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● サンプル・キャラクター(彷徨いの月)
 以下は、改変ルールに則って作られたサンプル・キャラクターです。100cpでプレイヤー・キャラクターを作る際の参考にして下さい。なるべく単純化したつもりですが、防具魔化呪文が施された強力な魔法の鎧など普通に着用していたりと、そこそこマンチキン気味に作成してあります。
【設定】
 ミュルーンの若い傭兵です。
 彼は、どちらかというと定住気質であり、グラダス半島内での傭兵家業を営んでいましたが、トリース森林共和国で空挺レンジャー部隊(ミュルーンで編成された降下猟兵部隊)に抜擢されて以降は、同稼業で契約更新し続けたため、トリース領内にほぼ定住状態でした(人間から見れば転勤だらけの人生ですが、ミュルーン的には同国内でしか転居していない=ほぼ定住に近い感覚です)。

 そんな彼ですが、ある時、街で通りすがったべっぴん(美人)ミュルーンに一目惚れしてしまい、彼女を追って旅する事にしました。しかし、今まで銭稼ぎ(仕事)一筋で恋愛も育児も経験してこなかった彼は、自分にあまり自信がありません(体毛色が地味な配色なのも自信がない一因だったりします)。
 ミュルーンにしてはあんまりおしゃべりな方ではないので、魅力的なトークで気を引こうと話芸のコツなども習いましたが、これ(〈話芸〉10レベル)で女性の気を引けるかどうかは微妙なところです。一方、社会的に見れば貢献度の高い優秀なレンジャーなので、そこをアピールしていく方が無難かもしれません。

 実力はあるのに自信のない彼の旅は、今日も続きます。

【性能】
 「飛行可能なレンジャー」として設計されています。「地味な体毛」により、〈偽装〉と〈忍び〉に+1修正を得ています。なお、ミュルーンは飛行中に足しか使えない身体構造であるため、空中戦は想定してません(一応、技能レベルを高めて、空中戦もできるようにしてますが、「器用な足」を取得していないので、命中判定に-4修正がかかります)。飛行は移動手段と割り切り、優位な位置へ素早く移動する/即座に撤退することだけに利用します。
 白兵/射撃戦闘の両方に対応しており、技能レベルが高く、体力もギリギリ戦士として合格ラインなので、それなりに戦えるはずです。ただし、「我慢強さ」もなければ生命力も平均値なので、なるべくクロスボウでの射撃援護に徹するべきです。

 その他、各生存術系技能を一人前レベルで習得しており、普通のサバイバルであれば十分な性能を備えています。ウィルダーネス・アドベンチャーで活躍できるでしょう。
【設定】
 半身が馬の、若いギャビット・ラーの傭兵です。
 彼は走って弓を射るのがとても好きだったため、それが世間でも通じるのか、腕試しするために外の世界へと旅立ちました。狭い部族社会では競争相手に欠くので、退屈していたのです。
 そして広い社会に出た結果、「自分は種族特性によって辛うじて優位性を保ってるだけで、純粋な弓兵としてはまだまだだ」という事を知ってしまいます。この世界には、彼を上回る弓使いがごまんといる。これでは到底自分を誇れない…自信過剰な彼がそう思ったのですから、相当な挫折だったのでしょう。

 修行を決意した彼は、あれこれ手段を模索するよりも、愚直に鍛錬を重ねていった方が結果的に近道だと考えます。そもそもギャビットは種族的に怠惰な傾向にあり、好きな事もそれ用に時間を割いて鍛錬する概念に乏しく、その場の勢い(やる気)だけでなんとかする根性論に偏りがちなところがあります。
 ですが実力をつけるには、とにかく試行回数を増やして経験値を稼ぐしかありません。そう考えた彼は、「種族的に訓練へのモチベが保てないのなら、実戦に身を置いて自分を追い込み、経験を積むしかない」と考え、積極的に紛争地帯の傭兵に志願して腕を磨こうとしました。

 しかし、ここでまた意外な事実に直面してしまいます。現在のグラダス半島は比較的平和であり、「戦争」という狭い枠組みではあまり実戦経験を積めない現実を知ったのです(退屈な見張り業務ばかりで死にそうでした)。
 そこで彼は、平和時でも自ら危険を買って出る「冒険者」という酔狂な存在を知り、敢えてこの「愚かな」道を目指す事にしたのです。

【性能】
 弓騎兵としての性能に特化しており、全力で走って良いポジションを確保し、そこで弓矢で標的を射る→敵が近接してきたら全力で逃げるといったスタイルで戦います。
 ロングボウの矢は、《豊穣の角》が魔化された矢筒で無限化してありますが、弓自体が壊れた時に備え、予備のスリングを所持しています。こちらの腕は月並みではありますが、威力的には弓矢と比べても遜色ありません。

 種族特性を戦闘に生かす方法としては、背中に体重の軽いキャラクターを載せる程度であれば、載せながら通常通り弓騎兵戦闘を行う事も可能(荷物と合わせて50kg以下の人物ならば直進移動力10をキープ可能)なので、ミュルーンやシャロッツなど体重の軽い種族の弓兵を載せてダブル移動砲台と化す、といった奇策も考えられます。
 また純粋に、負傷して動けない味方を運搬しながら移動・戦闘がこなせるキャラクターとしても活動可能です。

 種族的に知力が低いので、知的活動は期待できませんが、〈航法〉と〈生存〉技能は12レベルあり、ナビゲーション(航行)能力に関しては実用レベルに達しています。屋外を旅する状況下では、斥候として活躍できるでしょう。
【設定】
 フェリアの心霊術師です。
 故郷の森でのんびり暮らしていたのですが、ある時、彷徨いの月の種族全般を研究しているペローマ神官の人間の青年が村にやってきたところから、話がややこしくなります。彼はフェリアの生態を観察していたのですが、好奇心から研究に付き合ってる内に、やがて彼に対して恋が芽生えてしまったのです。

 相手もそれなりに自分を好いてくれてるのは(別にテレパシー能力を使わずとも)分かるのですが、所詮は異種族、しかもサイズが全く異なる事から、さすがにこの関係を恋愛に発展させるのは無理がありすぎました。
 そこで彼女は、何とか魔法の力で人間サイズまで巨大化し、彼とちゃんと恋愛したいと願うようになります。そしてその手段を求め、冒険者になろうと決意したのです。

 ルナルにおける〈源人の子ら〉は、信仰する月を変えればその種族になれるのですが、そんな簡単に生まれつきの信仰(=慣習)を変える事などできませんし、人の時間感覚で肉体の変化を待つのは長すぎます(最短でも数十年はかかると言われています)。なので、一瞬で種族変更できる魔法的な手段を求め、彼女は旅立ちました。
 はたして、そんな都合の良い手段がこの世に存在するのでしょうか。

【性能】
 フェリアはサイズが小さい事から、特殊な手段を使わないと白兵戦が困難な種族です(具体的にはセルティック種のフェリアでないと無理です)。なので彼女は、「月の賜りもの」の使い手に特化しています。フェリアの「賜りもの」はテレパシー系の能力なので、情報収集面で非常に強力にサポートできます。

 ただし、当サイトのルールでは「月が出てる時じゃないと賜りものが使えない」となっているため、月判定で失敗(確率3分の1)すると能力が使えなくなります。そのため、賜りものに特化した彷徨いの月の種族は戦力的に非常に不安定であり、彼女もその例にガッツリ当てはまります。能力が使えない場合、せいぜい飛行能力による偵察か、〈言いくるめ〉〈演技〉などを駆使した情報収集くらいしかできない事に注意して下さい。

 一応、戦闘力として「誘眠」の能力を持っており、しかも範囲に影響するので、上手く固まってる敵集団に対して放てば、不利な戦況をひっくり返す事も可能かもしれません。
【設定】
 シャロッツの探検家です。
 彼は幼少期に事故で両親を亡くし、叔父の元で育ちました。その叔父はちょっと変わり者で、好奇心の赴くまま放浪の旅に出る癖がありました。そして、叔父が持ち帰った土産話を聞いている内に、彼自身も冒険に出たいという衝動に駆られ、成人してから旅に出る事にしたのです。

 彼はシャロッツにしては慎重であり、どちらかというと学者肌なイメージの方が強く、冒険の詳細を記録として克明に残すという、人間のシャストア信者とペローマ信者を混ぜたような趣味がありました。そして彼は、自身が体験した冒険を1冊の本にまとめ、物語風の資料にしようと考えています。

 彼の冒険先は主に遺跡なので、冒険者という職業にぴったりです。戦闘の腕はイマイチですが、ナビゲーションや探索能力は高いので、それを売りに旅の仲間を探しているところです。

【性能】
 〈強靭精神〉と〈生存/草原〉が15レベルである以外は、可能な限り「技能レベル13」になるように技能CPを割り振っています。ほとんどの行為を目標値13(成功率84%)で判定できるようにしてあります。
 戦闘に関しては、「炎の壁」(パイロキネシス)で敵との間を炎で塞いだ後、クロスボウで射撃するといったスタイルになってます。もっとも、炎の壁は雑魚をビビらせることはできても、強豪の進撃を止めるほどの抑止力はないので、基本的に仲間の後ろから火力支援する形で戦う事になるでしょう。といっても、《弩》も「炎の壁」も13レベルなので、さほど戦力にはならないでしょう。

 どちらかというと彼の真価はサバイバル能力と探索能力です。〈生存〉技能は-3修正で他の〈生存〉の技能なし値として使えますので、15レベルある彼は、おおよそどの地形でも12レベル以上の能力を持ち、高い適応性を発揮します。また、鍵開けや罠解除といった遺跡探索に必要な技能も標準レベルで備えているので、冒険者の盗賊という立ち位置で活躍できるはずです。
 なお、書籍を書くための〈吟遊詩人〉〈記録〉〈絵画〉の技能も各13レベルあるので、書記官としてもかなり有能です。
【設定】
 ディワンの傭兵で、人間社会では裏社会で主に夜襲の仕事を請け負っています。
 彼が地上に上がろうと思い至ったのは、水中には存在しない甘味物の味を覚えたからでした。海中では辛い食べ物しか存在しないため、甘い食べ物に感動した彼は、何とかそれを継続購入したいと考えるようになりました。
 しかし、ルナルにおけるディワンと地上の人間の交流はごく最近の話であり、貨幣経済が浸透していないため、地上の仕事で外貨を獲得して購入するしかなかったのです。そこで、地上でディワンが出来る仕事を探したところ、水中から襲撃をかける特殊部隊という案件があったので、彼は傭兵としてその稼業に就く事にしました。

 傭兵として成功し、望みがかなった彼ですが、今度は甘い辛いにこだわらず、人間たちの料理文化に興味を持ち、様々な料理を食べてみたくなりました。そこで彼は、河川に沿って回遊しながら地上を旅し、各地の料理店を渡り歩くことを模索し始めます。
 ただし、その過程で(レストランで食事するための)路銀を稼ぐ必要があるため、行商の護衛など移動して稼げる冒険者という職業に目をつけ、今度はそちらに転職しようとしています。

 さすがに、PCとして使うのは厳しいキャラクターかもしれませんが、水中遺跡などで一時的に同行する味方NPCとして登場させると面白いかもしれません。

【性能】
 現代地球で言うところの潜水艦に近い運用をします。海や河川を使って移動し、上陸して奇襲をかけるといった具合です。ただし、ディワンは種族的に地上での行動に-2修正があるため、武器レベルを高めに設定しています(能動防御も下がるので注意)。
 なお、地上では水圧による威力減衰がないため、「振り」攻撃が可能な小型クラブで戦い、怪力を最大限に生かそうとします(〈剣〉技能を持つのはそのため)。また、小型クラブは非金属なので水中で持ち歩いても錆びたりせず、ディワンのような水陸両用ユニットには非常にありがたい武器と言えます。

 一応、本職である海洋ユニットとしても運用可能で、独自武器であるティールティやガリキシャは水中でも威力減衰しない設定なので役立つでしょうが、そもそも水中戦闘自体、ガープスではあまり好まれません(ディワン以外のPCはほとんど戦力外になるためです)。なので、水中はあくまで移動ルートと割り切り、陸上での運用メインで考えた方が良いでしょう。
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