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● ゴブリン |
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[ゴブリン種族セット] (10cp) 体力-1、敏捷力+1、知力+1(+10cp) 暗視(+10cp)、鋭敏感覚2レベル(+10cp) 魔法の素質1レベル(15cp) 盗癖(-15cp) 原始的1レベル(-5cp) 文明レベル2。扱える装備に制限あり。 強迫観念/魔法に対する偏愛(-5cp) テクノロジーよりも魔法に執着している。 読み書きができない(-10cp) 一般のゴブリンは読み書きを習わない。 *身長は同体力の人間の6割、体重は5割。 |
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■種族概要 |
ルナル世界で黒の月の種族と言うと、そこそこ数が多く、悪知恵の働くゴブリンが最も有名な存在です。ゴブリンは、現存していないシャロッツに似た彷徨いの月の小人族が、歪みによって変化したと言われています。 体格は小さくやせ型で、目がぎょろりと大きいのが特徴です。耳もエルファのようにとがっています。皮膚の色は茶色か緑で、体毛は薄く、手の爪はやや大きいです(データ的に特に有利なほどではありません)。夜目が利くので基本的に活動時間は夜ですが、昼間の行動も特に支障はありません。寿命は人間と同程度です。 性格は業突く張りで、盗めるものなら何でも盗んでしまいます。それは物品に留まらず、知識や技術といった抽象的なものにまで及びます。彼らの基本的な考えは「必要なものはあるところから盗んで来ればいい」です。 また彼らは、魔法に対して強い興味を示しており、ほとんどの成人個体が呪文を1~2個習得しています(魔獣王からの啓示による暗黒魔法)。種族的に「魔法の素質」を所持して生まれてくるため、ゴブリン部族内では習得している呪文の数の多さで地位が決められます。 彼らはそこそこ頭が良く、ゴブリン化する以前の文明を引き継いでおり、弓矢や鉄器、スケイル・アーマーあたりならば生産できます(文明レベル2)。しかし基本は、人間社会などから強奪した物資を優先的に使うため、自発的に生産する事などほとんどなく、盗んできた中古品やゴミ捨て場にあったガラクタを修繕してリサイクルするのが主流です。 また彼らは、技術を仲間同士で教え合う事はしません。技術は、部族内での自分の地位を保つために必要なものであり、それを無償で他人に教えるなど、自分の地位、ひいては生存を危うくするだけの愚かな行為と考えます。 もっとも、<悪魔>戦争から1000年以上も立った現在では、そうした考えも形骸化しており、実際は「弟子を取って師匠の作業を盗ませる」ように仕向けています(あくまで「盗む」という形態にはこだわる)。人間、ドワーフとの勢力差がここまで付いてしまった現在、とりあえず職人の人数を増やさないと生産力の差で負けてしまうことに、頭の良い彼らはさすがに気付いています。しかし、種族全体で積極的に情報共有し、全体を強くして文明力を高めようという発想は、ゴブリンの価値観からは相変わらず縁遠いものです(さらに魔法への偏愛が、テクノロジー発展へのモチベーションの妨げになっています)。 たいていのゴブリンは、険しい山奥や大きい洞窟内に100人前後で群れて生活しており、 狩猟採取生活と略奪行為で生計を立てています。 人間の山村を奪って自分たちの村にすることもあり、こうして奪った村は通称「ゴブリン村」と呼ばれ、黒の月の種族にとって文明を維持するための重要拠点となっています。その際、捕虜にした人間は貴重な技術者なので、通常は殺さず奴隷にします。一方、使えないと判断された人材は、魔獣王への生贄の儀式のネタにされます。 なお、そうした村では、奴隷によって農場が経営されるようになるため、食糧供給面で安定し、そこそこの戦力を保持する事が可能になります。しかしそうなると、人間の国家の討伐対象になってしまうわけですが… 彼らの大半は25CPで作られ、優秀な個体でも50CP程度です。稀に100CPで生まれてくる英雄は、狭義のソーサラーに転向して部族の王として君臨し、複数の部族を率いる大王を目指します。 ■■ 種族に多い特徴 業突く張りなだけあって収集欲が強く、「強欲」で「けちんぼ」な個体が多くみられます。また、どこかに何か有用なものは落ちてないか?と探す癖が転じて「好奇心」となり、どこでも徹底的に調べ尽くさないと気が済まないといった者もいます。 山賊など強盗をメインで生計を立てる者には、敵に対して情け容赦ない「残忍」な個体もみられますが、一方で頭の良いゴブリンは知識や技術といった抽象的なものにも価値を見出すため、人間などを捕まえても殺さず、軟禁状態にして知識を学ぶための「教師」として使う事があります。敵をすぐに殺してしまうような者では、部族内での出世は難しいでしょう。 なお、ゴブリンは他人に教える風習などないので、通常は「読み書き」もできません。しかし、ソーサラーと化した優秀なゴブリンは邪術具の<悪魔>から直接教わり、普通は読み書きできるようになっています(ソーサラーの項目を参照して下さい)。 ■■ サンプル・キャラクター 雑魚敵NPCとして用いられる一般的な個体のサンプルを挙げておきます。 |
■ ゴブリンの山岳猟兵 (総計25CP) | |
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ゴブリン/男 15歳 身長102cm 体重34kg ■■ 能力値 (30cp) ST9(0cp) DX13(20cp) IQ11(0cp) HT11(10cp) ■■ 特徴 (10/-45cp) ゴブリン種族セット(10cp) 狭量/よそ者(-10cp)、強欲(-15cp)、けちんぼ(-10cp)、放火魔(-5cp)、癖(-5cp) |
■■ 技能 (25cp) 弓矢(4cp/Lv13)、準備/矢(1cp/Lv13)、ナイフ(1cp/Lv13)、格闘(1cp/Lv13) 水泳(0.5cp/Lv12)、跳躍(0.5cp/Lv12)、登攀(1cp/Lv12)、ランニング(0.5cp/Lv8) 生存/山岳(1cp/Lv10)、地域知識/地元(0.5cp/Lv10)、追跡(1cp/Lv10)、動植物知識(2cp/Lv10) 戦術(0.5cp/Lv8)、偽装(0.5cp/Lv10)、忍び(1cp/Lv12) [呪文] 韋駄天(4cp/Lv12)、べたべた(4cp/Lv12) ■■ 装備 総重量6.7kg(無荷) 所持金170ムーナ ショートボウ($50 1kg) Lv14 刺し1D-2 抜撃ち12 正確さ+1 射程90/135m 矢筒($10 0.2kg) 矢($2)×10 大型ナイフ($40 0.5kg) Lv13 切り1D-3(長さC,1)/刺し1D-2(長さC) ソフト・レザー($210 5kg) ■■ 身体能力 格闘:パンチ/キック Lv13/11 叩き1D-3(長さC,1)/叩き1D-1(長さ1) 移動力=7 能動防御=よけ:6/受け:5(格闘:8)/止め:- 受動防御/防護点=1/1 |
【設定】 山奥のゴブリン村に住む、一般的なゴブリンです。主にサバイバルに長けており、一族の食糧の確保を行っています。また、魔獣王からわずかばかりの魔法を授かっており、《べたべた》の呪文で足止めが行えます。 このキャラクターは、ある程度のカスタマイズができます。 習得呪文を《空気浄化》《悪臭》や《発火》《火炎》にすることで、範囲にダメージを与えられるキャラクターに変更できます。また、《恐怖》《パニック》に変えれば、知性の低い動物相手なら追っ払う事ができるようになります。 その他、《念動》《浮遊》で移動力を確保したり、《視覚強化》《鷹目》で射撃精度を上げる事もできます。GMは必要に応じて習得呪文を個体ごとに変えていくと、あれこれ戦術を立てることができるかもしれません(《べたべた》で足止め→《火炎》と《悪臭》でダブル持続ダメージとか)。 基本的に、まともな武装をしている100cpの戦士系キャラクターであれば、武器の致傷力が低いため、ほとんど脅威となりません(小動物を狩って食糧を得るキャラなので、対人戦はあまり得意ではありません)。ただし、他の仲間と集団で押し寄せてくると、呪文連携されて、不覚を取る可能性もあるでしょう。 |
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[原作からの変更点] ゴブリンは、黒の月の小隊指揮官のような立場であり、また優秀なレンジャーでもあります。ただ恐怖と破壊をまき散らすだけの暴力的な悪党ではなく、特殊詐欺に手を染める知能犯の色合いが濃く、悪党としてはあまり過激な方向では動きません。 そのため、原作ルールでは種族的に「直情」だったのですが、これは「盗癖」に置き換えています。黒の月の歪み方としては、こちらの方がゴブリンのイメージに合ってると思われる上、「待つ」事を知らないような種族に指揮官が務まるとは到底思えないので、変更した方が無難でしょう。 そしてこの特徴は、ゴブリンたちが文明を発展させられない最大の理由としても使えます。自分で開発しようとしないで、ただ他人が開発した物を奪う事しか考えていない人種というのは、どう頑張っても大成はしません(最先端技術を自身で組み立て、熟知して使ってるわけではないので)。 また、魔法への偏愛も文明が発展しない理由として使えます。彼らは<悪魔>戦争自体の魔法使いたい放題の環境で、魔法の魅力を十分に味わったため、その時の記憶が世代を超えてもなお、忘れられないようです。これは同時に、テクノロジー発展へのモチベーションの低下も招いています。なお、原作の種族セットには入ってなかった「魔法の素質」も1レベルだけ入れておきました。これで大抵の呪文系統をかじる事ができるはずです。 ゴブリンのうち、CP総計が100以上の英雄個体は通常、ソーサラーに転向します。だいたいはゴブリン社会で長になりますが、人間社会に入り込んでいる個体もちらほらと見かけます。人間社会の表には決して出てきませんが、裏社会では闇タマットでゴブリン・ソーサラーを雇っている部署も、それほど珍しくはありません。 もっとも、街中のゴブリンは人間出身のソーサラーと同じく、軽挙妄動とは縁がありません。用心深くないと、闇タマット所属とはいえ人間社会に混じる事は難しいでしょう(ガヤン神殿騎士に見つかれば問答無用で殺されるからです)。 ほとんどのゴブリンは、人間が立ち入らぬ辺境の山奥で、主にオーク種族を奴隷として狩猟・採取を基盤にしつつ、たまたま通りすがった他の月の種族から略奪しながら生計を立てています。ゴブリン村単体では、人間の町に攻め入れるほどの勢力にはなりません(文明レベル2しかないので装備面でも大きく劣ります)。 たまに生まれてくるゴブリン・ソーサラーは、自分の出身村を基盤として、他の村をどんどん統合し、それなりの規模の勢力になる事があります。そうなると、黒の月の信奉者として人間の町に攻撃を仕掛けたりするようになります。 そして、ごくごく稀なケースですが、黒の月のエリートたるトロールの指揮官に恵まれたりすると、ゴブリン・ソーサラー本人は部隊指揮官や参謀に留まり、トロールを頂点とした闇の軍勢を作り上げます。そこまでいくと人間も王国レベルで動き始め、大きな戦になる事もあり得ます。 もっとも、双月歴が始まって以降、そのような大きな事例が起きたのは、ペローマ神殿に保存されている歴史年表をひっくり返しても、数えるほどしかありませんが。 |