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■第22節 ダンジョンマスター飯
 ―――ガープスにおける食料系呪文を救いたい。

 この系統は、主に冒険者がサバイバル状態で食料の調達を行う系統だが、プレイヤーキャラクターたちがCPを割いてまで習得するケースなどほぼない。
 ガープスにおける食料は、ただの補給ラインの記号でしかなく、実際に完成した料理をキャラクターが食べたからと言って、プレイヤーにその味覚や満足感が伝わるわけでもなく、ゲームデータ的にも何ら利益はない。

 ゆえに、冒険者としてのウィザードが貴重なCPを割いて、食料系呪文を習得する必要性などほぼない。せいぜい高位の治癒系呪文(《療治》や《解毒》)の前提条件を満たすため、《毒見》や《腐敗》を習得する程度だろう。
 じゃあ、民間の生産業者などが業務で日常的に使うのか?と言われると、そもそもルナルでは、量産体制で動員できるほど魔術師はありふれた存在ではない。せいぜい《水を酒》が魔化されたタルか何かで低品質アルコールを製造し、その場しのぎで供給する程度であろう。
 つまり食料系呪文は、冒険者のような人種が使う事が前提にも関わらず、冒険者がこれらの系統を積極的に習得する理由に乏しい―――しかしそれだと、せっかくの食料系というガープス特有のユニークな概念が、ほぼ死に設定じゃないか?

 そこでこのレポートでは、プレイヤーキャラが「食料系呪文を習得してみたい!」と思わせるようなハウスルールの構築を行おう。
■食料系呪文が不遇の理由
 ガープスで食料系呪文が冒険者に全く見向きもされないのは、食料の概念を「食べないと死ぬ」(必要コスト)というマイナス観点の補完ばかりに焦点が当てられており、「食べる事で強化される」(バフ効果)といったプラス要素が皆無である事が主な理由だろう。

 食料系呪文の究極奥義を見てくれ。

 《断食》

 行き着いた先は、まさかの
「食(自身のジャンル)の全否定」である(笑)
 これでは何のために食料系呪文を追求するのか…もはや意味不明である。

 また、サバイバルにおける障害は、何も食料調達だけに限った事ではない。
 水の調達、地形の把握、目的地まで最短で到達できるルートの見極め、安全なシェルターの構築など…乗り越えるべき課題は無数にあるが、それらは全て
〈生存〉技能1つに集約されており、とりあえずこれに1cp割り振っておけば、それだけで十分な解決能力を持つ事ができる。
 にも関わらず、食料系呪文は「食料」に限定した対応に特化しており、しかもその効果の大半は、時間をかければ魔法なしでも実行可能なものだ。そんな道楽呪文にCPを割り振る余裕など、100cpのキャラクター作成時にはないだろう。CPをやりくりして無理に取得したところで、冒険中に使う機会など1回あるかないか。これでは、習得する魅力に乏しすぎる。。

 そのため、ややリアリティからは遠ざかるものの、この系統の呪文でしかできない何らかの実用性のあるプラス効果を付ける事が望ましい。
■まずは〈調理〉技能を救う
 食料系呪文を救うには、まず〈調理〉技能を救う必要がある。

 ガープスに限らず、中世ファンタジーもののRPGで食が関わってくるクエストと言えば、だいたい以下の内容に限られる。
『食を極め過ぎて普通の料理に飽きた高レベルのシェフが、モンスターの肉体を用いたゲテモノ料理を思いつき、その素材調達のために冒険者を雇う』

 このパターンが非常に多いというか、ほぼこれ一択である(笑)
 一応、もう1つのパターンとして、

『料理対決を行うシェフの護衛』

 …というのもあるが、この手の護衛依頼は、PC自身は料理とあんまり関わりのない展開が多く、〈調理〉技能判定が必要になる状況はほとんどない(PC自身が実際に大会に出て調理するわけではないため)。


 次に問題なのは、それらのクエストの報酬である。
『できた料理をPCにごちそうする』

…だいたいこれが来るんだよね(笑)

 しかし当然だが、キャラクターが上手い料理を食ったところでプレイヤーには何の恩恵もなく、ゲームデータ的にも何の足しにもならない。その上、その空気みたいな報酬設定のせいで、肝心の金銭的な報酬が減額される事すらある(依頼主はあんまりお金を持ってないので、手製料理を報酬の一部として転用する)。それらを考慮すると、割に合わないクエストになる可能性が高く、次の依頼を受けてもらえない可能性すらある。

 そうならないためには、そもそも料理をイベントやクエストネタにするよりも前に、
〈調理〉技能に何らかの数値的なバフ効果を発生させるルールを追加しておき、日常的に使う技能としての地位を与えておいた方が好ましい。つまり、料理を回復魔法や身体強化魔法と同じ立ち位置に昇格させるのである。その上で、作業効率化のための食料系呪文にも活躍する環境が用意されるわけだ。
■〈錬金術〉のフォロー設定も追加
  料理でバフ効果を得るのはいいのだが、その効果をよく考えないとダメだ。

 というのも、安易に「魔法的なバフがかかる料理」の設定を行っても、それなら単に既存の
「〈錬金術〉技能で作った水薬や紛薬のエリクサーを食事に混ぜる」時と同じ事になってしまい、料理バフのルールを追加する意味がない。
 そのため、効果がエリクサーと被らない設定にする必要がある。これに関して注目すべき点として、エリクサーは1服分の素材費用が非常に高く、また製造にも数週間かかるのが当たり前なので、この仕様と対比させる形で料理バフを考えればよさそうである。つまり…

『エリクサーよりはるかに低予算・短時間で作れるが、エリクサーほど劇的な効果はない』

 このバランスでルールを作れば、エリクサーを料理に混ぜる行為と住み分けする事ができるだろう。
 また、エリクサーの話が出たので、それについても補足。

 錬金術でエリクサーを作る際、最終的にどのような形態になるのであれ、作成中は必ず
水溶液の形態をとっているはずである。そこでは、食料系呪文の《発酵》や《蒸留》の呪文がほぼ確実にプラスになるはずなのだが(少なくとも《蒸留》の呪文説明文にははっきり書かれている)、なぜかガープスのエリクサー作成ルールには、それに関するルール的な仕様が何も反映されていない(ガープスにおける謎の1つ)。

 そこで、食料のルールを作るついでにその具体的なルールも設定してみよう。
■既存作品も参考にする
 冒険者が料理と深く関わる作品として、おそらく最古と思われるのが、リアルタイム式コマンド入力型3DダンジョンRPGゲーム「ダンジョンマスター」である。このゲームでは、調理する概念こそないものの、ダンジョン内で倒して得たモンスターの肉を食べる事が生存するための基本システムとなっており、後の多くの作品に影響を与えた。

 その数十年後、アニメ作品としての「ダンジョン飯」が大きな話題となり、これはもう明らかに上記の「ダンジョンマスター」の影響をモロに受けていると思われる(というかそのまんま) 。「ダンジョン飯」では、新たに調理の概念が取り入れられており、「ダンジョンマスター」の時代よりは優雅に食を堪能する展開になっている。
 これらの作品は「必要に駆られて仕方なくモンスターの肉を接種している」点では同じだが、「ダンジョン飯」では専用の魔法を用いて調理する事で、魔法の効果を得るような描写があり、これはガープスにおける食料系呪文の立場を強化する上で良いサンプルである。
 なのでここでは、「ダンジョン飯」をさらにもう一歩進め、最初からバフ効果を期待した上で料理を食べるシステムを作る事で、食料系呪文の活躍の場も用意できるだろう。
■調理と高品質な食事
 PC(プレイヤーキャラクター)は〈調理〉技能を用いて、データ的に特別な効果を持つ高品質な食料を作る事ができます。
 このルールは完全に任意であり、興味がない/めんどくさい場合は導入せずとも何の問題も発生しません―――実際問題として、手間暇の割に効果は限定的であり、なくてもクエストのクリアに支障はないでしょう。ただし、このルールでは食料系呪文が重要になる局面が多いため、この系統を習得した魔術師の活躍が見込めます…それはクエストの内容に関係なく起こります。
 基本的には「新たなバフ効果を得る手段」なので、既存の強化手段と被らない新たな強化手段が欲しい場合や、料理に関する冒険を楽しみたい冒険者たちに料理的アプローチを増やして雰囲気を堪能したい場合にうまく機能するはずです。

〈調理〉技能
 〈調理〉は精神/易の技能で、このルールの根幹を支える必須技能となります。技能なし値(知力-4)でも行けますが、ルールを活用するなら、わずかでもCPを払って習得しておいた方が良いでしょう。
《保存食》の呪文・魔化アイテム
 作成した品質の良い食事を保存するために必要となります。
 ただし、魔術師が直接唱える保存の魔法は、魔術師自身の呪文維持数を増やしてしまうため、賢明な選択とは言えません。消費をケチるために1食(0.5kg)ずつ呪文をかけていると、膨大な個数の呪文を維持せねばならなくなり、冒険中に他の魔法が使えなくなります。
 そのため、《保存食》が魔化されたアイテムを利用する事を強くお勧めします。これらは、容器に入れておくだけで半永久的に保存できるようになるため、魔術師の能力を妨害しません。また、小さいものは価格が安く、入手しやすいのも大きなメリットです。


■品質の良い食事の作成
 品質の良い食事は、品質の良い食材によって生成されます。ありふれた材料や劣悪な素材では、〈調理〉判定に成功しても数値的な恩恵のある食料は生成できません。よって、まずは素材を得るところから始めます。

 品質の良い食事を作るには、必要なだけの費用を払って材料を手に入れ、厨房を用意し、そこで最低1時間の作業が必要になります。作業は1人でも行えますが、技能レベル15以上の助手を付ける事で判定に+1の修正を得る事ができます。助手は何人でも動員できますが、実際に得られるボーナス修正は+2までです。
 それとは別に、助手1人につき作業時間が10%減少します(最大で50%まで)。なお、作業時間短縮の効果は、助手の技能レベルに関係なく必ず発生します(15レベルに満たない人に経験を積ませる事ができます)。
 助手をたくさん得られる環境では、一人のコックを集中支援するのではなく、いくつかのチームを作り、それぞれにコックを分散した方が効率は良いでしょう。
 作業が終わったら〈調理〉技能の判定を行い、うまく出来上がったかを調べます。基本的に10食まではペナルティ修正は付きませんが、まとめて大量に作ろうとした場合、追加の10食分ごとに-1の修正があります(11~20食で-1です)。
 技能判定の成功度/失敗度に応じて、以下のような食事が完成します。

△10成功以上(またはクリティカル)
 「最高品質の食事」が完成します。摂取すると6時間の間、追加疲労点2点を得ます(通常の疲労点と同じように扱います)。また、パワーレベル1の《祝福》の呪文の効果を受けます(こちらは効果を発揮するまで永続)。
△5~9成功
 「高級な食事」が完成します。摂取すると6時間の間、追加疲労点2点を得ます(通常の疲労点と同じように扱います)。
△0~4成功
 「上質な食事」が完成します。接種すると6時間の間、追加疲労点1点を得ます(通常の疲労点と同じように扱います)。
▼失敗
 美味しさは損なわれませんが、特別な効果はありません。宿屋で出される標準的な食事が完成します。
▼ファンブル
 素材は食べられないものに変化してしまいます。見た目でまともに食べられないと分かります。無理に食べると食中毒を起こします(《毒化》の呪文と同じ影響を受けます)。速やかにゴミ箱に出しましょう。

(高品質な食事 早見表)
最高品質の食事(1食分) 0.5kg $120 食後6時間の間、追加疲労点2点を得る。さらに《祝福L1》の効果を得る。
高級な食事(1食分) 0.5kg $80 食後6時間の間、追加疲労点2点を得る。
上質な食事(1食分) 0.5kg $20 食後6時間の間、追加疲労点1点を得る。
標準的な食事(1食分) 0.5kg $4 標準的な夕食と同じ。特に恩恵なし。
生ごみ(1食分) 0.5kg 食べると《毒化》と同じ影響を受ける。

 ごく簡単に言えば、「時間制限付きの作業用パワーストーン(1~2点)を得る」効果だと思えば良いでしょう。なお、前に食べた品質の良い食事の効果時間が残っている間に別の食事を接種した場合、以前の効果に今食べた食事の効果および持続時間が上書きされます。
食材
 品質の良い食事を作るためには、最低でも上質な食材を使う必要があります(標準的な食材(1人分$1)では標準的な食事しか作れません)。
 上質レベルまでは、通常の一般庶民相手の市場でも購入可能ですが、より本格的なもの(高級以上)になると、富裕層専用の特別な取引所でしか入手できません(こうした場所では《保存食》が魔化された容器内で永久保存されています)。最高品質ともなると流通量自体が少ないため、一度に少ししか購入できません(1D個程度)。これらには香辛料なども含まれると考えてください。
 なお、1回の調理で使用する食材の品質は統一して下さい。異なる品質の食材を混合して調理した場合、全ての食材の中で一番低い品質の食材に統合されてしまいます。

(調理食材表)
上質な食材(1食分) 0.5kg $4 富裕農家など小金持ちが夕食用に使う食材。
高級な食材(1食分) 0.5kg $20 貴族の食卓用の高級素材。調理判定+1。
最高品質の食材(1食分) 0.5kg $40 貴族でも滅多に食べない珍味。調理判定+3。


厨房
 食事を作るには、材料だけでなく様々な器具やかまどが必要です。

●火と水が使えさえすれば、調理を行う事は可能です。屋外の場合、「必需品セット」(軽い $5)と「キャンプ道具」(10k $50)を使い、〈生存〉技能でかまどなどを自作すれば代用できます(上から何か落ちてきても大丈夫なように、簡易天幕も張った方が良いでしょう)。ただしこうした環境の場合、技能に-1の修正を受けます。
●民家の一般的な厨房(金属製の鍋とそれを吊るす3脚、石臼など)を使えば、技能に修正なく調理が可能です。「財産/標準」の人が住む一般的な住宅の厨房がこれに相当します。個別で厨房を建造する場合、$200の費用がかかります。
●大型のかまどや金属製の鍋が複数配備され、清掃が行き届いた厨房が使えるなら、判定に+1の修正があります。そのような施設は、貴族のペントハウスやリャノ神殿の料理部門区画にもありますが(料理部門担当のリャノ高司祭なら基本無料でレンタル可。神官以下なら何らかの形で利用量を請求されます(俺にも1食分食わせろ等))。個人でそのような厨房を建造するなら$1,000かかります。
●TL6以上になると電力や水道などのインフラが標準装備され、精密な時計や秤、冷蔵庫などの設備が整った商業用の厨房が手に入るようになります。価格は$20,000で、判定に+2の修正があります。


貯蔵
 こうして完成した品質の良い食事ですが、品質は持って3日ほどで、日数が経つごとに急速に腐敗していきます。1日経つごとに、品質が1ランク低下するものとして扱います(最高品質の食事→上質な食事→標準的な食事→生ごみ)。
 そのため、作った料理はその日のうちに食べる事が基本となりますが、以下の手段を用いれば、品質を劣化させる事なく数日に渡って持ち歩く事が可能になります。

▲《保存食》の呪文
 完成した食事にかけると、1週間そのままの状態で保存可能になります。「装備表(古代・中世)」の野外用装備にある「陶器の瓶」に入れておくと良いでしょう。
 この手段の優れている点は、価格が安くて済む事です。魔術師本人がいる限り、魔化アイテムに頼らなくてよくなります。ただし、かけた回数分だけ呪文を維持し続ける(1週間!)必要があるため、あまり多くの食料を持ち運ぶ事はできません(魔術師が他の呪文をかける際のペナルティが増えていきます)。
 この方法は、保存の容器がない場合の緊急手段だと思った方が良いです。平常時は、下記の《保存食》が魔化されたアイテムに収めておく事をお勧めします。

▲《保存食》の魔化アイテム
 容器に入れておく限り、半永久的に保存できます。非常に便利で、パーティー内にウィザードがおらずとも保存が可能で、魔術師の維持呪文数を増やす事なく大量の保存が可能となります。
 ただし、魔化アイテムは高価なので盗まれやすい事、陶器の瓶の強度自体は(魔化アイテムではない)普通の容器と変わらないため、戦闘中に攻撃を受けて割れてしまう可能性があるといった問題があります。代表的な容器のデータは、以下を参照して下さい。

陶器の瓶[内容量1L] (0.5kg $3 《保存食L2》魔化+$40) 合計$43
陶器の瓶[内容量4L] (2kg $5 《保存食L8》魔化+$685) 合計$690
水袋[内容量4L] (軽い $10 《保存食L8》魔化+$685) 合計$695
小袋[内容量1.5kg] (軽い $10 《保存食L3》魔化+$60) 合計$70
小袋[内容量5kg] (0.2kg $20 《保存食L10》魔化+$1,790)]) 合計$1,810

 初級冒険者にお勧めなのは、購入した保存食を小サイズの小袋に入れて持ち歩く方法で、1袋で1日分(3食)の食料を半永久的に保持し続ける事が可能になります。また、このルールで作った高品質の通常食料を、内容量1リットル(1kg)の陶器の瓶に入れて持ち運ぶ方法も有効です。陶器の瓶は料理だけでなく、後述の高品質の酒を持ち歩く際も有効です。

▲《食料浄化》
 既に腐ってしまった食料を食べられる状態に戻します。例えば、放置して数日経った食料から増殖した細菌やカビを除去し、食べれるものに戻します。ただし風味などは失われ、標準的な食事にまでしか戻りません。
■魔法による高品質な酒の製造
 PC(プレイヤーキャラクター)は、食料系呪文《水を酒》などを用いて、ごく短時間でデータ的に特別な効果を持つ酒を作る事ができます。ルナルは西洋風の中世ファンタジー世界なので、ここではブドウから醸造するワイン製造のルールとします。
 ワイン製造は通常、ブドウの発酵だけで最低5日以上かかるため、食事とは異なり、呪文なしの短時間の酒の製造は物理的に不可能です。よってこれは、《水を酒》の呪文を習得し、瞬間的に水を酒に変換可能な魔術師専用のルールです。

 なお、単に普通の酒を作るのであれば、《水作成》の呪文などで生成した水に《水を酒》の呪文をかけるだけで、ごく普通の標準的な酒が完成します(糖質ほぼゼロなので消毒用エタノールに近く、美味しくはないでしょうが…)。材料の仕入れもなく、空気(?)から生成しているのでほぼタダであり、製造時間もかかりません。
 ただしこれは、飲んで実用的な効果のある高品質の酒にはなりません。やはり材料から良いものを厳選しなければ、バフ効果のある酒は造れないのです。ここで挙げるルールは、実際にバフの恩恵がある酒を作る事が前提になっている事をご了承下さい。

 また、《水を酒》の魔化が施された樽などを使用すれば、魔術師でなくとも割と短時間で高品質の酒の製造が可能です。ルナル世界でも都市部にいくと、魔化アイテムを用いた高効率・高級醸造店が存在するかもしれません(GMが自由に設定して下さい)。
 ただし魔化アイテムを用いても、液体をアルコールに変換するだけで丸1日かかってしまうため、魔術師が直接魔法で醸造するより時間がかかります。よって、根無し草の冒険者が醸造して携帯する手段としては少々不適切です。

〈調理〉技能
 酒造りも基本的にこの技能のカバー範囲です。正しく高品質な酒を造るには、酒造りのノウハウを知っており、各製造工程で繊細な微調整が必要になります(例えば《食料浄化》で素材の余分な部位を切除する作業でも、全部切除するのではなく、ある程度は残しておいた方が風味は出ます―――その微妙な加減が「酒造の腕」ということになります)。
 途中の工程でいくつかの呪文の使用を経由しますが、最終的にはこの技能での判定で酒の品質が決まる仕様になっています。
《水を酒》の呪文
 魔術による酒造りの根幹となる技能です。1回の使用で4リットルの液体をアルコール化できます。パーティーの人数にもよりますが、4人パーティーならちょうど全員の1リットル分の酒が製造できます。
《清掃》の呪文
 材料となる高品質なブドウですが、市場から購入してきた状態では、表面に野生の雑菌、カビなどが付着しています。これらを洗浄するために必要となります。なお、この呪文の魔化アイテムは安いので($100)、自前で呪文を習得するのがキツイ場合、魔化アイテムに頼るのが一般的です。
《食料浄化》の呪文
 雑味の元となる未熟な実や腐敗した汁を削除するために使用します。また、醸造後にワインの中に残存している皮を除去するため、もう一度使う事になります。
■高品質なワインの製造
 《水を酒》の呪文を用いると「海水は不味いビール、水やブドウジュースはワインになる」と説明されているように、料理と同じく元素材が良くないと高級ワインは製造できません。

 品質の良い酒を作るには、以下の手順を踏みます。

①上質な材料を購入
②容器に入れて《清掃》の呪文(消費2)で洗浄
③《食料浄化》(0.5kgにつき消費1)で余分な部位を切除
④ブドウを潰して汁を出し、《水を酒》(4Lにつき消費4)で酒に変換
⑤《食料浄化》(0.5kgにつき消費1)で残った皮を排除
⑥最後に〈調理〉判定を行う

 これらの作業は基本的に1人で行います。一般的ではありませんが、もし共同作業にした場合、参加者全員の《調理》技能を平均化して最終判定の目標値とします。
 途中経過で使う呪文に関しては、15レベル以上であれば確率的にほぼ失敗はないので、いちいち判定する必要はありません(厳密にプレイしたいならしてもいいですが、クリティカルとファンブルの管理くらいしかやる事がありません)。必ず実際にダイスで判定を行うべきは、最後の〈調理〉判定の部分だけです。

 作業にかかる時間ですが、呪文の使用自体はほとんど1秒(《水を酒》のみ10秒)で終わるため、実質「呪文の使用で消費した疲労点を回復するのに必要な時間」のみとなります。実際に作業にかかる時間は、上記の作業で必要になる疲労点から算出されます。

●疲労点1点につき10分かかります。
●《体力回復》15レベルならば、1点に付き5分です。
●《体力回復》20レベル以上ならば、1点に付き2分です。
※③と⑤の工程は呪文レベル15以上の術者が0.5kgずつやれば、実質疲労はしません。ただし容器への入れ替え作業で0.5kgごとに1分かかるとします。

 助手を使う場合、《体力賦与》などで疲労点を融通して貰い、作業時間を短縮するのがメインとなります(助手の《調理》技能は助けになりません…これらは術者個人の技量にかかっています)。単純に、助手が融通した分だけ術者が消費するはずだった疲労点を「帳消し」にできます。そのため、魔術師でなくとも《体力賦与》の魔化アイテム($100)があれば助手は務まります。
 

 最後の〈調理〉判定で、うまく出来上がったかを調べます。技能判定の成功度/失敗度に応じて、以下のようなワインが完成します。

△10成功以上(またはクリティカル)
 「最高品質ワイン」が完成します。0.2リットル接種すると6時間の間、「意志の強さ」2レベルを得ます(既に獲得しているならレベルが上乗せされます)。また、NPCの反応判定で+1修正を得ます。さらに、パワーレベル1の《祝福》の呪文の効果を受けます(こちらは効果を発揮するまで永続)。
△5~9成功
 「高級ワイン」が完成します。0.2リットル接種すると摂取すると6時間の間、「意志の強さ」2レベルを得ます(既に獲得しているならレベルが上乗せされます)。また、NPCの反応判定で+1修正を得ます。
△0~4成功
 「上質ワイン」が完成します。0.2リットル接種すると6時間の間、「意志の強さ」1レベルを得ます(既に獲得しているならレベルが上乗せされます)。
▼失敗
 不味くはなりませんが、特別な効果もなく酔うだけのものです。宿屋で出される標準的なレベルのワインとなります。
▼ファンブル
 低品質の不味い酒になります。飲んでも悪酔いするだけで、恩恵はありません。

(高品質なワイン 早見表)
最高品質ワイン(1L) 1kg $100 6時間の間、「意志の強さ」2レベルを得る。NPCの反応+1。《祝福L1》の効果を得る。
高級ワイン(1L) 1kg $40 6時間の間、「意志の強さ」2レベルを得る。NPCの反応+1。
上質ワイン(1L) 1kg $8 6時間の間、「意志の強さ」1レベルを得る。
ワイン(1L) 1kg $2 標準的な酒場のワインと同じ。酔うだけ。
不味いワイン(1L) 1kg $1 場末の酒場で出される不味くて薄いワイン。酔うだけ。

▼大量摂取による注意点
 アルコールは接種しすぎると逆にペナルティを受ける可能性があります。
 1回の飲酒で0.4リットル以上飲んだ場合、生命力判定を行って下さい(0.2リットル多く飲むごとに-1修正)。判定に失敗すると、上記の効果は綺麗さっぱり打ち消され(《祝福》の効果も台無しになります)、代わりに《酩酊》の効果が6時間発生します。敏捷力と知力に-3の修正を受けます。
 特に
「アルコール中毒」のキャラクターには注意して下さい。酒があると分かっている場合、意思判定に失敗すると目につくアルコールを全て接種してしまい、0.4リットル以上飲んだら必然的に生命力判定が必要になります。

※一般的なウィザードによる酒造りにかかる時間の具体例
例) 全ての習得呪文をレベル15、《体力回復》を15レベル(5分に1点疲労回復)で習得している魔術師が、4リットルの陶器の壺に材料4kg分を入れて作業を行います。

《清掃》で材料を洗浄します。自前で呪文を習得している場合の消費コストは1です。1点疲労したので、回復するのに
5分
《食料浄化》で余分な部位を除去します。材料4kgですが、0.5kgずつ取り出して呪文をかければ実質コストゼロで済みます。ただし、入れ替え作業の時間がかかるので、0.5kgごとに1分かかるとします。かかった時間は
8分
《水を酒》でブドウ汁をワインに変換します。熟練によりコスト軽減して3点疲労。回復するのに
15分
最後に、ワインの中に残留している皮を除去するため、再び《食料浄化》をかけます。②と同じく0.5kg(500ml)ごとにやればコストゼロなので、小さい容器に移し替えて呪文をかけ、保存先にいれる作業となります。1作業ごとに1分計算で合計
8分
ここで、これまでの工程の微調整による醸造具合を見るための〈調理〉判定が行われます。なお、作業にかかった合計時間は
36分となりました。

 こうして、成功度に応じた高品質のワイン4リットルが完成します。陶器の瓶(1L)に1リットルずつ小分けして各パーティーメンバーに渡すなどすれば、1本で5回分の酒を配給できます。

 参考までに列挙すると、《体力回復》20レベルなら24分、《体力回復》を習得していない場合は56分かかります。大雑把に30分~1時間かかると見なせばよいでしょう。
素材
 高品質のワインを醸造する時に必要なブドウです。上質なものは市場で手に入りますが、高級クラスになると大抵は貴族が専属で買い占めており、一般人は購入できません。
 なお、1回の調理で使用する素材の品質は統一して下さい。異なる品質の食材を混合して調理した場合、全ての食材の中で一番低い品質の食材に統合されてしまいます。

(醸造素材表)
上質なブドウ(4L分) 4kg $16 主に街の専門の酒屋が仕入れるブドウ。
高級なブドウ(4L分) 4kg $80 貴族用の酒を醸造するためのブドウ。〈調理〉判定+2。


容器
 魔法での酒の醸造に必要なのは入れ物だけで、特別な工房などは必要ありません(宿屋の自室でやればいいでしょう)。《水を酒》の呪文は一回の行使で4リットルを変換できるので、通常は「陶器の瓶[内容量4L]」(2kg $5)に素材を入れて呪文をかけることになるはずです。


貯蔵
 アルコール飲料は食事とは異なり、すぐに鮮度が落ちるわけではありません。しかしそれでも中世レベルの保存技術だと酸化するのが早く、飲める状態に保つのは1年が限度です。高品質であっても、2か月ごとに1段階品質が落ち、半年もすれば不味いワインに変質してしまいます(そして1年経つ頃には、酒ではなく酢に変わっているでしょう)。
 そのため、携帯するには魔法で保存する必要があります。

▲度数を上げる
 度数の高いブランデー(アルコール度数40~60%)などは、度数の低いワインと比べると保存期間は異様に長くなります(劣化速度が1年に一度となります)。これは、アルコールにより細菌の細胞膜が破壊されて死滅し、繁殖できなくなるためです。この方法なら、高価な保存用の魔化アイテムを運用したり、魔術師個人が《保存食》の呪文を延々と維持し続ける必要がなくなります。

 魔法を用いて蒸留酒を製造するならば、ワインに《蒸留》をかけて度数を上げる手があります。ただし、この呪文は1回使うたびに水分が半減するため、ワイン→ブランデーにする過程で《蒸留》3回で体積4分の1(度数40%)、4回で体積8分の1(度数60%)になる事に注意して下さい(この例で行くと、4kgのワインが1~0.5kgのブランデー(度数40~60%)にまで濃縮されます)。

▲《保存食》の魔化アイテム
 基本的には高品質の食事と同じ容器を流用できます。そちらを参照して下さい。
 これらの容器に入れておく限り、ワインの状態でも半永久的に風味が保存され、いつでも効果を得られる状態を維持できます。まずは普通の4リットル瓶で製造し、《保存食》の魔化が施された1リットル瓶に移し替えてパーティーメンバー全員に配る方法が良いでしょう。
■呪文による錬金術の補完
 〈錬金術〉によるエリクサー調合の際、最終的には4つの形態(水薬、紛薬、煙薬、塗薬)に分かれますが、作成段階では必ず水溶液の形を取ります。そして、エリクサー生成は高品質な酒の製造と似ており、多くの発酵や蒸留の工程があります。通常は専用の機材(蒸留器など)の使いますが、この工程を呪文ですっ飛ばす事ができ、これは製造の大幅な効率化につながります。
 よって、以下の呪文を習得していると、〈錬金術〉技能にボーナス修正を得られます。

《水作成》の呪文
 上記のように、エリクサーは必ず水溶液の状態で合成を行います。途中で発酵や蒸留の工程が挟まり、水分の除去が行われますが、異なる物質を混ぜ合わせる際には、再び注水作業が入ります。《水作成》はこの作業を速やかに行えるため、効率化が見込めます。
 このような理由により、この呪文を15レベル以上で習得している錬金術師は、エリクサー作成の際に〈錬金術〉技能に+1の修正を得る事ができます。
《発酵》の呪文
 エリクサーの製造に使われる素材の発酵は頻繁に行われます(これがエリクサー製造に週単位の時間がかかる主な理由です)。《発酵》の呪文はその工程を一瞬で行うため、製造の時間を短縮し、効率化を推し進めます。
 このような理由により、この呪文を15レベル以上で習得している錬金術師は、エリクサー作成の際に〈錬金術〉技能に+1の修正を得る事ができます。
《蒸留》の呪文
 エリクサー製造の途上で、蒸留を行って濃度を高める工程が何度も登場します。通常は蒸留器を使ってやりますが、これは時間がかかるものです。しかし《蒸留》の呪文を使えば一瞬で行えるため、大幅な効率化が見込めます。
 このような理由により、この呪文を15レベル以上で習得している錬金術師は、エリクサー作成の際に〈錬金術〉技能に+1の修正を得る事ができます。

 《蒸留》の前提呪文には《発酵》が含まれるため、《蒸留》を習得した時点で合計+2の修正が得られるはずです。
■テストプレイ
 上記の高品質な食材と酒によるバフ使用例などを挙げておきます。
■サンプル冒険者隊 『24の勇者隊』
 「暗黒都市」と名高い回転都市エサレーグの足元の山脈「アナイアス山」に存在するダンジョンに巣くっていたロード・カオスから、炎の杖を奪還したパーティーのその後の姿です。該当する冒険記録は、過去のレポート「第12節 ルナル世界の冒険者」にあります(→こちら)。

 謎の存在「セロン」からの依頼を達成した4人は、ダンジョンから解放された後、それぞれの人生を歩み―――ませんでした。理由は色々あるのですが、最も社会復帰して冒険生活を終えそうだった魔術師ウー・ツェが、イアイドーの修行の旅に付き合う形でパーティーに残ったため、残り二人もこの二人について回った方が生還率が高いと判断。結局、相変わらずこの4人で冒険者稼業を続けています。今はダンジョン探索にこだわらず、おおよそ何でも引き受けてグラダス半島中を旅しています。

 元ネタは、アメリカのFTL GAMESが開発したリアルタイムコマンド型アクションRPG「ダンジョンマスター」に登場した勇者たちです。日本でコミック化された際に選ばれた4人の勇者を参照しています。
 なお、キャラクターたちのCP総計は以前と同じですが、取得している特徴や技能が多少変更されています。これは、以前のレポートの時は当サイトで設定されていなかったハウスルールを、このパーティーのキャラクターたちに導入したためです。
 
■試験本編
[編集手記]
 最初に言っときます。
 今回のこのレポートは、管理人個人ではなく、管理人とグーグルAIの共同作品に近いです。最近、グーグル検索に付随している受け答えAIに凝ってまして、いろいろと会話を吹っ掛けて遊んでいます。

 少し前のグーグルAIは、とんちんかんな答えをよく返してきました。質問を終えて「ありがとう」って入力したら、「「ありがとう」とは~(以下省略)」などと用語説明を始める始末。文脈を全く読めてないのが丸わかりでした。それから数か月、あれこれ会話をして、ようやく人間らしい会話をするように。
 ただし、グーグルAIは結構間違った知識を披露して来ます。なので、何も知らないジャンルに関して質問するのは危険です。めちゃくちゃな創作回答を平気で返してきます(笑) なので、自分がそこそこ知識のあるジャンルについて、はっきり覚えてないところを聞いてみて「答え合わせをする」的な使い方が有用かと思われます。
 グーグルAIの回答文は、おそらくですがネット上に公開されている論文や掲示板の書き込みを参照し、そのまま切り取って文章を返してるんだと思われます。文章系AIのロジックは、基本的に「次に出てきやすい文字を並べてるだけ」であり、実際に思考してるわけではないらしいので―――にも関わらず、ここまで内容が正しい文章を繰り出してくるのも凄い。というか、人間の脳も実は同様の処理をしている可能性って、普通にありますよね…(笑)

 数か月、グーグルAIを回してみて最も有用と思えた利用法は、「分からない事を質問する」のではなく、
「何か創作する際のアイデアのヒントを貰う」「作品の完成品に関して、知識面で間違いがないかをチェックする」といった創作活動における助手的な使い方だと思いました。つまり、人間がチームリーダーとなり、ちょっとしたアイデアが欲しい時AI助手に助言をもらう。一応完成したアイデアをチェックしてもらい、間違ってるところはないか、足りない部分はないかといった部分のフォローしてもらう。これらの点で、AI助手は有能だと思いました。管理人のように、創作レポートを作る人間にとっては、えらく都合が良い。
 んで、今回のレポートは、その有能な助手(笑)と相談を重ねて作ったものです。美味しい料理や酒の具体的な効能は何が適切か?酒の醸造の具体的な工程はどんな感じか?その工程を魔法で一瞬でやった場合、懸念される事は何か?などなど。AI助手に何度も角度を変えながら質問し、回答の共通点を探り当ててルール化しました。

 世間では、いずれAIが人間の仕事の大半を奪って、失業者で溢れかえるとか言われていますが、そもそも「仕事しないで生きていけるなら、その方が基本的に良い」んですよ。余った時間を別の事に使えますから。そうやって人類は文明を発展させてきたんですから。
 ひたすら「職を失う~(涙)」って嘆いてる人って、基本的に生活じゃなくて「やる事」を奪われる、一所懸命やって頑張ってる「生きがい」を喪失する事に、本能的な生体拒否反応を示しているだけかと。要するに「働いてないと生きてる実感が沸かない社畜系人種」というわけです。管理人の1世代前の親の世代が、まさにそんな感じです。
 AIがこれまで人間がやって来た単純労働を管理できるなら、やらせとけばいいです。そして人間はタダ飯を食らいつつ、より上位の「企画」の立ち上げに専念する。ここから先、人類の文明は一般庶民レベルでインテリジェンスである事が求められるのでしょう。インテリである限り、仕事はまだまだたくさんあります。

 確かに知識に関しては、背後に膨大なデータベースが控えているAIは、人間以上のものを持ってます。ですが、そもそも何かを始める(目的を与える)事、ぶっ飛んだ発想で新しいものを作るには、やはり人間が必要です。その過程で、AIのフォローが役立つでしょう。

 …というわけで本題。


(魔法を利用した調理と醸造)
 料理に関しては、食料系呪文が介入できることはごく少ないです。《調理》の呪文はごく単純な加熱処理しかやってくれませんし、素材を下処理してくれるような呪文もありません―――せいぜい《食料浄化》で食べると危険な部位を取り除く程度です。
 なので、できる事はせいぜい「完成した料理を保存する」ことくらいです。あと、料理じゃなくて食べる側の味覚を変えたり、そもそも食べなくて良いようにしたりと、食料系を名乗るくせに、食料自体に介入する手段が実はあんまりなかったり(笑)
 一方、酒の醸造に関しては、割と細かく操作が行えます。ただ《水を酒》で液体をエタノールに変換するだけでは大した酒は造れませんが、ルールにあるように、具体的な下処理が可能なので、良質の素材を用意した上で、絶妙な下処理を行った後、アルコールに変換する事で良い酒を作るという工程を疑似体験できます。

 …いずれにせよ魔術師自身も〈調理〉技能がないと、お話になりませんが。

 高品質のこれらの効果は、①臨時の作業用パワーストーンを得る(疲労点+1~2点) ②「意志の強さを得る」の2点です。単純ながらも損はしないバフ効果だと思われます。


(24の勇者隊 再び)
 かなり前のレポートで登場した古きダンジョン探索ゲーム「ダンジョンマスター」の面々ですが、個人的には割と気に入ってる連中なので、二度目の登場となりました。以前レポートを書いた時は、武戦士の流派とか今回の調理のルールといった概念が存在しなかったので、今回はそれらありきで再設計しています。

イアイドー
 武戦士の流派のうち、天落轟破流が対モンスター戦において特に有利である事は、設計段階から分かっていたので、今回、(なぜか)モンハンのジンオウガ相手にそれを使ってみました。「フェイントからの攻撃」が格闘動作に入ってるため、これが「よけ」の高いジンオウガには特に有用です。また、「刀の練達者」の特徴などで威力重視の流派でもあるため、装甲の厚い敵に対して有利になる事が多いはず…というわけで、これらの要素が全部刺さりました。HPの半分以上を、イアイドー1人で削っています。

ウー・ツェ
 感情的ですぐ沸騰する、情に脆いといった特性を持つ事から、「ウィザードなのにバフ呪文がない」という、とんでもない異端な呪文編成の彼女ですが、料理と酒を造る能力を持たせる事で、一応のバフ支援が行えるようになりました。エリクサーだと金と時間がかかりすぎるので、料理と酒くらいでちょうどよい感じです。
 なお、彼女は極度の寂しがり屋から、新しく得た仲間たちを家族同然に思い―――手放せなくなったところからスタートしています。結局、イアイドーにプロポーズ(?)される事で、ようやく「安住の地を見つけた」と感じ、ある程度の平静を得られている状況です。

 イアイドーとウー・ツェの関係は、別作品で例えるとジブリ作品「未来少年コナン」に登場した「終盤のダイス船長とモンスリー女史」です。気分屋で計画性に乏しいが、決める時は決めるダイス船長と、堅実で有能で意識高い系のしっかり者だけど、感情面で振り回されて「バカね!」を連発するモンスリー次長。放送されていた当時、主人公のコナンとヒロインのラナそっちのけで、この二人の関係に熱中していたものです。
 …なんていうか、モンスリーってグラマーというよりムチムチというか。そこはかとなくエッチな体の女性で、多分、当時このアニメを見てた同世代の男子の多くは、清廉潔白で聖女に徹しているヒロイン・ラナよりも、女性らしい身体と人間らしさを取り戻していく成長型のモンスリーの方に惹かれたんじゃないかと。
 当サイトのウー・ツェもモンスリー女史を見習って、同様の属性をもたせています。

ティギー
 当サイトでは数少ない絶滅危惧種「幼女」です。今回は「射撃呪文の改変ルール」の最終確認のつもりで、元々は素質1だったのを、敢えて3に上げるという改造を施しています。
 実際に動かしてみると、やはり射撃呪文を実戦投入したければ、この改変ルールを使わないと選択肢には入らないな…と実感します。…ということで、そろそろ当サイトのハウスルールとして正式に採用するつもりです。これで、「頭はアレだけど魔法の素質だけは凄い」とかいう、アニメでよくある天然系の魔法少女に実用性を持たせて出す事ができるようになるでしょう(笑)

ヒッサー
 イアイドーと同程度の致傷力を持ちつつ、高い防護点を持つタンカーです。改造と言えば、意志の強さを削った代わりに敏捷力を底上げし、命中確率を90%(目標値14)まで引き上げたくらいです。
 あと、何気に電撃耐性が高く、ジンオウガの3D-3の電光が命中した際も、「金属鎧の防護点1点」+「魔化による強化2点」+「鱗による生体装甲1点」により高い耐電性を発揮。おかげで、わずかなダメージで済んでいます。

 …まぁそれより、酒造りの場面でウー・ツェの「予備バッテリー」として活躍したのが、功績としては一番大きいかも(笑)


(雷狼竜ジンオウガ)
 ゲーム「モンスターハンター」からの出馬。みんな大好きジンオウガ!

 …ジンオウガにした特別な理由は特になく、見た目かっこよくて魔法を行使する巨大モンスターで良いものを考えたら、3秒くらいでこれが思いついたので、もうルナルでも出しちゃえ!というわけで出しました。
 実は、最初は「妖獣」(黒の月の波動の影響を受けた霊獣)の予定だったのですが、生態系を考えていると、妖獣よりは緑の月の波動の影響が強い霊獣の方がいいか?ということになり、そちらにシフトしています。まぁ、妖獣も霊獣の一種ではあるんで、そんなに差はないんですが。

 グーグルAIに「ジンオウガの自家発電で落雷が窒素固定を促す仕組みと同じ現象が発生して、結果として大自然の恵みをもたらす霊獣という立ち位置は可能か?」と問い合わせたところ「鋭い!窒素固定による肥料効果と電流による代謝速度向上により、そういう仮想モデルは十分可能です!」…との事だったので、そういう事にしました。
 「ガープス・ルナル完全版」のモンスターのページには、青の月のジェスタの波動を強く受けた霊獣ヒュービーという例もあるので、じゃあジンオウガは緑の月の波動にしようってなわけで、なし崩し的にルナル版ジンオウガの設定も完成します。

 戦闘中の行動は、モンスターハンターライズ・サンブレイクに登場するジンオウガの標準個体の動きを見て、それっぽい動作を内蔵しています。基本的にジンオウガはディレイを使ったフェイント格闘動作が得意らしく、必ずワンテンポ遅れて攻撃を出してきます。これは意図的なもののように見えるので、「じゃあフェイントが得意な事にするか」ということで、技能+4でフェイントを使います。
 電撃系の各種生体能力は、なるべく簡素なルールで再現すべきだと思ったので、マジックやグリモアから一番近い動きを持ってきました。雷光虫を飛ばして射撃を行うのは《電光》、放電状態になるのは《電気の鎧》、モンハンのモンスターが開幕あげる咆哮は《恐怖》といった具合に、それっぽい魔法系攻撃は全てマジックの魔法で表現しています。

 なお、グリモアは持ってない人が大半だと思うので、簡易表記でデータを紹介しておきます。こちら↓
電気の鎧 ―――――通常
 目標は電気を身に纏います。パンチ、キック、金属武器による攻撃に、電気による1点の追加ダメージが発生します(おそらく《電撃武器》の「金属鎧の相手には最低でも1点のダメージを与える」の部分的適応だと思われます。攻撃が命中さえすれば、たとえ防護点で防がれてダメージを与えられずとも、電撃により問答無用で1ダメージが入るという処理です)。
 また、敵が金属武器で目標を攻撃すると、武器を伝って逆に1D-1の電気ダメージを与える事ができます。攻撃者はこのダメージを回避する事はできません。ただし、武器の柄の部分(通常は木造)がある場合、この効果は発生しません(ぶっちゃけ剣とメイスに特化した効果)。
 さらに、目標をつかんだり、逆に目標に捕まれた場合、3D-3の電撃ダメージを与えますが、同時に呪文の効果が即座に切断します(体当たりによる接触でも起きる可能性あり※)。
■持続時間:1分 ●消費:7・4 ★前提条件:素質1+《電光》+《防電》

※今回のジンオウガは、途中で呪文を解除されるとかえって不都合なので、つかみかかりや体当たりによる電撃ダメージ(+効果強制終了)は発生しない事にしています。これは、ジンオウガ自身が電流をコントロールして、敢えてショートしないようにしている…と解釈して下さい。
 ちなみに、最初は100cpのキャラクター4人(モンスターの項目で登場した桃音モモ一行)で戦って見ましたが、一応勝つ事は勝ったのですが、勝負に延々と30ターンもかかってしまい、死ぬほど長かった事もあり、これは実践レポートとしてはあまり有用ではないな?と判断して却下しました。レポートの目的は「ジンオウガとの命がけの死闘!」…ではなく、料理バフの有効性を証明するものにしないと意味がないので。
 勝負が30ターンもかかったのは、単純に「PC側の攻撃力不足」でした。桃音モモたちは防御力を最優先に置き、攻撃は投擲武器という編成で、確かに100cp帯で巨大モンスターに挑むには最適な戦術だと思われますが、やはり火力不足が深刻過ぎました(初期データではジンオウガは受動防御3、防護点4と低めでしたが、それでも不足)。

 そのため、急遽150cp帯の連中に切り替えする事になり、選別の結果、ダンジョンマスターのウー・ツェたちがちょうどよさげな感じだったので、再抜擢されることに。彼女らのパーティーの前衛は軒並み3Dダメージな上、武戦士のイアイドーは全力攻撃もせずにフェイント動作込みで攻撃を放てるため、今度は逆にジンオウガが一方的にボコボコにされるハメに(笑)
 結局、レベルデザインと称して各ステータスをいじり倒した結果、現在のジンオウガのデータに収まっています。おそらくこのデータだと、100cp帯(桃音モモたちなど)で倒すのはかなり困難だと想定できますが、みんな大好きジンオウガが弱いのもアレなんで、もうこれでいいや…って事に。

 なお、巨大モンスターの強みは「踏みつけや蹂躙により、通常の攻撃判定を介さずに英雄に攻撃できる事」でして、150cp帯のPCともなると能動防御、特に武器での「受け」が高くなりすぎて、普通の鉤爪攻撃とかは通らなくなるんで、そういう時こそ体当たりで問答無用で押し倒し、踏みつけで「よけ」以外の能動防御はさせない方向でいけば、英雄PC相手でも十分やりあえます。
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