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| ■第4節 蛮族 |
| ルナル世界における「蛮族」とは、「黒の月の眷属」の部族集合体を指す。彼らは〈悪魔〉戦争時代に黒の月信仰へと鞍替えし、肉体的に別種族へと変貌を遂げた邪悪な〈源人の子ら〉である。 ここでは、これら邪悪な種族を敵として出す場合のデータを紹介する。 |
| ■概要 |
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| ルナルにおける「黒の月の眷属」とは、一般的なファンタジー世界における「ゴブリンやオークといった邪悪な種族」と同じような存在であり、基本的にPCと敵対する種族である。 ■種族傾向 黒の月の種族の起源は、およそ一千年前に起きた〈悪魔〉戦争時代である。〈悪魔〉と黒の月の圧倒的な力に屈した〈源人の子ら〉の一部が、「配下になれば滅びを免れる」と考えて鞍替えを行ったのが始まりである。 彼らは「黒の月以外の種族を滅ぼす事に手を貸せば、自分たちだけは味方扱いなので助かる」と考えているが、〈悪魔〉と黒の月の最終目的は「自身も含む全ての滅亡」であるので、その考え自体が浅はかとしか言いようがない。しかし、「黒の月が他の種族の滅亡を達成するまでは、少なくとも味方である自分たちの滅亡は後回しになる」のもまた事実なので、滅亡の後回し(余命の延長)を願って黒の月を信仰している。 しかし中には、「万物の滅亡」を本気で願う者や、「自ら魔神と化し、破壊の象徴として君臨して見せよう」とやる気満々の邪術師など、黒の月の真の目的を知った上で、憎悪や復讐心を満たすためにマイナス方向に意識の高い連中も存在するため、他の月の信者と同じく、種族や個人によって、信仰の仕方や解釈も微妙に異なる。 だが、「どうせ滅亡するんだから、成長や発展のために時間を費やすのは無駄」「〈悪魔〉に祈って即物的に力を手に入れ、後先考えずにその場の快楽を求めて後はどうにでもなれ」といった、「諦めの感情」や「終末思想」といった根底思想は共通している。 このように、彼らにとって努力や忍耐、他人への気配りなどは無意味な概念であり、自ら創造性を発揮したり、集団のために貢献しようとする方向には向かわない。問題に直面しても「黒の月がもたらす強力な魔法で即物的に解決する」事を基本行動とし、味方は「自分が生き延びるための弾除け」以上の存在ではない。 そのため一部例外を除き、種族の文明レベルは〈悪魔〉戦争前のTL2の状態から停滞している。また、社会的に同族とすら利益の再分配を行おうとしないため、貧富の格差が酷く、社会は非常に短いサイクルで抗争と崩壊を繰り返している。 ■社会 黒の月の一般社会は、平均知性が高く人口もそこそこ多いゴブリンが実質支配階級として成立しており、彼らの下には無数のオーク種族が奴隷として仕えている。彼らは未開地の山岳地帯などの辺境で、ごく原始的な狩猟採取社会を営んでいる。こうした部族をゴブリン部族と言い、彼らが居を構える洞窟や廃村をゴブリン村と呼ぶ。 基本的な1つのゴブリン部族は、支配種であるゴブリンと奴隷階級のオークの二種で成立しているが、少数精鋭種族であるホブゴブリン、オーガー、ゲルーシャといった連中が、用心棒として彼らの部族社会に参加し、見返りとして補給物資や食料を供給される。 1つのゴブリン部族は、おおよそゴブリン20~100名、オークはその4倍程度(80~400名)で構成されている。同じゴブリン種族でも所属部族が異なると敵に近い関係であり、これらの部族同士は頻繁に縄張り争いのための抗争を繰り返している。 |
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| 比較的稀な事だが、ゴブリンの中から〈悪魔〉と契約を交わして強大な存在と化したゴブリン・ソーサラーが出現し、複数のゴブリン部族を1つにまとめ上げて「大王」となり、広大な領域を支配する事がある。 さらにごくごく稀な事だが、黒の月のエリート種族トロールがどこからともなく辺境の地に現れ、大王たるゴブリン・ソーサラーたちをまとめて「帝王」となり、一大勢力を形成する事がある。ここまで統一化が進むと、活動領域内には抗争相手がいなくなるため、次なる敵を求めて人間の領域へと外征を行うようになる。こうなると、他の月の種族と戦争が発生する事になるが、これは数十年に一度あるかないかの、かなり頻度が低いイベントである。 しかしその脅威も、建国帝たる「帝王」が死ぬと一大勢力は空中分解し、残党は辺境に引き籠って部族単位で分裂し、再び内部抗争に明け暮れる形で収まる事になる。 こうした抗争が繰り返されるさなか、抗争で敗北したゴブリン部族が辺境から逃げ出し、「はぐれ部族」として人間の領域に対して略奪を行うケースが時々発生する。 敗残部族のほとんどは、部族としてまとまるための最低人数しか残っておらず、大体は辺境の村を統治する騎士1人とその取り巻きである一族郎党の戦士部隊で対処可能な小勢力だが、稀に手に負えないほどの大規模部族が流れてきたりすると、騎士領をまとめる中央領主が本格的な騎士団を結成して派遣される事になる。 そして、こうした討伐部隊の結成までの時間稼ぎとして、少数精鋭で身軽な冒険者隊が雇われて対処を行う事が時々発生する。 |
| ■敵キャラクターの詳細データ |
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| 代表的な黒の月の種族(オーク、ゴブリン、ホブゴブリン、オーガー、ゲルーシャ、トロール)の主な兵種を紹介する。 |
| ●オーク |
| 最も数が多い種族で、主にゴブリン部族の奴隷階級として存在しています。種族全員が最低限の戦闘力と食料調達能力を有している一方、誰かの指示を仰がないと自立が難しいといった性質から、隷属するのが当たり前のようになっています。 文明レベルが低く、多様性を発揮して分業するほどの知性も文明も持ち合わせていないため、オーク=雑兵という認識で問題ありません。 |
| ●ゴブリン |
| 黒の月の主要種族の1つで、体格は小柄なので白兵戦能力はイマイチですが、頭が良く、種族全員が魔法を習得しています。また、群れを形成する性質から、黒の月における支配階級として君臨しており、大量のオークを隷属させて使役しています。 ゴブリンの大多数は野伏(レンジャー)ですが、鍛冶を担当する者、神託で族長を補佐する者、邪術師として君臨する者など、一部上位者の間で役割分担があります。 |
| ●ホブゴブリン |
| 他種族から「取り換え子(チェンジリング)」として生まれてくる少数種族で、白兵戦闘の技量が高い事から、ゴブリン部族の用心棒を務めています。一方、他人の管理には興味がないらしく、組織のリーダーになる事はありません。 種族的に生粋の戦士であり、他の職に就く事はまずありません。ただし、ごく稀ですが魔獣王から暗黒魔法を下賜され、魔法戦士になっているケースがあります。 |
| ●オーガー |
| 怪力を誇る巨人種族ですが、種族的に知能がかなり低く、他の知的種族を食べる悪食の性質を持つ事から、種族の大半は辺境の荒野で放浪生活をしており、黒の月の社会ですら受け入れられる事はありません。 しかし、「聞き分けの良い」(知能が高い)者も少数存在しており、怪力を生かして戦士となり、ゴブリン部族の傭兵として雇われているケースがあります。 |
| ●ゲルーシャ |
| エルファが堕落して変化した種族で、優秀な魔法戦士です。しかし、人数が少ない上に孤高気質であるため、強い個体ほど単独で動いています。ここでは紹介するのは、ゴブリン部族に用心棒として雇われている、比較的弱いゲルーシャの魔法戦士です。 なおゲルーシャ種族の邪術師ですが、トロールなど強力な指導者が現れた場合のみ、破壊の同志としてこれに仕えるケースがあるので、その一例も挙げておきます。 |
| ●トロール |
| 黒の月におけるエリート種族で、生まれつきの暗黒超英雄です。ごく稀に辺境にふらりと現れ、乱立する部族共同体を統合して1個軍団を作り上げ、人間社会に対して戦争を仕掛けられるほどの統率力を見せつけます。 ここでは、350cpで作られた若いトロールを紹介します。トロールとしては最低ランクですが、それでも100cpの冒険者が対処するのは困難です。序盤から出す場合、直接交戦しない理由を用意した方がよいでしょう。 |
| ■編成 |
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| 上記の連中が具体的にどんな編成でPCに立ちはだかるのか、それを解説する。 なお、数の目安は以下の通り。 ・ゴブリン1名につきオーク4名が奉仕する。 ・ゴブリン5名につき修繕兵か占術師1名が含まれる。この中の1人が「族長」となる。 ・ゴブリン5名につきホブゴブリン1名が用心棒として雇われる。 ・ゴブリン25名につきオーガー1名が用心棒として雇われる事あり(必須ではない)。 ・ゴブリン10名につきゲルーシャ1名が用心棒として雇われる事あり(必須ではない)。 これらは世界観に沿った「目安」なので、必ずしも縛られる必要はない。 ただし、背景設定を無視した偏りすぎている編成は、そもそもリアリティがない(存在自体が説得力に欠く)集団となる可能性があるので、そこは注意した方が良いだろう。 (トロール魔戦将軍5名がチームを組んで「戦隊もの」とか、規律正しいオーガー30体で編成されたパワーエリート部隊とか…) |
| ■はぐれオーク (少数) |
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何らかの事情でゴブリン部族からもはぐれ、少数で彷徨っている状態のオーク。優柔不断な彼らは、とりあえず食料を求めて徘徊している。相手より人数が多ければ、略奪目当てで襲い掛かってくるかもしれない。 ―――初心者ユーザーに戦闘レクチャーする際に、ちょうどよい相手だろう。 |
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[編成] ●オーク奴隷兵(1~10名) |
| ■独立チーム (少数) |
| ホブゴブリンやゲルーシャ、オーガーといった少数種族が、就職先のゴブリン部族を探す過程で移動中、遺跡などで冒険者とたまたま遭遇するといったケースが考えられる。 ―――軽く戦闘したいけど、オークの大群は管理がしんどいし、少しは歯ごたえのある相手が欲しいといった時などに最適な相手。 |
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[編成] ※以下から一つ選択。 ①ホブゴブリン戦鬼兵(2~6名) ②オーガー巨神兵(1~3名) ③ゲルーシャ闇衛兵(2~6名) |
| ■狩猟/調査チーム または部族の残党 (15~20名) |
| ゴブリン部族の狩猟部隊、または遺跡探索部隊。あるいは抗争に負けて族長もいなくなり、行き場を失って当てもなく放浪状態のゴブリン部族の残党など。 支配種族であるゴブリンの人数は、これを下回るとオークとの「主人と奴隷の関係」も成立しなくなり、それぞれが散り散りになってしまう。 ―――人間の村1つの戦力(騎士1人+一族郎党の歩兵部隊(2~5人))で対処可能なゴブリン集団の規模としては、この辺りが限界。冒険者であれば、それなりに歯ごたえのある戦闘が楽しめるだろう。 |
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[編成] ●オーク奴隷兵(12~16名) ●ゴブリン猟奇兵(3~4名) |
| ■敗残部族 (50~250名) |
| 抗争には敗れたが、比較的戦力を保持した状態で辺境から離脱したゴブリン部族。族長は健在であり、統率が取れている。冒険者1部隊が対処可能な相手としては限界に近い。ホブゴブリンやオーガー、ゲルーシャといった強力なユニット数は、冒険者側の戦力を考慮した上で、GMが自由に増減して戦力を調整すると良い。 ―――戦力的に見て、もはや村の騎士が対抗できる規模ではないため、町の領主が各辺境を治める騎士たちを集め、討伐隊を編成する展開になる。騎士団が集結する間、都合よく現地を通りかかった冒険者(PC)が雇用され、時間稼ぎを行うという展開が考えられる。 |
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[編成] ●オーク奴隷兵(40~200名) ●ゴブリン(10~50名) ゴブリン猟奇兵(8~45名) ゴブリン修繕兵またはゴブリン占術師(2~5名) ※この中の1人が族長 ●ホブゴブリン戦鬼兵(2~5名) ●オーガー巨神兵(0~2名) ●ゲルーシャ闇衛兵(0~5名) |
| ■ゴブリン部族 (100~500名) |
| 辺境における一般的な規模のゴブリン部族。だいたい100~200名で、ダンバー数(150前後)を超える事は稀。抗争に勝ち続け、羽振りの良い部族が例外的に拡張し続け、最大で500名ほどまで膨れ上がるが、ちょっとでも不景気になると即座に内輪揉めが発生し、複数の小部族に分裂してしまう。 ―――このレベルの部族は辺境では「勝ち組」なので、基本的に人間の領域に出てくる事はないが、冒険者の側が辺境の遺跡探索目的で彼らの領域に入る事があり、その際は注意せねばならないだろう。 |
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[編成] 敗残部族の戦力を倍にして適応する。 ゲルーシャ闇衛兵に混じってゲルーシャ闇騎兵も加わり始める。 |
| ■部族共同体 (5~10の部族からなる共同体) |
| ゴブリン・ソーサラーが発生した場合、1部族では収まらず周囲の部族を次々と統合し、最大で1500名規模まで膨れ上がる。 ゴブリン・ソーサラーが支配中の〈悪魔〉が、共同体の守護神として認定される。〈悪魔〉はゴブリンたちに実際に加護(呪い)が与える事で、共同体全体の結束力は大幅に強化される事になる。 ―――人間の領域に直接出てくる事はないが、共同体との抗争に負けた敗残部族が落ち延びてくる頻度が多くなるかもしれない。依頼が増えて、冒険者にはありがたいのかもしれないが… |
| [編成] ゴブリン部族5~10からなる戦力。総勢500~1500名ほど。 ●ゴブリン・邪術師(1名) |
| ■部族連合軍 (20~30の部族からなる共同体) |
| 覇道型のトロールが辺境に出現し、複数のゴブリン・ソーサラーの共同体を統合した結果、最大で5000名規模の連合軍団が成立し、人間の国家に対して本格的な戦争を仕掛ける事が可能となる。 もっとも、双月歴以降のルナル世界において、ここまで勢力規模が膨れ上がる事は極めて稀であり、大体は発展の途上で冒険者集団がヘッドとなるトロールを打ち倒して拡散する事になる(この規模まで膨れ上がるまでには、かなりの時間がかかる)。トロールの闇の軍勢が実際に人間社会に攻勢を仕掛けた事例は、歴史書には数えるほどしか記録されていない。 ―――トロールを宿敵とするキャンペーンを行う際に、こうした規模の連合部隊が構築されていく過程を演出すれば、ちょっとした英雄物語を展開できるかもしれない。 |
| [編成] ゴブリン部族20~30からなる戦力。総勢1500~5000名ほど。 ●ゴブリン・邪術師(3~5名) ●ゲルーシャ邪術師(0~1名) ●トロール魔戦将軍(1名) |
| ■本編 |
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| ■サンプル冒険者隊 『亡国の冒険隊』 -2nd Season- |
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| 第2節「邪術師」の項目で登場した、アリサ・ランディールを中心とする旧ザノン王国残党の冒険隊です(→こちら)。いくつかの冒険を乗り越え、150cpまで成長しています。現在はグラダス半島で冒険しつつ、帝国領パルマ市に帰るための力を蓄えている途上です。 今回、旅の途中で出会った臨時の仲間が一名加わっています。アリサの故郷パルマが存在する帝国よりさらに北、ルークス聖域王国領内に存在するタイバの森出身のエルファ女性で、アリサが酒場で拾ってきました。まだ若い二人は、酒場で武勇伝を語り合うという女っ気のない女子トーク(?)をしているうちに、意気投合して一緒に行動する事になりました。 パーティー編成としては、未完成品のアリサ(最終的には350cpになる予定)を残り二人の男性がフォローするという形式は変わっておらず、さすがにアリサも50cp増加して身体能力は向上していますが、150cpのキャラクターにしてはお粗末な戦闘力です。 また、新たに加わったエルファの魔法剣士ケイラは、白兵も射撃も可能なガチバトル向けパワータイプの魔法剣士で、これも力量不足気味で中途半端な戦力でしかないアリサのフォローとして加えられています。 元ネタは、株式会社SEGAのコンシューマゲーム「ファンタシースターⅠ」の主人公「アリサ・ランディール」を始めとする主役キャラクターと、株式会社カプコンのコンシューマゲーム「ダンジョンズ&ドラゴンズ -ミスタラ英雄戦記-」のエルフ2Pキャラクター「ケイラ・リムリック」です。 |
| ★ルール変更 ①扱う敵味方の数が多いため、通常戦闘ルールのヴァリアントを用います。 ②射撃呪文のパワーレベルに関するルール変更を試験的に行います。 |
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| [編集手記] ガープスは、時代劇のように雑魚集団をバッタバッタと斬り倒していくのに向いてないゲームです。25cpのキャラクターでも兵士に特化して作成すれば、100cpであれこれ理想のためにCPを無駄遣いしている(笑)キャラクターと、少なくとも対等にやり合えるだけの実力は備えられるんですよね。職業表にある「荒くれ」の条件―――体力13、主武器技能14レベルあたりを抑えておけば、後は「標準」の財産でスケイル・アーマーとミディアム・シールドでも備え付けとけば、だいたい前衛は務まります…後は、味方の人数を揃えるだけです。 そんな中、黒の月の種族というのは、ルナルにおける正義の味方(主に双子の月の人間、ドワーフたち)の「やられ役」として設定されています。別に、人間の兵士のようにガッツリとマンチキン作成もできなくはないのですが、世界観的に「黒の月は全体的に経済力がない」という弱点があるため、「財産」レベルを下げて装備の質を下げる事で、簡単に雑魚集団にする事が可能です。 逆を言うと、「財産」をマイナスにするのは、それだけ戦闘力が簡単に下がる証なわけでして、少なくともPC側が「財産/貧乏」以下の特徴を取るのは弱体化の度合いが酷いため、とてもお勧めできる選択肢ではありません―――格闘家とか、それをフォローできるだけの何らかの能力があるのであれば、キャラクターの背景の設定付けとして、敢えて「貧乏」にするという選択肢もないでもないですが。例えば、ドワーフの〈龍〉闘士とか。 …と、経済の話をしたところで本題へ。 【いかに弱兵を演出するか】 今回は、150cpの冒険者部隊を用意して、暴れん坊将軍のごとく雑魚を斬り倒すプレイを目指しましたが、なるべく100cp帯の通常の冒険者でも楽に勝てるように、それぞれの種族の戦闘力をわざと下げる方向に調整しています…そうしないと、ガープスの戦闘ルールでは短時間でやられてくれる役を作るのが大変だからです。 以下は、黒の月の雑魚3種族となります。 (オーク) 種族的に体力と生命力が高く、「我慢強さ」や「頑健」など戦士向きの特長を多く備えているため、意図的に雑魚化しないとやられ役にはならない連中です。 なのでまず「文明レベル0」の石器時代に設定し、更にゴブリンの奴隷にする事で不当に搾取されて「財産/赤貧」として、鎧やシールドを装備できないようにします。さらにCP総計をゼロにして、技能の基準となる敏捷力も上がりにくくしています。 技量が10レベルしかないため、普通に攻撃しても命中率が低く(命中率50%)、さらにまともな防具も備わっていない事から「どうせ能動防御の機会を残しても大して役に立たない」状況に追い込むことで、「仕方なく」全力攻撃・技能+4を選択させ、とりあえず攻撃が1回命中するけど防御はがら空き、攻撃されると一撃で重傷という「使えない戦力」にする事ができます。このくらい雑魚にしておかないと、ガープスにおける「暴れん坊将軍の殺陣」の再現は難しいです。 ただし数が多い種族なので、人海戦術で全員が攻撃してくると、150cp帯の英雄でも普通に危ないので、脅威度はそこまで低くないです。「雑魚を薙ぎ倒す爽快感」を維持しつつも、「油断したら殺られる」という緊張感を演出する事で、黒の月の種族は決してなめてかかってはいけないという演出を狙っています。 (ホブゴブリン) 種族性能は完全に戦士向き。また戦場で死体から装備をかっぱらってる設定になっているため、「財産」レベルも「標準」であり、そのまま戦えばかなり強い相手です。 そのため、性格的に無謀にして隙を作るため、種族の多くは「命知らず」の特徴を持っている事にし、不用意に全力攻撃を繰り出してくるキャラにする事で、せっかくの高い能動防御性能を持ってるのに、性格のせいで雑魚化するように仕向けています。 ただし、最初の全力攻撃はかなり危険で、油断してない100cpの英雄候補生でも瀕死の重傷を受ける可能性が普通にあります。そのため、オークほど余裕をもって当たれる敵ではありません。ただし種族の絶対数が少ないので、大量に群れて襲い掛かってくるケースはほとんどない事にしています。 (オーガー) オークやホブゴブリンの強化バージョンで、怪力に加え、「バーサーク」の特徴で異様なタフさを発揮する、これ単体でも中ボスが務まる程度の性能を持っています。全力攻撃で防御放棄はしますが、ホブゴブリンのような弱体化はなく、むしろ脅威度が上昇しています。 ただし、オーガーに限らず雑魚3種族は、基本的に知力が低く設定してあるため、精神操作系呪文一発で制圧される可能性があります。魔法使いが《パニック》一発飛ばせば、大半は無力化できるはずです。時代劇に興味がないパーティー(笑)は、そこを突けば面倒な集団戦闘は避けられるでしょう。 【本気兵力】 雑魚戦力は徹底して弱点を作っている反面、ボスクラスはかなりマンチキンで作っています。基本的にこの世界の邪術師は、(主に味方に)手の内を知られたくないという特性があるため、単独での戦闘がメインとなります。 (ゴブリン・ソーサラー) ゴブリンの間は正直弱いですが(2、3ターン持てばいい方)、悪魔に変身してからが本番となります。今回はテストプレイで出しませんでしたが、例に挙げてる悪魔は飛行能力があるため、屋外で戦うとこちらも飛行する手段がないと普通に詰みます。 (ゲルーシャ・ソーサラー) ガープスの魔術師系マンチキンの少し捻った設計になってます。ぶっちゃけ、強いしたいだけであれば「《倍速》した後、《凍傷25》をぶっ放しつつ《音噴射》で攻撃する」という、よくあるマンチキン戦術で作ればOKです。 実はこのキャラ、最初はそれで作成しましたが、さすがに200cpでそのマンチキンをやると、《倍速》が入る事もあり、アリサたちは余裕で全滅してしまいました。なので、かなり手を抜いた設計になってます。なお、PC側に《防熱》と《矢よけ》を持って来られると、攻撃手段を完全に喪失して詰んでしまいます(《矢よけ》はともかく、《防熱》を常備してる冒険者隊はかなり少ないでしょうが)。 後半戦の悪魔ベルザエルですが、旧約聖書に登場する「ソドムとゴモラ」の神話を元に設計した悪魔で、主に石化の魔法で背徳者を塩の柱にするという、神話の後半、ロトの妻が振り向いて石化してしまうシーンをモデルにしています。 なお、前半の邪術師は神話の前半部分「神の裁きにより、硫黄と火の雨で滅ぼされた背徳の街」をモデルとしており、《石の雨》の呪文を戦術に組み込む事でそれを再現しています。 (トロール魔戦将軍) さすがにラスボス担当で手を抜くのも妙なので、こちらは本気でガチのマンチキンで作成しています。いわゆる「《倍速》した後、《凍傷25》をぶっ放しつつ怪力の剣で攻撃する」という、魔法剣士のマンチキンの頂点的な戦い方です。 なお、まともに戦闘したら150cp級でも普通に全滅しました…おそらく200cp級の冒険者数名いないと勝てないでしょう。今回は、同じ350cpの超英雄を持ってきて一騎打ちスタイルで試験してみました。レポートでは完勝していますが、テストプレイではPC側が負ける展開も何度か経験してるので、言うほど実力差はないです。先にダメージを受けて「よけ」が下がった方が、かなりの確率で負けてしまう印象です。 【アリサ御一行】 第2節「邪術師」の項目から1年後のアリサたちを主役に抜擢しました。アリサの年齢的にちょうど成長期で、女子高生みたいな体型になってるはずなので、下半身ムチムチ設計になってます。 4人目のエルファ娘ですが、いろいろなキャラでテストした結果、無難に戦士を増やした方が良いという結論となり、彼女が選ばれました。性格ですが、元キャラである「ケイラ・リムリック」はそもそも性格がよく分からないので、意表をついて「ちょっと内気で控えめな女性」にしました。控えめ系ヒロインは一定の需要があると思いますし、考えてみれば当サイトにそういうのいなかったな?と気づいたので、その第一号ということで。 【自由騎士パーン】 アリサたちが魔戦将軍にさっぱり勝てないので、急遽登場してもらうことになりました。 なお、「このサイトのパーンさんはもう死んでるんじゃないのか?」という話が出てくると思いますが、そもそもアリサが冒険していたのは、双月歴1095年より9年前からという設定であり、今回登場したアリサは約8年前を想定しているため、その時期はまだパーンはがっつり生きているという設定です(彼が対帝国戦線で死んだのは、割と最近の事です)。 パーンに関しては、生きてるうちにどこかでアリサと何らかの形で遭遇させる予定でしたが、今回その機会を得たので共闘させてみる事にしました…敵として登場させずに済んでよかったな(笑) なお、パーンにトロール退治の依頼を出した組織ですが、〈青の網〉というガヤン神殿の組織内結社で、当サイトのファウン神殿内の秘密結社である「ドーン・ガード」(対吸血鬼部隊)と似たような立ち位置の組織です。ただし〈青の網〉の対戦相手は、「国際指名手配犯」です(「青の網」は、小説「ルナルジェネレーション2 バドッカの牙を折れ!」の巻末のラスティ・クルツのキャラクターシートに名前だけ出てきます)。 TL3の時代では、国境を越えて犯罪を企む大物は、テレポート移動や高速移動が可能な超英雄(高レベル邪術師やトロールなど)に限られるはずなので、おそらく数はかなり少ないはずです。しかし、対処する専門メンバーはやはり必要であり、相手の強さから想定すると、かなりの英雄クラスでないと務まらないと思われます。そんなわけで一般組織としては存在せず、ガヤン信者同士の秘密結社的な組織が自発的にそれを担当している設定です。 パーンはガヤン入信者ですが、実力的には超英雄なので、こうした秘密結社から手配犯の逮捕または討伐の依頼を受ける事があるようです(情報網として利用しているラスティとは異なり、パーンにとってはただの依頼者なので、「後援者」としては獲得していません)。 …で、最後のその自由騎士のデータでも。 |