職には困りません。


■■ 独自の格闘動作、準技能
<準備/ライフル>または<準備/ピストル>(肉体/易)
 マスケット銃およびホイールロック拳銃を素早く一瞬で構える技能で、デルバイ信徒だけが学べます。マスケット銃とホイールロック拳銃は形状や大きさがかなり異なるため、それぞれ別技能とします。


<再装填/黒色火薬銃>(肉体/易)
 火薬と弾の再装填時間を減らすための技能です。ルナルでは、黒色火薬銃はできたばかりで細分化が行われていないため、マスケット銃もホイールロック拳銃もこの技能1つで扱えます(構造的にはほぼ同じです)。
 技能判定に成功すれば、準備時間を3分の2(40秒)に減らせます。


<爆発物/爆裂弾>(精神/並)
 爆裂弾を計画的に仕掛けて、最低量の火薬で最大限の破壊力を得るための技能です。決めた時間に爆発させたり、爆発によって指定された構造物だけを綺麗に破壊する事が可能です。

 爆裂弾の威力ですが、一発で爆心地と隣接1ヘクスに「叩き/4D」の衝撃ダメージを発生させる爆発を起します。さらに破片効果で半径20mの範囲に「切り/2D」ダメージが発生します(受動防御しかできません。詳細はベーシックの爆弾の項目を参照して下さい)。主に坑道での採掘や、攻城戦での敵の城の壁や塔の破壊などに用います。


<見切り>(精神/難)
 相手を注意深く観察する事で、相手の正確な位置、構え、重心移動などが分かります。
 攻撃された際に技能判定に成功すれば、その攻撃に対するあらゆる能動防御が+1されます(2回以上攻撃された場合、どの攻撃に+1を適応するか任意に決めて下さい)。
 判定に失敗した場合は読み違えた事になり、能動防御-2になります―――要するに「軽業よけ」と同じような扱いです。

 また、相手がフェイントして来た際に使用すると、フェイントに対して+4で抵抗できます。クリティカルの場合はフェイント自体を無効化できます(即決勝負にまで至りません)。判定に失敗した場合、即決勝負に自動的に負けた扱い(0成功)になり、相手の成功度がモロに次の能動防御のマイナス修正になります。

 なお、この判定は1ターンに1回だけ、1体の敵に対してのみ有効です。
修正:鋭敏視覚または鋭敏感覚のレベル分だけプラス修正。「共感」があれば+3。


■■ ボーナス技能
 <鍛冶屋><技師><数学><冶金><地質学>を習得する際、技能レベルに+1のボーナスを得られます。


■■ 使用可能な僧侶呪文
 デルバイ信者は「地霊系」と「火霊系」の二種を僧侶呪文として習得できます。

[神官呪文] (素質1まで)
地霊系:
鉱物探知、土変化、砂噴射、石変化。地中歩行、土を石、石を土、土作成、肉を石、石弾、土を空気、地中視覚、

火霊系:
発火、火炎、火炎変化、消火、防火、加熱、冷却、防冷、防熱、火球、爆裂火球、火炎噴射、火吹き、幻炎、聖火


[高司祭呪文] (素質2まで+独自呪文+高司祭共通呪文)
地霊系:
石を肉、肉体石化、埋葬、地震、火山

火霊:
火炎武器、火矢

独自呪文:
石の雨、炎の鎧


*独自呪文データ
《石の雨》 範囲 (地霊系呪文)
 天から石の雨が降り注ぎ続けます。屋外でないと使えません。
 範囲内にいる生物や物体は、その本人のターン終了時に「叩き/1D-1」のダメージを受けます。鎧の防護点などは通常通り効果を発揮します。1ターン完全にその範囲にいなかった場合はダメージ半減(端数切捨て)となります。

 範囲内にいると命中は避けられませんが、ミディアム以上のシールドを上に掲げる事で、ダメージを遮断する事が可能です。ただしこの場合、シールドの方がダメージを受け続けます。また、この状態だとシールドは「非準備状態」とみなされ、「止め」には使えなくなります。
■持続:1分 ●消費:1(ただし最低でも2)・同。消費を倍にすることでダメージを2D-2に変更可能。◆前提:素質2+<土作成>


《炎の鎧》 通常 (火霊系呪文)
 目標は炎に包まれます。ただし目標および目標の所持品には《防火》が自動でかかるため、一切のダメージを受けません。この炎は、周囲に対しては普通の炎のように光と熱をもたらします。

 炎の鎧をまとっている者に直接攻撃を行った者は、武器を伝って炎がカウンターアタックを行い、自動的に1Dダメージを受けてしまいます(鎧の防護点は有効です)。
 また、目標が敵に掴みかかったり、あるいは敵に掴まれたりした場合、敵に対して3Dダメージを与えた後、呪文は即座に効果を失います。
■持続:1分。近接戦闘で反撃ダメージを与えたら即終了 ●消費:6・3 ◆前提:素質1+<防火>+<火炎噴射>
[原作からの変更点]
 おそらく、複数持ちこんで連打されるのを警戒したのでしょうが、頭の悪い価格になっていた銃器本体や弾薬、爆弾の価格を大幅に下げました。弾薬一発$500とか、まず練習撃ちができません(笑)。弓矢の矢が一発$2の時代の経済なんですから、設定者にはもう少し経済を勉強してほしいところです…

 マスケット銃本体に関してですが、リアルの初期マスケット銃は大きくて重くてかさばるシロモノだったため、複数持ち歩くのが困難だったと言います(戦場で重い物を持って機動性が下がる=死なので)。
 そのため、重量設定もリアルの重量と合わせています。金にものを言わせて複数持つと、超重量で動けなくなるようになっています。実際、初期のマスケットはマジで9キロ前後もあるデカブツだったらしく、扱える人間は限られており、精度が低いので命中させるのも非常に困難でした。それでも一応、狙撃用として使っていたようです(有効射程外でも一応、半分の2Dダメージは出せるので)。まさにエリートにしか扱えない専用武器だったわけです。

 爆裂弾の方ですが、これはおそらく火薬が発明された当時に、古代中国で使われたとされる「てつはう」だと思われます。
 主に投擲で使われたとされているのですが(古代の挿絵にてつはうが投擲されるシーンがあったりなかったり)、モンゴル帝国が鎌倉幕府時代の日本に攻めてきた際、海岸線にいくつかの「てつはう」を落としたまま帰ったのですが、それを掘り起こして全体像を再現した際、重さは4キロ前後もあり、これを手で投げるのは重量的に無理があると判明しました。
 ならば「船舶搭載のカタパルトか何かで投擲したのでは?」と推測されましたが、当時の船ではカタパルトを搭載する事自体が無理だったようで、ではどうやって「てつはう」を使ったのか?が分かっていません。ただ、重量4キロというのを見るに、少なくとも手やスリングで投擲するにはちょっと無理がありすぎます。そのため、デルバイの爆裂弾投擲器(おそらくスタッフスリング)もちょっと無理があるかな?と思い、実装しませんでした。
 では、どう利用するかというと…どこかに仕掛けた上で導火線で火を点けるか、導火線に火を点けた状態で城壁上から転がして落として登ってくる攻城兵を撃退したか、いずれかの運用になると思います。まぁ、ガープスで想定される冒険者の個人戦闘では、ちょっと利用する場面がなさそうです。
 どうしても個人戦闘で使いたいならば、黒色火薬の量を半分にして、2キロの小型爆弾を使う手があります。ただしこの場合、ダメージが2Dに落ちますし、点火する段階でどうしても導火線に火を点ける手間(1秒?)は省略できないため、爆発までの遅延時間の管理が面倒な割に効果が低く、微妙すぎる性能です…そこまでして使う意味は、あんまりないんじゃないでしょうか。


 なお、ルナルで銃器が世界のミリタリーバランスを塗り替えるのは、当分先の話でしょう。なぜなら、特殊武器はお互いの神殿で機密扱いになっていて、情報共有が為されるような社会システムではないからです。当然、マスケット銃の運用もデルバイの入信者以上だけが許されたエリート専用武器のまま、しばらくはこの状態が続くのでしょう。
 現状ではマスケット銃にあまり実用性がない上、情報閉鎖して発展速度を自分から下げているため、脅威になる事はないです。怖いのは最初の一撃だけで、しかも有効射程はクロスボウに大きく劣ります。平原でウィンドラス・クロスボウを持つペローマ弩兵と、マスケット銃で武装したデルバイ銃兵が殺り合ったら、ペローマ弩兵の方が連射性能と精度の高さ、有効射程の長さといったあらゆる面で有利です。
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