▲メインに戻る |
■第16節 大規模戦闘ルール(マス・コンバット) |
![]() |
「ガープス」にも一応、第3版から続く『GURPS Mass Combat』(集団戦闘)のルール(未訳)があるのだが、これはお互いの戦力を算出し、軍団の指揮官同士のたった1回の〈戦略〉技能の即決勝負で戦闘行動の勝敗を決め、成功度/失敗度に応じた損害表を振るといった、戦闘シーン部分の再現を大胆に省略したものである。 ガープスの精密な(面倒な)個人戦闘システムからすれば、こうなってしまうのもやむ得ない側面はある。例えば1000人規模の戦闘を行う場合、ヘクスで距離を厳密に管理し、個々の攻撃命中判定やら防御判定、果てはダメージの算出判定まで全てをバカ正直にやっていたら―――1ターン(1秒)の処理が1日かかっても終わらないのは明白である。 ただ、ガープスは戦闘を楽しむゲームでもあり、迫力の集団戦闘シーンを1回の即決勝負で片付けてしまうのは、管理人的には「ちょっと方向性がおかしい…適当すぎる」というのが正直な感想である。 例えばガープスには、巨大な「乗り物」を扱った専用のルールがあり、「ダメージの縮尺(Scaling Damage)」によってより大きなダメージ(砲撃など)の算出の特殊ルールまで用意されている。なのに、なぜ集団戦闘でも「縮尺」の概念を導入して、ある程度の再現をしないのかと疑問だった。 そこで、この項目では「個人戦闘ルールのノリに近い感覚で戦える1000人規模の軍団VS軍団の特別ルール」を模索してみた。かなり簡略化されており、既存のマス・コンバットのルールで処理するのとあまり差異はなく、まだまだ改善の余地がありそうなシロモノだが、管理人が脳内でそれなりの歳月をかけて醸造したものなので、アイデアの参考になると幸いである。 |
■原型モデル 『ロマンシング・サガ3』 |
![]() |
管理人が知る範囲で「マス・コンバット」と言えば、コンシューマ・ゲーム「ロマンシング・サガ3」でミニゲームとして登場した、大規模人数の戦闘を想定した通称「マスコン」だろう。 この作品、ミニゲームのくせに超絶良くできていて、もしファミコン時代の黎明期にでも出していれば、これ単体でも1本のゲームとして成立しうるだろう。 そもそも、中世ヨーロッパ風ファンタジー世界での騎士団同士の集団戦闘を扱ったコンシューマ・ゲーム自体が少なく、ミクロ視点ではなく、マクロ視点で軍団指揮を行いつつ、しかも複雑なルール理解も必要なく、集団戦闘の雰囲気を味わえる作品となると、現在においてもこの作品を超えるものは存在しない―――リアリティと複雑さを追求するあまり、複雑化してパッと見で何をしたらいいのか分からん作品なら、いくらでもあるのだが。 そこで今回、ガープスでロマサガ3のマスコンに近いものを再現をしてみようと思う。 |
■問題点 |
…とは言うものの、ロマサガ3のマスコンをそのまんまバカ正直に再現しようとすると、判定一個一個をダイスを振って行うTRPGガープスにおいては、やはり処理の量が多すぎて現実的ではない。 マスコンがいくら綺麗で簡潔にまとまっていると言っても、それはコンピュータのCPUによる高速自動計算処理が行える環境が大前提であり、そういうのを全く使わないアナログ環境でやるならば、原作からさらに簡略化せねば、プレイアビリティを確保できない。 |
![]() |
●1つの軍団を1キャラクター化する 1つの軍団をガープスにおける個人キャラクターとして組み上げ、個人戦闘と同じような戦闘ルールで処理してみてはどうか。これならば、新しいルールを覚える手間も省け、一方で「技能判定の即決勝負1回で即終戦!」といった軽すぎる処理にはならないだろう。 ルナルにおける戦場では、突撃する騎兵、それから身を守る長槍兵、攻撃に転じるきっかけを作る弩兵の3つが、主な兵種となる。これらを個別に扱うのもいいのだが、判定回数が増えて煩雑になるため、超単純化して「騎兵と歩兵」の二種で考え、この兵種の配合率(?)によって、軍団の能力値が微妙に変わっていくシステムを採用する。 ●敢えて「基本戦闘」でやる ロマサガのマスコンもかなり簡略化されているものの、それでも細部を見れば、いくつかの部隊ごとに別々に制御しているのは、ゲーム中の各兵士の動きを見れば明らかであり、またガープスにおける上級戦闘と同じように「距離」の概念が存在する。 これらをガープスで再現すると、やはり複数のキャラの処理を毎ターンせねばならない事になり、マスコンのように「全体の作戦を決めるだけで、後は個々の兵士たちが勝手にやってくれる」のではなく、ファイアーエムブレムのように「ユニットごとに動かす」形式になってしまい、マスコンとはまた別のシミュレーション・ゲームになってしまう…それはそれで面白いと思うのだが、今回は「指揮官だけを演じる」部分に特化したいので、一定集団ごとに個別に動かすシステムは避けたいところ。 なので、まず基本として「1軍団VS1軍団の戦い」のみを想定し、1回の行動決定と判定で、軍団全員の戦闘結果を出せるようにしたい。また、煩雑さを極力避けるため、敢えて距離の概念も省略することにする。 |
![]() |
●指揮官個人の扱い 集団戦なので、指揮官個人のダメージとかの処理は省略―――してもいいのだが、マスコンでは指揮官を倒す事が一発逆転の要素にもなっているため、これは残しておいた方がいい気がする。 また、指揮官のどの技能が軍団の戦闘力にどう関わるのかも、はっきりしておいた方がいいだろう。とりあえず軍団の指揮で必要そうなのは〈戦略〉〈指揮〉技能。個人に関しては、戦場でメインとして使う武器技能と〈戦術〉技能を組み合わせて、戦闘力みたいな数値の概念を作っておこうと思う(ガープスのマス・コンバットのルールにもある「個人の戦闘力を算出する」ルールと同じもの)。 以上のような考察を踏まえ、なるべく簡略化して即遊べるような、マスコンバットのルールを構築してみたのが以下。 |
●大規模戦闘ルール (Duel the moon独自) | Mass Combat Rule |
![]() |
「ガープス」の個人戦闘と同じ感覚で行える集団戦闘ルールを解説します。戦闘の規模は、およそ5000人で1軍団を想定しています。 なお、計算式で端数が出た場合、特に記述がない限り「端数切り捨て」で処理します。 |
軍団の指揮官 |
軍団を指揮する指揮官のキャラクターのステータスのうち、使用するものは以下のものだけです。そのため、即興で指揮官のNPCを作成する場合、以下の能力だけ設定すれば良い事になります。 ■〈戦略〉技能 軍団の戦闘力や、戦闘中に取れる陣形の個数に影響します。また、特殊な作戦行動が成功するかどうかの即決勝負にも使用します。 ■〈指揮〉技能 軍団の士気(モラル)の初期値の算出の他、戦闘中に臨機応変で行うリアクション(陣形変更や危機的状態からの脱出など)の成功判定で使用されます。 なお、状況や忠誠度などによる修正値は、最初の士気算出時以外では適応されません。「カリスマ」の特徴による修正と、信仰によるボーナス修正だけが有効です。 ■指揮官の「戦闘力」 (体力+主武器(or主呪文)技能レベル+〈戦術〉)÷3が、指揮官個人の「戦闘力」となります。指揮官が危険に晒された際、上手くダメージを回避できたかの判定で使用します。 ■指揮官の「生命力」 上記の戦闘力判定で失敗した場合、指揮官個人の生命力が直接減少します。受けたダメージ量は記録しておいて下さい。 ダメージが蓄積してゼロ以下になると、指揮官個人の生死を問わず、指揮を執る事ができなくなります。そうなると、軍団は戦闘行動を維持できないため敗北となります。 |
軍団の能力値 |
1軍団の最大人数は1000人以上で構成され、最大で5000人とします。 それ以上の人数がいる場合、敵と直接交戦するだけのスペースがないので、予備戦力として後方で待機しているとみなします(実質「いない」ものとして扱う)。 ■基本能力値 軍団に属する兵の種類は、基本的に以下のどれかとなります。 歩兵 長柄武器を持ち、密集隊形を取る。または弩で射撃を行う。 騎兵 騎乗し、ランスや弓で戦う。 ※ミュルーンや翼人などの飛行能力を持つ者は騎兵として扱う。 軍団の能力値は、歩兵と騎兵の割合によって決まります。騎兵が多いほど体力、敏捷力が上がり、歩兵が多いほど知力、生命力が上がる構造になっています。以下の表から、軍団の基本能力値が自動的に決定されます。 |
騎兵の比率 | 軍団の能力値 | 基本致傷力 | 防護点 |
1割未満 | 体力13 敏捷力11 知力11 生命力16 | 1D/2D-1 | 4 |
1割 | 体力14 敏捷力12 知力11 生命力15 | 1D/2D | 4 |
2割 | 体力15 敏捷力13 知力10 生命力14 | 1D+1/2D+1 | 3 |
4割 | 体力16 敏捷力14 知力10 生命力13 | 1D+1/2D+2 | 3 |
6割 | 体力17 敏捷力15 知力9 生命力12 | 1D+2/3D-1 | 2 |
8割以上 | 体力18 敏捷力16 知力9 生命力11 | 1D+2/3D | 2 |
■士気(MP) 軍団の士気(モラル・ポイント)を現わし、個人キャラクターにおける「疲労点」に相当します。作戦行動を行うたびに増減します。個人キャラクターとは異なり、ゼロになっても気絶はしません。 「士気」の初期値は、指揮官の〈指揮〉技能レベルに以下の修正を加えたものとなります。士気の最大値は、どんなに高くとも20が上限となります。また、初期値が5未満だと兵士たちが出撃を拒否するため、戦闘を行えません。 軍団兵の大半があなたの指揮を受けるのは初めて -5 戦場に直接姿を見せず、安全な場所から指揮だけ行う -5 兵士たちの間で人気がある(軍団兵の忠誠度が「良い」以上) +5 国全体で人気の国民的アイドル(国全体の反応が「とても良い」以上) +10 ■HP 軍団のHPは「生命力」とは別に決定されます。軍団の人数100名につきHP1として換算します。軍団の最大人数は5000人なので、最大HPは50となります。 |
軍団の戦闘力 |
個人戦闘と同じように、技能レベルや致傷力、能動防御や防護点を決定します。 ■攻撃の技能レベル 軍団の敏捷力+指揮官の〈戦略〉技能レベルの5分の1が、攻撃の命中判定に使用する技能レベルとなります。 ■致傷力 攻撃が命中した場合のダメージで、軍団の体力から算出されます(上記の「基本能力値」の表を参照)。軍団の攻撃は「強」と「弱」の2通りあり、選択した「作戦行動」(下記参照)に応じてどちらを用いるかが自動的に決まります。 弱攻撃 体力に応じた「突き」ダメージ 強攻撃 体力に応じた「振り」ダメージ ■能動防御 攻撃を受けた際、個人戦闘と同じように回避行動が行えます。軍団の能動防御は「よけ」と「止め」の二種類になります。なお、受動防御の概念は存在しません(指揮官の〈戦略〉修正が実質「受動防御」扱いです)。 よけ 軍団の敏捷力の半分+指揮官の〈戦略〉技能の5分の1 「よけ」の判定に成功した場合、相手の攻撃を完全に回避できます。 とめ 軍団の生命力の半分+指揮官の〈戦略〉技能の5分の1+3 「とめ」は成功率が若干高くなりますが、判定に成功しても攻撃が命中した扱いになります。ただし、判定に成功した場合は防護点2倍(防護点0の場合は1点)でダメージを受ける事ができます。 ■防護点 上記の「基本能力値」の表に付随しています。騎兵の比率により、自動的に軍団の防護点が決定されます。 |
軍団の練度と待遇 |
軍団に属する兵士の練度と装備の質に応じて、上記のステータスに補正が発生します。 (練度) 兵士たちの戦闘経験を表します。練度により、以下の修正を受けます。 |
新兵 | 戦闘経験0~2回 | 全能力値-1 |
一般兵 | 戦闘経験3~5回 | (修正なし) |
古参兵 | 戦闘経験6~9回 | 全能力値+1 |
精鋭 | 戦闘経験10回以上 | 全能力値+2 |
現実的に考えると、通常の軍隊では少数の生き残った古参と、補充として入って来る多数の新兵が混ざるため、少数精鋭の特殊部隊でもない限り、平均化されて「一般兵」相当の軍団になるのが普通です。 (待遇) 兵士たちの個々の装備の質を表します。要するに「財産」です。装備の質により、致傷力と防護点に補正がかかります。 |
劣悪 | 致傷力、防護点-2 |
まともな装備なし。奴隷兵、ゾンビの群れなど。「財産/赤貧」相当。 | |
貧弱 | 致傷力、防護点-1 |
貧弱な兵装。民間動員兵(徴用兵)や黒の月の蛮族など。「財産/貧乏」相当。 | |
標準 | (修正なし) |
標準的な文明国家の職業兵士から成る軍隊。「財産/標準」相当。 | |
優遇 | 致傷力、防護点+1 |
精鋭部隊、または先進国の標準。「財産/快適」相当。 | |
良待遇 | 致傷力、防護点+2 |
先進国の親衛隊、魔術師団のアイアン・ゴーレム部隊など。「財産/富裕」相当。 | |
最高待遇 | 致傷力、防護点+3 |
その世界の基準から逸脱した高度文明の軍隊。「財産/大金持ち」相当。 |
通常は「貧弱」~「優遇」の間に収まります。「最高待遇」は、文明レベルが大きく異なる特殊な状況(暴走を始めた〈多足のもの〉の機械兵団、空の彼方から侵略してきた宇宙人、平行世界から召喚された植民地海兵隊など)を想定しています。 |
●戦闘手順 | Combat Procedure |
![]() |
基本的な処理の仕方は、個人の「基本戦闘」ルールと同じです。 基本集団戦闘ルールにおいては、1ターンは10分に相当します。軍団は1ターンにつき、1つの「作戦行動」を行う事ができます。作戦行動とは、個人戦闘における攻撃や移動、姿勢変更といった基本行動と同じものです。 距離の概念は抽象的で、データ面では反映されません。ただし、「陣形」という概念が存在します。これは、戦場における軍団兵の隊列を示します。隊列によって、軍団の攻撃や防御にボーナスやペナルティが発生します。 |
①陣形の決定 |
軍団は、必ず何らかの陣形に従って隊列を組んでいます。戦闘を始める前に、どの陣形で戦いに臨むかを決めておいてください。1つの作戦行動中に利用可能な陣形の数は、指揮官の〈戦略〉技能レベルの5分の1個となります。 指揮官が所持している陣形は、日々の演習や作戦会議であらかじめ打ち合わせをして決めておくものです。そのため、即興で特殊な陣形を組む事はできません。万が一、事前に何の打ち合わせをしていなかった状態で出撃する羽目になった場合、取れる陣形は「横列陣」のみとなります。 なお、隊列に応じて、その隊列でしか選べない「特殊な作戦」が存在します。作戦についての詳細は、次の項目を参照して下さい。 |
(陣形一覧) | |
横列陣 | |
使用可能な特殊な作戦: - | |
横一列に並ぶ最も基本的な陣形(横列(おうれつ)陣形)。全体が見渡しやすく遊兵も少ないが、側面が弱く、あまり複雑な作戦行動もできない。 | |
疾風陣 | 致傷力+1、生存判定-2 |
使用可能な特殊な作戦:「指揮官突撃」「分断作戦」 | |
指揮官と近衛兵を先頭にΛ陣形を取る(偃月(えんげつ)陣形)。軍団の士気が上がって火力上昇を期待できるが、指揮官がかなり危険。 | |
中央突破の陣 | 致傷力+2、防護点-2 |
使用可能な特殊な作戦:「分断作戦」「決死部隊」 | |
中央に兵力を集め、正面突破を狙う(魚鱗(ぎょりん)陣形)。正面に火力を集中できるが、側面からの攻撃に対して脆弱。 | |
片翼突撃の陣 | 致傷力-1、〈指揮〉判定+2 |
使用可能な特殊な作戦:「決死部隊」「弓兵部隊」 | |
敵に対して斜めに並び、片翼の最先方に主力を集める(雁行(がんこう)陣形)。部隊を制御しやすいが、全体的に遊兵が多く火力が低下。 | |
波状盾の陣 | 防護点+1、〈指揮〉判定-2 |
使用可能な特殊な作戦:「弓兵部隊」「統率回復」 | |
V字隊形を取り、敵を中央に集めて集中砲火を狙う(鶴翼(かくよく)陣形)。先制攻撃で敵を寄せ付けないが、列が薄いため分断されやすく、指揮系統がやや脆弱。 | |
防御円陣 | 致傷力-2、防護点+1、生存判定+2 |
使用可能な特殊な作戦:「統率回復」「偽りの伝令」 | |
円陣を組んで全方位に対処する(方円(ほうえん)陣形)。非常に堅牢で指揮官を守るのにも適するが、兵力が多方向に分散するため、全体的に火力が大幅低下。 |
②行動順の決定 |
次に、どちらの軍団から行動を行うかを決めます。 基本的には、指揮官の〈戦略〉技能レベルが高い側がイニシアチブを取得し、どうするかを決める事ができます(レベルが同じ場合は即決勝負をして下さい)。イニシアチブを取った側は、先に行動するか、後で行動するかを決めて下さい。 ■先に行動する事を選択した場合 戦闘開始後、こちらから先に作戦行動を行えます。 ただし、開戦前に先に陣形を決めて、相手に対してそれを公表する義務があります。相手は貴方の陣形を見てから、自分たちの陣形を決める事ができます。 ■後で行動する事を選択した場合 戦闘開始後、相手から先に行動する事になります。ただし、相手は開戦前に先に陣形を決め、あなたに公表せねばなりません。その陣形を見てから、あなたは自軍が取る陣形を自由に決める事ができます。 |
③作戦行動の選択 |
戦闘が開始されたら、上記で決めた順番に行動を行います。 軍団の行動は「作戦行動」と呼ばれ、それぞれ固有の「士気コスト」が設定されています。作戦行動を選択した直後、このコストを即座に支払う必要があります(払えない作戦は選択できません)。 以下、選択可能な作戦行動の一覧です。 |
全軍前進 | 士気コスト:1 |
弱攻撃を1回行う。 | |
歩兵が主体となって前進し、総攻撃を行います。 |
全軍突撃 | 士気コスト:2 |
強攻撃を1回行う。そのターンは能動防御不可。 | |
騎兵が主体となって突撃し、総攻撃を行います。これを行った場合、次のターンまで能動防御が行えなくなります。 |
陽動作戦 | 士気コスト:1 |
〈戦略〉+4で即決勝負。勝てば次の1ターン、相手の能動防御を封じる。 | |
疑似突撃などを行う事で敵の行動テンポを狂わせ、次の攻撃を通りやすくします。こちらの指揮官の〈戦略〉+4と相手の指揮官の〈戦略〉とで即決勝負を行い、こちらが勝てば次の1ターンの間、相手の能動防御を不可にします。 |
全軍防御 | 士気コスト:0 |
防御に専念。そのターンの間、防護点+2 | |
攻撃は行わず、足を止めて防御姿勢を取ります。 |
全軍後退 | 士気コスト:0 |
〈指揮〉判定。成功すれば士気5点回復。失敗しても2点回復。 | |
攻撃は行わず、後退して隊列を整えます。〈指揮〉判定を行い、成功すると士気が5点回復します。判定に失敗しても2点回復します。 |
陣形変更 | 士気コスト:1 |
〈指揮〉判定。成功すれば別の陣形に変更し、さらに別の作戦を選択可能。 | |
攻撃は行わず、陣形を別のものに変更します。〈指揮〉判定を行い、成功すれば陣形が即座に変更され、さらに別の作戦行動を行えます。判定に失敗した場合でも、陣形変更自体は行われますが、変更後にターン終了となります。 |
全軍撤退 | 士気コスト:5 |
〈指揮〉判定。成功すれば速やかに戦場から撤退する。 | |
軍団は直ちに戦闘行為を止め、戦場から整然と撤退します。〈指揮〉判定を行い、成功すれば撤退に成功します。失敗した場合、そのターンは何もせず棒立ち状態で終了します。 全軍撤退した場合、敗北扱いとなりますが潰走状態にはなりません。 |
以下は、特定の陣形でのみ実行可能な作戦行動です。 |
指揮官突撃 | 士気コスト:0 | 条件:疾風陣 |
強攻撃を1回行う。そのターンは能動防御不可。指揮官は生存判定を行う。 | ||
指揮官が先頭に立って突撃し、自軍の士気を高めつつ総攻撃を行います。これを行った場合、次のターンまで能動防御が行えなくなります。指揮官は攻撃の結果に関わらず、攻撃後即座に生存判定を行う必要があります。 |
分断作戦 | 士気コスト:4 | 条件:疾風陣、中央突破の陣 |
強攻撃を1回行う。そのターンは能動防御不可。ダメージ2倍。 | ||
一点突破を狙って総突撃を行い、相手の戦列を分断しようと試みます。これを行った場合、次のターンまで能動防御が行えなくなります。攻撃が命中した場合、防護点を超えた分のダメージが2倍になります。 |
決死部隊 | 士気コスト:4 | 条件:中央突破の陣、片翼突撃の陣 |
強攻撃を1回行う。そのターンは能動防御不可。敵指揮官は生存判定-4を行う。 | ||
敵指揮官を直接狙う決死隊を送り込みつつ総突撃します。これを行った場合、次のターンまで能動防御が行えなくなります。攻撃によってダメージを与えた場合、敵指揮官は即座に生存判定-4(+軍団HPの10分の1だけプラス)を行う必要があります。 |
弓兵部隊 | 士気コスト:2 | 条件:片翼突撃の陣、波状盾の陣 |
弱攻撃を1回行う。ダメージを与えると混乱状態にする。 | ||
総員が射撃武器に持ち替え、矢の雨を降らせて攻撃します。攻撃によってダメージを与えた場合、敵軍は自動的に混乱状態(詳細は下記)となります。 |
統率回復 | 士気コスト:2 | 条件:波状盾の陣、防御円陣 |
混乱状態中に使用可能。〈指揮〉判定に成功すると混乱状態を解除する。 | ||
混乱状態でも使える作戦行動です。指揮系統の回復に専念し、隊列を整えます。〈指揮〉判定を行い、成功すれば混乱状態を即座に解除します。 |
偽りの伝令 | 士気コスト:4 | 条件:防御円陣 |
〈戦略〉即決勝負。勝てば次のターンの相手の能動防御を封じ、士気を10点減少。 | ||
攻撃は行わず、敵兵士に変装した伝令兵を敵陣営に送り込み、敵軍全体に偽情報を蔓延させます。両軍の指揮官が〈戦略〉技能で即決勝負を行い、攻撃側が勝てば次のターンの間、相手の能動防御を不可にし、さらに士気を10点減少させます。 |
④攻撃・防御の手順 |
選択した作戦行動に応じた判定を行います。攻撃および防御の手順は、個人戦闘と全く同じですので、簡単に説明します。 ①命中判定 攻撃の目標値は、軍団の攻撃技能レベルとなります。弱攻撃も強攻撃も同じように判定します。 命中判定でクリティカルが出た場合、相手は能動防御を行えません。②の手順を飛ばし、③へと進んでください。 ファンブルの場合、軍団の攻撃は失敗し、士気が1点減少します。 ②能動防御 攻撃された軍団は、「よけ」か「受け」を試みる事ができます。 「よけ」に成功すれば攻撃を完全に回避した事になるので、処理はここで終了します。ただし、「よけ」を行うと成否に関わらず士気が1点減少します。なお、士気がゼロの状態でも「無料」でよけを試みる事が可能です。 「止め」を行った場合、成功しても③のダメージ処理に進みます。ただしその際、自軍の防護点を2倍にしてダメージ計算できます。 なお、能動防御でクリティカルの場合、「止め」であっても完全に攻撃を回避できます。 ファンブルの場合、回避に失敗した上、自動的に混乱状態に陥ります。混乱状態に関しては、下記の項目を参照して下さい。 ③ダメージ処理 攻撃が命中した場合、作戦行動に応じた攻撃のダメージ算出を行います。相手の防護点を差し引いた分が、軍団へのダメージとなります。なお、②の段階で「止め」に成功している場合、防御側は防護点を2倍にして計算します。 ダメージの量が大きい場合、次の⑤の項目の「混乱状態」が発生する事があります。その他、作戦行動に応じて特殊な処理が発生する事があります。それぞれの作戦行動の内容を参照して下さい。 どちらかの軍団のHPがゼロになるか、任意に「全軍撤退」を実行するまで、「③作戦行動の選択」→「④攻撃・防御の手順」を交互に繰り返します。 |
⑤ダメージの効果 |
上記の処理で受けたダメージの量に応じて、以下の追加効果が発生します。 ■潰走 ダメージによって軍団のHPがゼロ以下になった場合、軍団は集団としての戦闘能力を喪失し、生存者たちは散り散りになって潰走を始めます。この状態になった軍団は、戦闘で「敗北」扱いとなります。 潰走状態で終了した場合、軍団メンバーは解散扱いとなるため、以後は軍事行動を取れなくなります。 ■混乱状態 一撃で生命力の半分に等しいダメージを受けた場合、あるいは能動防御でファンブルした場合、軍団は自動的に「混乱」状態となります。その他、一部の作戦行動で、強制的に混乱状態にする効果を持つものがあります。 混乱状態の軍団は、自軍のターン開始時に〈指揮〉-2または軍団の知力(いずれか高い方)で判定を行い、成功すれば即座に混乱状態を解除でき、そのターンの作戦行動を行う事ができます。 判定に失敗した場合、混乱状態は解けず、そのターンは軍団は何もできない上、能動防御不可の状態に陥ります。以後、自軍のターンが来るたびに、冒頭で同様の判定を行い、成功するまでこの状態が続きます。 ■生存判定 一部の作戦行動において、軍団の指揮官自身が危険な目に合い、負傷する可能性があります。生存判定を要求された場合、指揮官の戦闘力を基準値として判定を行って下さい。 判定に成功した場合、指揮官は特に負傷する事なく危機を乗り越えます。失敗した場合、指揮官個人が生命力に3Dダメージを受けます(ファンブルの場合は5Dダメージ)。指揮官が受けたダメージは、別途でどこかに記録しておいて下さい。 ダメージの蓄積によって指揮官のHPがゼロ以下になると、指揮官は生死を問わず指揮能力を喪失し、軍団は自動的に戦場を敗北となります。また、この時点で指揮官のダメージがマイナス生命力にまで達している場合、必要な回数だけ生死判定を行って下さい。一度でも失敗すると、指揮官は死亡してしまいます。 指揮官がまだ生きている場合、直後に〈指揮〉-4または軍団の知力-2(どちらか高い方)で判定を行い、成功すれば軍団は秩序を失わずに撤退します。判定に失敗すると潰走状態に陥り、残存兵は無秩序に逃走を始め、軍団は解散してしまいます。なお、指揮官が完全に死亡した場合、自動的に潰走状態となります。上記の「潰走」も参照して下さい。 |
■実践 |
以下、上記のシステムを用いて運用してみました。参考資料としてどうぞ。 |
![]() |
[編集手記] リルガ姫は、和製ウィザードリィと言われる「ウィザードリィエンパイア 古の王女」に登場するお姫様で、王城へ行くといつでも会えます。ストーリーの重要人物なんですが、ストーリー自体はテキストだけで淡々と進むゲームなので、おそらく彼女に思い入れのあるユーザーはほとんどいないと思われます。 そんな目立たない彼女ですが、私個人が当時プレイしていたTRPGのキャラクターの1人によく似ていたので、愛着が湧いて頻繁に城へ報告しながらプレイしてました。 ところがこのゲーム、ストーリーモードをクリアした後…彼女は死んでしまうんですよね。上のレポートで書いたような内容のイベントがあり、民衆の暴動を止めるため、彼女は皆の前で自決してしまいます(この辺の流れは全部テキストのみ)。 これによって、ストーリークリア後に城に行っても彼女の姿はなく、妹のニルダが代わりに登場するんですが…もうこの時点でモチベーションをなくし、ゲームをやめてしまいました…だって、リルガに会いたくてゲームを続けていたようなものだったのに、それが永遠に出て来なくなるなんて、やる気なんてなくなりますって(笑) 一応、勲章を全部集めたら、彼女が幽霊の形で再登場して話しかけてくれるそうなんですが、もうそこまでリルガなしでプレイするのも苦痛で、ラスト以降のダンジョンはほとんど探索しませんでした。また、情報によるとゲーム自体にバグがあるらしく、勲章ゲット条件を達成しても一部勲章が取れないようになっているようで、結局、勲章コンプリートを目指して頑張っても、リルガには二度と会えない事が確定してます。 まあ、これくらい語れる程度には、リルガ姫に思い入れがありました…こんな全然目立たないNPCに入れ込んでる妄想全開ユーザーは、おそらく他にいないと思いますが(笑) そんなわけで、もうネット上からも消えかかってる彼女の存在をどうにか情報として残したくて、一大コンステンツとして今回のレポートを作成しました。集団戦闘ルールはサブであって、リルガを活躍させる方がメインだったり。 では、本題。 【マスコンバットができるまでの変遷】 ロマサガ3のマスコンっぽいシステムを作りたいという思いは、数年前からありました。色々考えていたんですが、最初に思いついたのは「右翼・左翼・中央の3部隊を作り、それを連携させて戦闘する」ものでした。 ただ、3対3だと判定に時間がかかるため、プレイアビリティの面で問題がありました。それに、どうせやってることは個人戦闘だったので、「1VS1でも3VS3でも大差ない」事に気づき、「それなら1VS1でいいじゃん?」となり、この初期案は没となりました。 次に考えたのがヘクスを使って戦闘する方法で、騎兵部隊とか長槍部隊とか弓部隊を別々に設定し、個人戦闘みたいに戦う方法でした。 でもこれ、初期案と同じで部隊数分だけ判定せねばならず、結局手間は同じ。しかもこの形式だと、ロマサガ3のマスコンというより、ファイアーエムブレムみたいなマップ型ユニット個別処理形式になってしまって、自分が求めているロマサガ3のマスコンではないな、という感じだったので、やはり没になりました。 色々と試行錯誤した挙句、結局は「命令1つで軍団全部の行動も一括処理するシステムにすべき」という結論に達します…だんだん、既存のマスコンのルールと同じ結末に辿り着きます…どうせ一括処理するんなら、1回の〈戦略〉即決勝負でよくね?という感じです(笑) でもやはり、ロマサガ3のマスコンの「リアルタイムで指揮を体験する」感覚だけはどうしても残したかったので、今回のような超絶単純化したシステムとなりました。基本的にはガープスの「基本戦闘ルール」で1対1をやってるだけなので、そんなに複雑な戦術行動はできないんですが、複雑な数値管理もいりません。まぁどうにか「ロマサガ3のマスコン感は出せたかな?」とは思ってます―――評価は他人に任せます(笑) しかし、こんだけ削ってもまだ面倒な部分は残っており、それが行動の度に「士気」(個人戦闘における疲労点)が増減する部分です。ただしこれ、カードゲームなどに付随しているライフカウンター(おはじきみたいなヤツ)を使えば、かなり楽に管理できると思うので、もしこのルールで戦争やるとかいう奇抜な人がいたら、ぜひそうして下さい(笑) 陣形に関して。 リアルで使用されたとされる陣形の性能に、可能な限り近づけたつもりです。使用可能な作戦行動が陣形によって固定されているのも、陣形の特性を出すための処置です。 以下、陣形に関する簡単な知識など。 (横列陣形) 横一列に並ぶ単純なものですが、基本的に陣形というのは「横列陣形」と「縦列陣形」の二つの大別され、それ以外はこの二つのどちらかの亜種陣形でしかありません。なので、横列陣形は決して「無策な陣形」ではないです。むしろ、遊兵を作らず最大限に火力を引き出したい場合、多くの地域では「横列陣形」を使うのが普通でした。 横列陣形の弱点は、機動性が低い事です。なんせ、皆が横一列になって動くためには歩調を合わせないといけないため、どうしても移動力が下がってしまうのです。側面や背面からの攻撃にも弱く、向き変えができないのも致命的でした。そのため、それらの弱点を改善した亜種陣形が、いくつか登場する事になります。 (疾風陣) 日本では偃月陣と呼ばれたもので、指揮官部隊を再先鋒にして戦います。言うまでもなく指揮官が危険に晒されるので、軍全体が新兵集団や、状況が絶望的で敵陣を突破しないとどうせ後がないといった状況で用いられたと言います。 当サイトでは「指揮官が先鋒に立つ事で士気高揚が期待できる」部分を、コストゼロで強攻撃が可能な作戦「指揮官突撃」を使えるようにする事で再現しています…まぁ、MPが枯渇する終盤くらいしか使い道がないでしょうが。 (中央突破の陣) 日本では魚鱗陣形と呼ばれたもので、縦列陣形の発展形です。一点突破を行う際に用いられます。銀英伝のラインハルトとかが好きなアレです。 ただしこの陣形、横列陣形相手だと真ん中に火線を集中されて普通に弱かったそうです。なので、中央を突破する前に左右に小さい疑似突撃部隊が先行し、「本命」に火線を集中されるのを回避したそうです。このルールの場合、「陽動作戦」からの突撃でその状況を再現できると思います。 (片翼突撃の陣) 雁行陣形と呼ばれるもので、日本ではいまいちよく分からない陣形ですが、西洋のギリシャ時代、ファランクスが平野で敵と正面から当たる時によく使われたもので、ネット上には陣形の構造が分かりやすい解説ページがいくつかあります。興味があればググって下さい。 簡単に説明すると、この陣形は「各個撃破を狙う」ものです。先鋒を担うのは一番強い部隊で、まずは最強部隊だけで敵陣の端っこに戦いを挑み、そこで勝つようにします。すると、先鋒部隊は遅れてやってきた隣の部隊を手伝って、2部隊で次の敵1部隊を挟撃できるようになり、そこでも優位に立てるようになります。これを次の隣の敵部隊にも行い…という作業を繰り返すく事で、時間はかかりますが小さい「勝ち」を積み上げていけます。 また、各部隊が動きやすく、あらゆる方向からの敵に対処しやすいことから、防御にも向いています。ただし全体的に遊兵が多い事から、どうしてもDPS(Damage Per Second/1秒あたりのダメージ)が低くなるのが欠点でした。 (波状盾の陣) 敵に対してV字隊形を取る、いわゆる鶴翼陣形です。日本史の情報サイトでは、この陣形で負けた例ばかりが載っていて、あんまりいいイメージがないようです(笑) ごく簡単に説明すると、V字の中央に飛び込んできた敵集団に火線を集中し、敵を寄せ付けないといった戦い方をする陣形です。 敵を寄せ付けないという趣旨から、どちらかというと防御に属する陣形なんですが、戦列自体は薄いため、攻撃を受けると部隊が分断されやすいという弱点が存在しました。そのため、通常は数が多い陣営が取る陣形だったようです。 (防御円陣) 原作のロマサガ3のマスコンバットにはない陣形ですが、リアルではどこの地域でもあった基本的な防御陣形なので追加。名前通り、大将を中心に円陣を組んで奇襲に対抗するものです。 通常、この状態は相手の攻撃を受ける時だけに使用し、その後は即座に別の陣形に変えて攻撃に転じたそうです。当サイトではそれを再現するために「偽りの伝令」という作戦を使えるようにしてあります。これに成功すると、敵の士気を10点も削った上、相手の能動防御を一時的に封じます(「陽動作戦」の強化バージョン)。次のターン、即座に陣形を変えて突撃すれば、大きなカウンター攻撃になるかもしれません。 【セオリー的な何か】 原作のマスコンは、「最初は防御して相手の士気消耗を待ち、士気が底を尽いたら攻撃に転じる」のが勝つためのセオリーなんですが、その形式だとあまりに時間がかかりすぎる上、お互いがそれをやると勝負がつかないので、その仕様はすっぱり忘れました。 で、本システムはガープスの個人戦闘における1対1と同じく「フェイントなどで相手の隙を作り、そこに全力攻撃を叩きこむ」的な作りになってます。以下、このシステムで勝つためのセオリーのようなものを書いておきます。 ①陣形入れ替えシステムを駆使する このシステムでは、陣形によって使用可能な作戦行動が固定されています。なので、使いたい作戦行動から陣形を選ぶのが基本となります。1つの陣形ではコンボを組むのが難しいので、二つの性質が異なる陣形を所持しておくのが無難かと思われます。 ②「陽動作戦」でフェイントを入れてから突撃系の作戦を行う ガープスの基本戦闘ルールと同じ流れで、相手の防御を削いでから突撃します。相手が防御可能なのにラッキーヒットを狙って突撃するとか、基本戦闘ではたまに行われますが、このシステムではそれをやると高確率で相手に「先手」を取られて競り負けます。 ③相手が突撃して無防備になった後にカウンター突撃を行う 脳筋突撃合戦を行う場合、まず自分たちの側が先に突撃で大被害を与える必要があります。後手で突撃して大被害を与えても、相手の方が1歩先に自分たちに大被害を及ぼしてるので、その状態で突撃合戦に入っても遅いのです。必ず自分たちの方から先に大被害を与えられる形から、突撃合戦に突入して下さい。 もう一つ注意すべきは、突撃合戦するなら「少なくとも相手のHPが同格である事」が大前提だということ。つまり、こちらがHP30の状態で、自分たちより人数が多いHP50の相手に、突撃合戦なんて絶対にやってはいけません(普通に競り負けます)。 こういう時は、弱攻撃系の戦術(「全軍前進」や「弓兵部隊」)で相手のHPが同格になるまで粘りましょう。 ④「弓兵部隊」で混乱状態にしてから突撃する 1ダメージでも与えれば、自動的に相手軍団を混乱状態にさせられる「弓兵部隊」は、手軽に使えてそこそこ有用な作戦です。これによって相手が混乱状態になり、しかも相手が回復に失敗した場合、そこで突撃を行う事で、突撃合戦における「先手」を取れます。 ⑤歩兵主体ならカウンター、騎兵主体なら陽動作戦 歩兵主体の軍団だと「止め」の目標値が高いので、まず相手の突撃を誘ってからカウンターで突撃を行うとうまく回ります。「弓兵部隊」で相手が混乱状態から回復しないターンを待つのも有効です。 逆に騎兵主体の場合、能動防御自体が全体的に低くなってしまうので、相手の隙ができるまでチンタラ待つ戦術は逆に不利になります。自分から「陽動作戦」「偽りの伝令」で敵の能動防御を剥ぎ、積極的に突撃していく方が良いです。突撃の際、「分断作戦」「決死部隊」を使う事で、突撃合戦でかなり有利になります。 ⑥無理せず「全軍防御」も利用する 「陽動作戦」等で相手に能動防御を封じられた際は、「どうせ防御できないなら突撃だ!」…と脳筋にならず、冷静に「全軍防御」で防護点を上げて耐える方が、後の展開で有利になります。上で書いたように「先に大被害を与えてから突撃合戦」が勝つためのセオリーなので、先に能動防御を封じられてしまったからといって通らない攻撃を繰り出すよりは、無理せず「全軍防御」した方が良いです。 敵も突撃後は防御ができなくなるので、そこからカウンターでこちらからの突撃を繰り出すと良いでしょう。 最後に、コンステンツのメイン・ヒロインであるリルガのデータを掲載しておきます。 |
![]() |
【基本設定】 双月歴100年頃に存在した、今は名称が伝わっていない「帝国」の姫君です。家族として父親であり建国帝である「皇帝」ミルダールと、妹のニルダがいます。 父ミルダールは、一代で帝国を築いた英雄ですが、思想的に偏った人でした。まず、自分の後継者は男子であるべきという信念があり、長女リルガを後継者と認めませんでした。 しかし、最初の王妃が亡くなるまでに男子を残せなかった事から、次は「リルガの旦那を婿養子として迎える」事を考えました。しかし彼は、何でも自分でやろうとする性格である事から、周囲を取り囲む臣下たちは自分のイエスマンばかりになってしまっており、自分に比肩しうる英雄など現れませんでした(並び立とうとする者を排除し続ければ、当然の結果ですが…)。結局、どの将校もリルガの政略結婚相手としては認められなかったのです。 この時点でミルダールは勝手に絶望し、〈悪魔〉の力を借りてでも自分の寿命を延ばし、後継者が現れるまで帝国を支えて行こう…などと考えてしまいます。こうして、レポートにあるような悲劇に見舞われてしまいました。 リルガは父の腕力と反射神経、母の理性と優しさ、そして美しさを強く引き継いでおり、もう少し経験を積めば、後継者として十分なスペックを有していました。父の期待に何とか応えようと必死で努力していたようで、政治家としてだけでなく軍人としても鍛えており、帝国の覇王の娘に相応しい実力は十分に有しています。一方、母から受け継いだ心優しい性格のおかげで、国民からも相当な人気がありました。 しかし結局、その努力も全て無駄になります。偏見に凝り固まった父が道を踏み外し、その結果として彼女の未来をも閉ざしてしまったのです。父と娘の性格の落差を知っていた当時の国民たちは、密かにリルガが統治する時代を待っていたのですが、リルガが愚者の父の責任を取るために自決してしまったため、相当ショックを受けたようです。そして帝国崩壊後、何とか彼女の存在を記憶に残そうとした結果、町の名前が「リルガミン」に変更されました。 そして双月歴1095年現在、彼女はサリカ神の下位従属神の1神として知られており、直接崇める信者はほとんどいないものの、彼女の教えの一部はサリカ信者の間に広く伝わっています。 なお、彼女はレア様の遠い祖先にあたります。リルガ自身は子を残さなかったので、妹ニルダの血が現在のレア様の家系とつながっています。 【設計思想】 職業表の「官僚、政治家」と「軍の士官、騎士」の条件の両方を満たしつつ、さらに外見的美しさを持たせるようにしています。現状では、ギリギリ条件を達成している段階ですが、さらに経験を積めば、完全無欠の万能指導者となれる逸材です。現状でも、政治家としても軍指揮官としても並の貴族を超えるほどの技能レベルを誇っています。 一方、個人戦闘力は月並みですが、何とか騎士団の末席に座れる程度の能力は持っています。生命力が若干弱いですが高価な装備を一式所持しているので、すぐに倒れるような事はないでしょう。 【神格としてのデータ】 ■可憐さと一途の女神リルガ 青の月のサリカ神の従属神で、可憐さと一途な心を司ります。ここで言う可憐さとは外見の美しさではなく、性格的に心優しく愛らしい事を指します。姿はいまいちでも心が綺麗であれば、この女神は惜しみない加護を与えると言います。 この信仰は、グラダス半島の五王国が成立する以前に実在した国の王女リルガが、死後にサリカ神に仕える事で発生したと言われています。彼女は心優しく慈愛に満ちた存在でありながら、軍人や政治家としても活躍した英傑であり、最後は命を投げうって国民を守ったと言います。 彼女の存在はサリカ神殿で聖人として伝えられており、現在では信者こそいませんが、彼女の教え(かわいいは正義)を引用するサリカ信者の女性が結構な割合で存在すると言います。また、ソイル選王国に存在する「冒険者の町」リルガミンは、かつて生前の彼女が治めていた町であり、彼女の名が命名の由来だと言われています。リルガミンとは、古いグラダス語で「リルガの愛」という意味です。 【本質】思い出 【司る側面】可憐さと一途 【2次的に司る側面】癒し、謙虚、贔屓、正当化。 【教義】常に愛らしくあれ。立場に関係なく謙虚であれ。かわいいは正義。 ■独自技能 〈記憶術〉 ■ボーナス技能 〈獣医〉〈応急処置〉〈地域知識〉〈外交〉〈指揮〉 ■僧侶呪文 「情報伝達系」と「治癒系」の二種 ■保身と別離の神ファウスト 赤の月のアルリアナ神の従属神であり、わが身の可愛さを司ります。対となるのはサリカの下位従属神で、可憐さと一途を司る女神リルガです。 この神と信仰の発生は、対となる女神リルガの神話と被ります。彼は生前のリルガ姫の軍略における師であり、彼女には大いに期待していたようですが、彼女の父である皇帝が〈悪魔〉に魂を売った事を知り、王女もろとも国を裏切りました。 裏切った表向きの理由は「国の未来がない事を知ったから」ですが、内心では「くだらない盲目的な忠義の美学に酔いながら死ぬより、一時の不名誉を背負っても生きたい」という保身が主な理由でした。「最も大事なのは自分自身。そのためならば愛や忠誠心を捨ててでも、自分の幸せを優先すべき」というのが教えであり、それは大多数の力なき者の処世術としては正当です。 現在、彼の信仰はほとんど忘れられていますが、アルリアナ神殿が離婚調停のためにガヤンの司法機関に提出する「ファウストの離縁状」という書面が存在し、「離婚の支援者」としての名がわずかに伝わっています。 【本質】思い出 【司る側面】保身と別離 【2次的に司る側面】自己愛、自立、不倫、裏切り。 【教義】わが身を愛せよ。盲目的な忠誠は美徳にあらず。自身の幸福を追求せよ。 ■独自技能 〈錬金術〉 ■ボーナス技能 〈生存/草原〉〈管理〉〈戦略/陸戦〉〈裏社会〉〈嘘発見〉 ■僧侶呪文 「幻覚/作成物系」と「移動系」の二種 |
▼次のステップへ |
▲メインに戻る |